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14話

場所は移りギルドの訓練場に来た。周りには多くの野次馬が集まっている。どうやらさっきその場にいた奴だけでなく噂を聞きつけてきたらしきやつまでいるらしく数がとてつもなく増えている。

「誰かどっちが勝つか賭けようぜ」

「正直掛けにもならん。誰かあの馬鹿に賭奴いるか?」

当たりを静寂が占める。

「だよな〜あの馬鹿が勝てるはずが無いw」

「二人目の被害者だな。これに処刑されるのは...」


訓練場の中で相手の変なと向かい合っているが正直めちゃくちゃ弱い。鑑定してみるとやはり弱すぎる。ステータス表にしても平均的な数値だから見ても意味がないのでこれからは脅威度で表す。(精霊の加護のちょっとした能力)どれほどステータスが高くても人だったら首を切れば死ぬし骨と皮膚などで硬さも違うだろうし...そんなわけで


モーブ

脅威度0


スキル 片手剣(スラッシュ・燕返し・カウンター) 気合い(溜める・我慢)


これのどこに危機感を持てというのだ!どうやって調理しようか悩むレベルだ。二度と立ち直れなくなるまで心をへし折ってやろう。


「それでは両者位置についてください」

審判役を務めるのは見たことはあるけど名前は知らない受付の人だ。見たところあのモーブに言い寄られているようだ。可哀想に。審判とモーブの間に入っていく。

「早く始めて早く終わらせよう。早く帰りたいし」

「このガキが俺様に楯突こうというのか。お前を今すぐにひねり倒してやる。約束忘れるなよ、シノン」

へぇーシノンって言うんだ。まぁあんまし関係ないし、あっ向こうで刹那と希海が手を振ってる。買った服似合ってるな。

「始め!」

手を振り返しとこう。

「おぉーよそ見するとは余裕だな切り伏せてやる」

うわー暑苦しい。近づかないでほしい。

「スラッシュ」

スパンと僕の首が()()()()()()()()

「ほーら俺の方が強い」

モーブがそう言っていると首を切られたはずの体が動きだしゆっくりと頭を拾い首につける。

「な、なんなんだよ!あいつは本当に人間なのか?そ、そんな気持ちの悪い笑顔でこっちを見るなよ!」

半ば恐慌状態に陥っている彼は完全に取り乱してしまっている。

「スラッシュ」

二タニタ

「燕返し」

ニヤニヤ

「溜め斬り」

ニコッ

ゆらりゆらりと近づく。

「ヒィ、ち、近づくな」

その言葉を最後に気絶してしまった。よく見るとズボンにシミが出来ている。

「ばっちい。全く俺は何もしてないのに」

影分身を消してからシノンさんの影からぬっと出てくる。周りを見るとみんな唖然とした様子でこちらを見ている。刹那は魔力を見て気づき希海は分身との微妙な違いに気づいたのだろう。審判の肩を叩いて進行を促す。

「あ、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい...........」

やばいこの人まで壊れてしまった。どうしようかな。とりあえず大丈夫と言いながら頭を撫でておく。刹那と希海の視線が痛い。いやいやこれは責任を取って慰めているだけだよ。


「勝者黒鷺陽」

ようやくシオンさんが泣きやみ決闘が終わった。訓練場をあとにして希海と刹那と合流する。

「お疲様。酷いくらい精神攻撃をしてたね。相手が可哀想だったよ。それに観客の全員が引いてたよ」

と希海が困ったような感じで言う。

「あれはまだまだだよ。昔ゲーム時代には回復魔法をコピーして殺しては蘇生してアイテム全ロストさせていたからね。あれは鬼畜だったよ」

どこか遠い目で見つめながら語る刹那。あの時はムカついてやりすぎたな。そう考えると今丸くなったな。

そのまま受付で地龍の討伐の依頼を受けていく。場所は南の方の山の麓の死霊の森にいるらしい。見るからに出そうな場所だな。聞いたところ意外と遠いらしく泊まる準備をして行ったほうがいいらしい。俺らには関係が無いが。


