#2 白花ふしぎはよく食べる。
四コマ漫画のような感覚で書いているので、
()の中のものはそのショートストーリーのタイトルです。
俺の彼女は喋らない。
白花ふしぎちゃん。
不思議な雰囲気を纏った俺の彼女。
一見普通の可愛い女の子なのだが、
ふしぎちゃんは、
何故か一言たりとも言葉を喋らないのだ。
(教室)
「ふしぎちゃん、お昼一緒に食べない?」
「……」
黙ってこくりと頷く。
一言も喋ってはくれないけど、たぶん気は許してくれてる……はず。そう思いたい。いやそうじゃなかったら俺の心が痛いです、やめて。
「じゃ屋上行こっか、今日天気よくてあったかいからきっと気持ちいいよ」
「………」
…ずっと思ってたんだけどさ。
あの…
ふしぎちゃんの持ってるあれってお昼ご飯だよね?
………ふろしきデカくね?
俺のお昼の3倍くらいじゃね?
ん???
(白花さんの不思議①)
「いただきまーす…」
「………」
ふしぎちゃんはどうやら食べることが好きらしい。
…………………
いやでもだからって多すぎじゃね!!!??
おにぎりこれっ…これぇ!!!!!(約12個)
ふしぎちゃんその華奢な体でどんだけ食うの!!?
そして具材は梅が好きなのね!!!
12個全部梅ってすげぇな!!?
「♪」
あ、でも、幸せそうで何よりだわ…
(居眠りの話)
「ねっむ…」
さっき屋上で日向ぼっこしたようなもんだから眠くなっちゃったよ…子供か俺は。
ふふ、この調子だとふしぎちゃんも寝てるんじゃないか?
普段からよく居眠りしてるし…
そろそろ隣のクラスから先生の怒鳴り声が聞こえてくるんじゃな…
「おい白花ァァ俺の授業中におにぎり食うとは何事だァァァ!!!!!!」
まだおにぎり食ってたァァァァ!!!!!
さすがにあの数を休み時間内に食べることは無理だったのね!!!!
あの子の満腹中枢はどうなってんだ!!!!!!
(おにぎりの具の話)
「ふしぎちゃんは梅のおにぎりが1番好きなんだよね?いつも食べてるし…」
「………」
頷いた。やっぱりそうなのか。
「梅美味しいよねぇ。俺は昆布とかツナマヨも好きだよ」
「………」
あれ、反応がない。
俺なんか変なこと言っ……
「……………」
いや無言でツナマヨおにぎり差し出してきたァァァ!!!!!!
この子おにぎり一体いくつ持ってんのどういう仕組みなの!!!!
「………」
そして「昆布はないのごめんね」と言わんばかりの申し訳なさそうなその顔!!!!
いや!!!俺そんなおにぎりに命かけてねぇからそんな謝らなくてもいいからさぁ!!!!
あ、ツナマヨおにぎりうんま…。
俺の彼女は喋らない。
謎に包まれた、その名の通り不思議な子。
よくわかんないけど、おにぎりがとても好きらしい…。
ぜろつーです。
コメディ要素強めの日常ものになっていますね。
ほのぼの読んでいただけたら嬉しいです。