Story5-6
ログハウスで2日滞在し、その日の夕方にアーカムまで来ました。アーカムに来て私はこっそりトーチカと連絡を取りました。2日のあいだで変わったことはないということ。一方でアメリカ軍が活発に活動をアメリカ東部で行っているという情報を得ました。そしてもう一つの重要な事。メリーさんにはミスカトニック大学に1人だけ協力者がいるということでした。
カチューシャ(ということは、メリーさんはその協力者に事前に通達を行っていたということで合っているのかしら?)
トーチカ(いえ、どちらかと言えば昔大変な迷惑をかけた人間でその恩返しでいろいろな援助をしている存在ようです。また、今回は緊急で通達なしだということです。)
カチューシャ(何かその協力者と出会う方法はないのかしら?)
トーチカ(協力者の名前はわかっています。名前はエレナ・ウェイトリーという女性らしく、現在でもミスカトニック大学の教授をしている存在だということまでわかっています。)
カチューシャ(それでも私は面識がないわ。初対面なのにどうやって会えと言うのかしら?)
トーチカ(暗号があるようです。むしろよく初対面の姿で行っていたらしいのでそれがないといけないらしいので。)
カチューシャ(その暗号は?)
トーチカ(暗号はファイアーアークエンジェルというものらしいです。)
カチューシャ(わかったわ。接触を試みるわ。)
トーチカ(了解しました。)
そういったやり取りを終えたのち、ホテルに戻りました。ホテルに戻ってから私はパトリシアさんとカーナーさんに伝言を残してミスカトニック大学に向かいました。ミスカトニック大学についてからすぐに窓口に向かい、エレナ・ウェイトリー教授を呼んでもらいました。窓口から少し離れた部屋で私は座って待っているように言われ、5分ほどでエレナさんはきました。
エレナ「君かな?ロシア風の学生というのは。」
カチューシャ「エレナ教授ですね。初めまして。聖線高校3年のエカチェリーナともうします。」
エレナ「あいにくこちらは忙しいのでね。手早く用件を言いたまえ。」
カチューシャ「ファイアーアークエンジェル。これが用件です。」
エレナ「・・・!詳しく話を聞かせてくれ。どこでそれを知ったのか。」
私は聞かれた質問に対して私は正確に答えました。答える前に正体や考えを読み取ることを行い、敵ではないということを理解したうえで話しました。話を終えるとエレナさんはこう言いました。
エレナ「なるほどな。」
カチューシャ「それで私だけではどうしようもなく・・・。」
エレナ「彼女は無事なんだろうね。」
カチューシャ「一応セーフハウスに隠れてもらっています。」
エレナ「そうか。ここに今すぐにでも逃げてきてもらいたいものだが・・・あいにくこちらも安全とは言えない。むしろこちらでは一般人への被害が増大するだろう。いくら宇宙人好きな人間がいると言っても私ほどの人間は一握りしかいない。」
カチューシャ「可能であれば私設軍隊を用いても構わないのですが・・・。」
エレナ「そうしてもらってもいいだろうか?こちらも私設軍隊を1つだけ持っている。と言っても1人だけの陸戦だが。おい、カノーネはいるか?」
カノーネ「こちらにいます。」
エレナ「特別支援砲火部隊のカノーネだ。」
カチューシャ「エカチェリーナです。よろしくお願いします。」
エレナ「さて、どうせここまで来てもらったんだ。どうせなら研究室にある稀少書物くらい読んでも罰は当たらんだろう。魔術書の1つくらいは読んだのだろう?」
カチューシャ「ネクロノミコンと無名祭祀書のロシア語版を読んだことがあります。」
エレナ「ほう。そんなに読んだのか。となると魔術も多く使えるのだろう?」
カチューシャ「ほとんどが召喚/退散術だけです。魔力付与の呪文を少し知っているだけで他は何も。」