門の外に出る。

「刹那いつもの作って。歩くのだるい〜」

「分かったから。ちょっと待ってよ。ついで血液の準備してて喉乾いたから」

俺はバックから皿を取り出して鎌で軽く手首を切り血液を採取する。

創造魔法(クリエイト・マジック)機械人形作成(メイキング・ゴーレム)

地面に大きな魔法陣が描かれて魔法陣の中から馬と馬車が現れる。

サイズはかなり大きく人が8人は乗ってもゆったり出来るレベルで広い。

「お疲れ。いつ見ても便利だなその魔法。ほら新鮮な血液だよ」

「よく言うよ。一度見た魔法なら8割の完成度で真似をすることが出来るくせに」

少しすねた様子ながらご機嫌な様子で血液を飲み干す。唇から血が垂れてるのはご愛敬だろう。希海がよって来た刹那の口を拭きながら言う。

「はいはい。女の子なんだから見た目は気にしないとダメだよ」

「ありがとうのんちゃん」

そして馬車に乗り込む。馬車内は見た目からは想像がつかないほど現代風になっている。簡単に言うと見た目はこの世界の普通の馬車で中は地球の部屋とは大差なくなっている。

「いやーゲーム時代にも乗ったけどやっぱり体感すると違うよね」

「さすがは魔女だな。魔法に関しては右に出るものは居ないな」

「おだてても何も出ないわよ」

このゴーレム馬車のすごい所は目的地まで自動運転が出来そこら辺の雑魚に至っては引き飛ばすことが出来る。そんなわけで死霊の森までノンストップで行くことが出来る。

「とりあえず夕飯にするから手伝え〜」

なんだかんだ色々あってとっくに昼はすぎ既に夕方になっていた。影からこの前大氾濫で討伐することが出来たオークの肉を使う。普通の豚肉よりも肉っぽいのにも関わらず脂が上質なため美容にもよく太らないと言われてる。最下級のオークはそうでもないがランクが上がれば上がるほど美味しいものになっていく。

「今日は豚しゃぶするぞ」

オークの中のまぁまぁ良い奴を選ぶ。野菜は市場で見かけたそれっぽいものを選んできた。

「刹那野菜洗って切ってて」

「希海はこのオークのブロック肉を切ってて」

「え、陽は何するの?」

「そこら辺のゴミを片付けて来る」

そして察したのかまた料理に戻る。馬車の戸を開けるとそこには盗賊が集団で囲っていた。

「金と女をよこせ!そうすれば楽に殺してやるぞ」

「親方可哀想ですよ。反応できずに固まってますよ」

総勢15人流石に少なさすぎる。親方だけは脅威度が1でその他は0の有象無象達である。

久しぶりに精神を折ろう(物理)かな。

「カット」

つぶやきとともに大鎌を振る。今の大鎌は少し影を足して刃のところが8mくらいある。盗賊は一網打尽に切り伏せられる。一切血は出ないが精神を切り取った。特に悪い心を人並みほどになるまでにした。心が体に馴染むまで少しのあいだ惚けた間抜けズラのままだろう。ここは魔物も少ないしほっといて良いだろう。

「「陽〜ご飯出来たよ。早くおいで〜」」

「はいはい。今いくよ〜」

リビングに行くと2人が既に待っていた。スラさんは、ソファでぐったりしている。

「何か、家族みたいだな」

「それもそうね」

「こういうのも新鮮で楽しいよ」

箸など皿を準備して俺の対面に希海その横に刹那と並び席に着く。

「「「いただきます」」」

みんな我先にと鍋の中に肉を入れしゃぶしゃぶする。

「うめぇ〜日本の豚肉よりも美味しい」

「殺された相手だけどそれとこれとは別で美味しい」

「やばい、もう箸が止まらない」

あまりにもがっつく女子がいるため一応警告しておく。

「あんまり食べると(オーク)になるぞ」

一瞬にして時が止まる。そして考えた挙句答えが出た。

「「あとで軽く食後の運動(ダイエット)をするから問題ないの!!」

ご飯を食べ終わると俺は皿を洗い女子達はいそいそと外に出て行った。ついでにお風呂を貯めておいてあげよう。

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