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『クトゥルフ神話系ストーリー』 事象の境界線に立つ少女の記録  作者: S.R.Scarlet
第1章 少女が過ごしたハーフたちとの4年間
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Story1-1

Episode1 Friendly fire(物質の4態)


5月9日。

あの日は初夏の日でした。4月の過ごしやすさとは違い、少し暑くなり始めた日でした。その日、私はいつも通りに家から学校へと向かっていました。家から学校までは20分ほどの距離にあるために毎日7時半には家を出ていました。そしていつも通りに8時ごろには教室についていました。始業の時間は8時半なのでいつもそれまでの30分はぐだぐだとしていました。しかしその日は周りが何かのうわさをしていました。


カチューシャ「おはよう、雪風。」

雪風「おう。カチューシャじゃないか。」


あ、彼の名前は雪風八駆。私の幼馴染です。彼の生まれは東京ではなく長崎県の佐世保で、父親は大使館員らしいです。らしいというのも、会ったのが1回ほどしかないからです。今はフィリピンにいるらしいので詳細は不明です。


カチューシャ「今日はなんだか騒がしいけどなにかあったの?」

雪風「ああ。こんな時期に転校生が来るんだとよ。アメリカからだったって聞いたぜ。」

カチューシャ「アメリカからの転校生。日本語話せるのかしら?」

雪風「さあな。ま、話せようが話せまいがこっちが英語を話せれば問題ないだろ?」

カチューシャ「あのねぇ・・・。私たちのは英国流英語であって米国流英語じゃないのよ。単語もいくつか違うって聞いたわ。」

雪風「まじかよ。それはちょっと厄介だな。」


とかなんとか言ってると予鈴が鳴りました。その時点で話はやめて本鈴まで待機してました。そして、本鈴が鳴ると先生が入ってきました。入ってすぐに先生はこう言いました。

先生「え~・・・本日よりわがクラスにアメリカ人の学生が転入してくることになった。」


と言ったかと思うと廊下からその噂の転校生が入ってきました。最初の感想は本当に高校生なの?って思いました。特徴はつやのある金色の髪の毛、目は炎のように紅く、背は140cmしかないように感じるほどに小さい子でした。


ヒトミ「ヒトミ・エイブラムスと言います。日本には何回か来たことあるので日本語は話せます。アメリカではシアトルに住んでいました。これからよろしくお願いします。」


といって彼女はお辞儀をした。その後のことはあまり覚えていませんが、ロリコンの学生が先生に引っ張られて職員室に連れていかれた記憶があります。

さて、そのままその日は授業が行われました。転校生のヒトミさんはかなり頭が良いみたいで多くの問題を解いていました。余談ですが、彼女は私の隣に座ることになりました。

隣の席ということもあってか私はヒトミさんとは早くから仲良くなりました。

さて、放課後になりました。いつもは雪風と帰るのですが、今日は彼曰く部活動が忙しいらしいのです。なんでも第二次大戦時代の海戦を再現したゲームをしているのだとか。ちなみに彼の操作する艦船は駆逐艦なのだとか。陽炎型駆逐艦の八番艦・・・とか言ってました。なので一人でさっさと帰ろうと思っていたら担任の先生から呼び止められました。


先生「エカチェリーナ。少し待ってもらってもいいか?」

カチューシャ:「なんでしょうか?」


呼び止められて振り返るとそこには先生と一緒にヒトミさんがいました。


先生「実は彼女の係なのだが、君と同じ春季に行われる学外課業の係になってもらった。それと、係が行くのが次の水曜日になった。」

カチューシャ「次の水曜日というと7日後ですね。確か高尾山に行くのですよね?」

先生「そうだ。そこで彼女に学校などの紹介を簡単にしてもらいたい。かまわないか?」

カチューシャ「構いませんよ。隣の席ですし話すこともあるでしょうし。」

先生「それじゃあ頼んだよ。」


そう言って先生はどこかに行ってしまい、残った私はヒトミと帰ることにしました。

帰りに私はいろいろな話をするために喫茶店によることにしました。喫茶店の名前は私のお気に入りのお店である喫茶カーナーヴォン。イギリス流の紅茶を出してくれるのでよく行く喫茶店です。店主は深緑色の髪の毛でメイド服を着た方なのですが、いろいろと不思議な方です。何が不思議かと言うと、言葉の主語がいつも『私たち』という1人称複数だからなのです。聞いた話では南極にいたこともあるのだとか。いろいろと謎な経歴を持つ方ですが、紅茶の美味しさは本物です。いつものように紅茶を頼んで、運ばれてくるまでヒトミさんと話すことにしました。


カチューシャ「まあ、知っての通りうちの学校は大学の付属校でほとんどがそのまま内部進学をするわ。それと春季の学外課業は毎年第三水曜日に行っているの。今回の場所は高尾山。水曜日だから公欠を取ることになるけど特に書類もいらないわ。」

ヒトミ「なるほどね。高尾山というとあの京王線の駅がある高尾山のことであっているのですか?」

カチューシャ「その通りね。まあルートの確認をしてこいというだけだけどね。」

ヒトミ「資料などは手に入れているのですか?」

カチューシャ「まだまだね。図書館に行っても大した資料は置いてないというのもあって。」

ヒトミ「でしたら私の家にあるパソコンを使い、ネットで調べてはいかがでしょうか?」

カチューシャ「じゃあ調べてみようかしら。」

ヒトミ「案内します。家はここから数分の場所です。」

カチューシャ「じゃあ飲んだら行きましょう。」


と言っていたらいつの間にか紅茶が運ばれていた。いい香り。香りもいいけれど、店主の気配りがよいのもこの店の特徴だ。話の邪魔にならないようにカップを置いて、よく見ると隣にアプリコットジャムも置かれていた。


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