Story3-4
カチューシャ「・・・パトリシアさん。どうしたのですか?もう下校時刻は過ぎているはずですよ?・・・一緒に帰りますか?」
そう言ってパトリシアさんに近づいたときにパトリシアさんがこう言いました。
パトリシア「カチューシャちゃん・・・。実は私、気になることがあるの。」
カチューシャ「・・・?」
パトリシア「カチューシャちゃん、おねえちゃんがいなくなることを知っていたんじゃないの?」
カチューシャ「・・・!そんなことはな・・・」
パトリシア「嘘だよ。だっておねえちゃんの事を気にしていたし、日暮里駅を見た瞬間に谷中霊園なんて言ったし・・・それに、なんでおねえちゃんの代わりになの?」
カチューシャ「それは・・・友達だから・・・。」
パトリシア「それも嘘だよ。それだけじゃカチューシャちゃんは生徒会長に立候補なんてしない。それ以上の、何か罪悪感に悩まされているから立候補したんだよ。」
カチューシャ「・・・。」
パトリシア「ねえ、教えてよ。なんでおねえちゃんは消えたの?なんで、なんで!」
カチューシャ「パトリシアさん・・・世界には知ってはいけない世界もあるの。踏み込んだら・・・もう戻れない。それに一生を振り回されるの。だから・・・。」
パトリシア「そんなことどうでもいい!私はおねえちゃんと一緒にいたいだけなの!血がつながっていなくても・・・大事な私のおねえちゃんなんだから。」
カチューシャ「・・・。」
私の心は揺れ動きました。本当の事を伝えるべきなのか。それをしてはならないのか。人の一生を動かす出来事。今までとは違う、なし崩し的に巻き込まれていた今までとは違う。
・・・しばらくして私は決心をつけました。本当の事を話そうと。
カチューシャ「パトリシアさん・・・ここでの話はだれにもしゃべらないで。私がこのことを話したことも。・・・カーナーさんは世界に知られていない生き物の所にいる。ニョグダという名前を知っているかしら?」
パトリシア「・・・?おねえちゃんが時々寝言で話している言葉だよね・・・?それがなんなの?」
カチューシャ「カーナーさんはそのニョグダとの間に生まれた子供・・・人間とグールとニョグダのクォーターなの。」
パトリシア「カチューシャ・・・ちゃん?」
カチューシャ「私も正直疑ったわ。だってカーナーさんは人間だとずっと思っていたから。」
パトリシア「カチューシャちゃん・・・それが本当の事だとして・・・どうしてそのことを知っているの?」
カチューシャ「私自身がそれに巻き込まれてきたからよ。クトゥグア、ハスター、クトゥルフ、ニャルラトホテプ・・・知ってはいけないおぞましい邪神の数々。それに巻き込まれているからよ。」
パトリシア「・・・そう・・・だったんだ。・・・実は私もカチューシャちゃんに隠していることがあるの。」
カチューシャ「・・・?」
パトリシア「実は・・・私も人間じゃないの。人間の姿をした何かなの。」