エレナ「むしろそれが普通だ。こちらに実用的な呪文なんぞほとんど記されていないのだからな。」
カチューシャ「あ、もう一つだけあります。滅びの唄。これを読みました。」
エレナ「・・・知らない魔術書だな。どんな呪文が書いてあった?」
カチューシャ「主に暗殺や心変わりの秘術が書かれていました。呪文は『収束点の破壊』と『心潰しの種』だけでした。」
エレナ「収束点の破壊?それに心潰しの種?」
カチューシャ「どちらも成功していないのですが、『収束点の破壊』はロイガーの攻撃に似ているのだとか。『心潰しの種』はこちらの思い通りに動かせるのだと書かれていました。」
エレナ「作者は誰だった?」
カチューシャ「名前はエカチェリーナ・C・ロストヴァと書かれていました。」
エレナ「なるほどな。あのハーフが書いた魔道書か。ならば信頼性が高く、なおかつ成功率の低い魔道書だな。」
カチューシャ「どういうことですか?」
エレナ「エカチェリーナ・C・ロストヴァは実験好きなハーフで書くことは正しい。ただ、その方式を行うには不可能を3回掛けてもおつりがくるほどのものだ。」
カチューシャ「なるほど。」
エレナ「さて、そろそろ時間か。どうだろう?一緒に帰るというのは?」
カチューシャ「お願いします。」
エレナ「だ、そうだ。カノーネ、先に帰ってくれ。しかしエリカに追撃を受けたということは相当事態が悪化しているな。」
カチューシャ「そうなのですか?」
エレナ「まあな。おそらく探しに来ているだろうし会った場合、対処がやっかいだ。」
カノーネが出て行った後に私たちは話しながらキャンパスの中を歩いていました。すると、上からガラスを引っ掻くような音が聞こえてきました。
エレナ「くそ!あいつらか!」
上を見上げると10匹近いシャンタク鳥が上空を旋回していました。しかし、周りの一般人はいつものように歩いていました。
カチューシャ「周りには見えていないのですか!?」
エレナ「見えてはいるが、どうでもいい物に見えている・・・おそらくは航空機とかに見えているのだろう!」
カチューシャ「救援部隊は・・・!携帯が通じない!」
エレナ「妨害電波か!走れ!この先に私所有の武器庫がある!」
そう言われて武器庫の方角に走りました。後ろからはシャンタク鳥が追いかけていました。
カチューシャ「武器庫はまだなのですか!」
エレナ「もう少しだ!ここを右に曲がれば!」
そう言って右にある細い路地に入りました。路地にはさすがのシャンタク鳥も入っては来れないらしく、路地の上で旋回していました。
エレナ「こっちだ!この扉に・・・!」
そう言ってエレナさんが扉を開けるとそこには機関銃などの多くの火器がありました。
エレナ「重武装で行くぞ!」
カチューシャ「・・・MG4にRPG-7、AT4、9K338、FIM-92!こんな兵器をいったいどこから・・・。」
エレナ「研究用ですべて審査を通した兵器だ。こんな事態を想定して正解だった!」
そう言って私も重武装をしました。ミサイルなどの携帯型武器の運用はドリームランドで経験済みだったので自信はあります。
カチューシャ「MG4とFIM-92で・・・!」
重装備をした私たちは建物の屋上にこっそりと陣取りました。
エレナ「いいか?1で発射だ。その後は武器を隠して逃げるぞ。発射は周りに完全にばれるからな。アメリカ軍がすぐに攻撃準備に入ってくれるだろう。」
カチューシャ「分かりました。」
エレナ「行くぞ。3、2、1!」
その瞬間、2本の槍が空に向かって舞い上がり、2匹のシャンタク鳥を撃ち落しました。それと同時に周りから悲鳴のような叫びが聞こえ始めました。
エレナ「撃墜を確認。武器を隠してからしばらく路地から外に出るな。いいか?」
カチューシャ「わかりました。」
