第二話 東大へ
さあ、学校祭が始まった。
俺は午後三時からのシフトだ。
その間、他の店を回ることにした。
「うん?これは何だ?」
(第一回 宇宙研究実習
あなたもNASAの一員になりませんか?
宇宙のことについて知りたい人大集合!
対象:高校生
日時:七月二十日(金)十七時集合
場所:東京大学研究室
文部科学省)
「こ...これは...。
こんなにいい機会なんてあるもんか...。
しかも憧れの東大で...。
これはいくしかない!」
(三時間後)
俺「中川先生!僕今日早退しないとダメです。」
中川先生「あ、そうなの?」
俺「ちょっとお腹痛いんで...。」
中川先生「わかりました。」
俺「...よし!」
中川先生「うん?今なんて言った?」
俺「い...いや言ってないですけど...。」
(中川先生が職員室に戻って)
中川先生「もしもし、私阿木君の担任を務めている中川と言います。」
母「あ、はい。」
中川先生「お久しぶりです。」
母「こちらこそ久しぶりです。」
中川先生「えーと、阿木君なんですが先ほど腹痛を訴えてらっしゃって、早退いたしました。」
母「あ、そうなんですか!」
中川先生「はい、ですのでそちらの方よろしくお願いします。」
母「分かりました失礼いたします。」
(家に帰宅)
俺「ただいまー。」
母「あらどうしたの阿木。お腹が痛いんでしょ。さぁ早く休んできな。」
俺「いや、病院に行くよ。病気は早く治さないと...。」
母「分かった。じゃあ早めにね。」
俺「了解。」
もちろん俺は東大へ行くのだ。
新幹線と地下鉄などを使い、なんとか東大へたどり着いた。
俺「あぁ――――、疲れた―――――。」
この時俺は初めて自分の宇宙への熱意を感じた。
そして実習が始まった。
実習では、惑星についてや、宇宙空間について、ヘシオドスとアインシュタインによる宇宙論、そして宇宙飛行士になるための宇宙空間体験などをやった。
俺「あぁ――、いい体験だったな...やべ!帰ること忘れてた!
...良かったー。あったわ。」
俺はその日のうちに家に帰った。
(帰宅後)
俺「ただいまー。」
母「...なにしてたのよ!いままで!」
俺「いや、普通に病院行ってただけだけど...。」
母「嘘をつくな!私は周辺の病院全部行ってきたよ!」
俺「い...いや、だから...。」
母「もう夜の十二時でしょ!しっかりしなさい!」
その後も俺は説教され続けた。
母「もういいわ!早く寝なさい!お父さんが帰ってきちゃうよ!」
俺「わかった。」
生活習慣を破って好きなことをやってもいいのだろうか。
そこはあまり納得できなかった。