閑話 一つと1匹
閑話です。少し短いですが前回の戦闘シーンの解説に少しはなっているはずです。
私は神によって造られたロボットに埋め込まれた人工知能である。目的はこの配置されたダンジョンの管理兼守護兼可能なら魔力供給源の殺害である。魔力供給源の女は棺桶に入れて魔力を吸い出して魔物を作り出している。この女は吸血鬼の中でもかなり不死身で殺せなかったため魔力をゼロにして殺すように教えられている。侵入者を排除すればいいのだが大抵最終階まで来ないのでもっぱら管理の方が多い。そのようにダンジョンで守ること五十年ほど何事もなく仕事を全うすることができていた。
そんなある日破竹の勢いでダンジョンを踏破するものが現れた。ダンジョンの階層をかなりのペースで降りている。なおかつほとんど魔物を殺さないので封印の意味もなく魔力が吸い出せない。進み出して僅か数日で三十数階まで進んでいた。守護者の権限で自分の魔力を消費しかなり強い魔物をその侵入者に当てる。それもすぐに反応が消えてしまった。私は考えた。どうすればあいつを排除できるか。
(演算中…...演算中.....演算終了。自分で排除が1番確率が高い。九十八%の確率で勝利)
演算結果が出たので急いで準備する。奴が降りてくる階段に転移罠を仕掛ける。奴はまんまと罠にかかりいきなりボス部屋の前までやって来た。私も早く移動して準備をしなければならない。神様に貰った神剣装備してボス部屋の中央に立つ。しばらくすると門が開き侵入者の姿が見える。全身真っ黒な装備で武器は手に持っている。2m近い大鎌だろう。何となくただならぬ雰囲気の装備に身を包んでいるが本人からはあまり力を感じない。これなら楽に勝てるかもしれない。先制を取るために左手を相手に向けて火の矢を撃った。しかし到着のまでの短い時間で相手は危険性を感じ取り避けた。
(これは最初の予想から相手の実力を上方修正する必要があるな。)
すると目を離していないのに目の前から一瞬で消えた。自分のスキルの見切りによって相手が後ろに回り込んだのが分かったので防ぐ。ぎりぎり鎌の範囲からのがれることが出来た。一旦相手が距離をとったので対処のしにくい全属性のランスを展開して打ち込む。相手は真っ黒なランスを同じ数のランスを創り出し相殺する。二つがぶつかると爆発が生じて砂煙が上がる。相手の気配が感じ取れず反応がほんの少し遅くなってしまった。後ろの空気が揺れたのを感じ防ぎはしたが少し肩を傷つけられた。そこから魔力が放電しているようになっている。(あのランスを撃った時影が減ったのでこれは影を使っていて量に制限がありそうだ。ならば対応出来ないほどぶつければいい)
先ほどより体の動きなどを上げて近接戦闘を行う。相手が距離を取った瞬間に先ほどの3倍の魔法を展開する。相手は影が足りないと感じたのか影を前方にドームのように創り出しランスを防いでいる。
(あれなら前が見えないはず魔法の後ろから剣を槍へと変型させて突っ込む魔法が止み相手が影が解除した瞬間にはもう避けられない位置にいた。そのまま腹を抉るように突き刺す。相手はそのまま膝をつき崩れ落ちる。
「侵入者の排除に成功しました」
相手の脈や息が無いことを確認してそう告げ緊張を解く。そしてもう一度侵入者の体を見た瞬間侵入者の体が爆発して中から無数の黒い槍が飛び出て突き刺さる。
(そんな死んだはずじゃ...どこにいる?)
「いや〜、一か八かの賭けに無事に勝ってよかった。ステータスで完全に負けているからやっぱり奇策でしか殺れないな」
ゆっくりと自身の影から出てきた姿を呆然と見る。(推測でしかないがあの盾を作った時にダンジョンの床の影に入りそこから私の影に入ったのだろう。そして地上にいたのは影で創った分身だったのだろう。見事に引っ掛けられた。)
そいつはカバンからスライムを取り出していた。スライムは外に出ると跳ねながらこちらにやって来た。
(あぁ吸収されてしまうのか…)
なんとスライムはすぐ近くで立ち止まると念話で話しかけてきた。
(あの...もしよろしければ…僕のスキルになって僕の願いを叶える手助けをしてくれませんか?)
(スライムが人語を話して驚いたが私もあの男に興味があるし悪い話では無い。
(良かろう。だから私を取り込んでくれ。あんなに完敗したのだから一生ついて行ってやる。)
そんな感じで新たにスライムのスキルとなりあやつの観察をする。少しでもスライムとの約束を早く達成出来るようになるように...
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