そう言って下にまで駆け足で降りて、武器を隠しました。聞くと、武器は門の力で別の所へと自動的に転送される仕組みになっているという事でした。
カチューシャ「普通の時に人間が入ったらどうなるのですか?」
エレナ「運が良ければ転送先で発狂、悪かったら石の中だろうな。」
カチューシャ「・・・どこのRPGですか。」
そんな会話をしていると空から轟音がしてきました。
エレナ「やれやれ。ようやくアメリカ軍のご登場か。さて、戻るとするか。」
カチューシャ「そうですね。」
ようやく戻れる。そう思って安心しました。すると後ろから声が聞こえてきました。
???「どこにもどるのですか?」
そう言われて振り向くとそこにはあの写真の少女が立っていました。
カチューシャ「あなたは・・・!エリカ・N・メッサーシュミット!」
エリカ「あら、私の名前を知っているの?なら、話が早いわね。・・・あなたを連れ去りに来たわ。」
カチューシャ「・・・!?」
言われた意味が全く分かりませんでした。
カチューシャ「なぜ・・・私なのですか?私のような人間では意味がないと思いますが?」
エリカ「私のような人間・・・ね。あなた、本当に自分が人間だと思っているの?」
カチューシャ「!?どういうことですか!」
エリカ「そもそも『人間』とはどういう存在なのかしら?地球で生まれたら人間?それとも2足歩行できれば人間?なにをもって人間とするの?」
カチューシャ「それは・・・」
答えがでませんでした。そもそも何をもって人間とするかを考えたこともありませんでした。そんなことを思っていると声が聞こえてきました。その声の正体はヒトミさんでした。
ヒトミ「エリカ・N・メッサーシュミット!今度こそ逃がさないわ!」
エリカ「面倒なのが来たわね・・・。まあいいわ、1つだけ答えを教えてあげる。・・・エカチェリーナ・C・リトヴァク、あなたは地球生まれなんかじゃない。ましてや人間ですらない。」
カチューシャ「・・・!それはどういう事ですか!」
エリカ「自分で考えるのね。それじゃあまた会いましょう。次に会う時までに、自分の自由に別れの挨拶をしておいてね。」
そう言ったかと思うとその体は崩れていき、天に向かって飛んで行ってしまいました。
ヒトミ「くっ!追跡は!間に合ったの!?」
合衆国兵「だめです!早すぎて追いつきません!」
ヒトミ「レーザーでも振り切られるなんて!」
その姿を見ているとヒトミさんが近づいてきました。
ヒトミ「ごめんなさい、こっちに集中していたわ。カチューシャさんにエレナ教授。」
カチューシャ「いえいえ、気にしないでください。」
エレナ「構わんよ。別に危害を加えられたわけではないからな。」
ヒトミ「そうですか?」
そう言っているところで兵士の1人が近づいてきて話を始めました。私はヒトミさんに、先に帰っていると言って帰ることにしました。その帰りの途中でエレナさんをメリーさんに会わせに行きました。
エレナ「メリー様!」
メリー「様はいいわよ。メリーでいいわ。」
エレナ「いえ、そういうところはしっかりとしないと・・・。」
メリー「変なところが固いわよね。・・・エカチェリーナさんもありがとうね。」
カチューシャ「いえ、私は何もしていませんので・・・。」
メリー「あなたまで固くならないでいいのよ。・・・そうだわ!エレナ、この子の為に資材を融通してあげて。この子と同盟を組むわよ。」
カチューシャ「いいのですか?」
メリー「いいのよ。足りなかったら地球外の惑星から取ってくるわ。」
カチューシャ「なるほど・・・。」
メリー「同盟成立でいいわね?」
カチューシャ「はい、これからよろしくお願いします。」
メリー「こちらこそよろしくね。」
そう言って同盟を結んでから私は帰りました。その後は何事もなく、航空機に乗って日本にまで無事に帰ることが出来ました。




