闘技大会とは?
異世界に来てすでに一ヶ月経った。俺たちは相変わらずミラの宿屋で生活しながら冒険者として頑張っていた。おかげでランクもAまで上がった。
「よし、今日もとりあえずギルドに行くか。」
「分かりました。」
「了解です、ご主人様。」
「レンヤさん、いってらっしゃい。」
「行ってくるよ、ミラ。」
ギルドに来てみると、何やら騒がしい。
「何や騒がしいですね。」
どうやらファムも思ったらしい。
「誰かに聞いてみるか?」
「そうですね。」
「ご主人様、私が行ってきます。」
そう言って、ヨウコはトコトコと冒険者のもとへと行った。なぜみんな騒いでいるかというと、ヨウコが言うには現在、ギルドでの最高ランクの人がなぜかこのギルドにいるとか。
「最高ランクって言うことは神級?」
「それも聞いたのですが特級らしいです。」
「じゃあ、今ギルドに戦略級以上はいないのか?」
「そういうことらしいです。」
「レンヤさんなら、神級になれそうですけどね。」
「とりあえず、依頼を見ようぜ。」
ということで依頼を見ている。
「これなんかどうだ?ドラゴンの撃退。運が良ければテイムできるし。」
「でも、遠いいですよ?」
「わ、私だけじゃあ足りないんですか、ご主人様!?」
「ヨウコ、変なこと言うなよ。誤解を招くだろ。まぁドラゴンはボツか。」
「これなんてどうですか?聖域の調査。報酬が100000ゴールド。そして、何より簡単です。」
「ファム殿、それでは面白くない。ご主人様、ここはデビルの生け捕りがいいと思います。」
「ヨウコさん、そんなこと言っていたら夜は持ちませんよ?」
あーでもない、こーでもないと言っていたら髭を長くはやしたおじいさんがこちらに向かってきた。
「君がレンヤくんかい?」
俺はファムとヨウコに口出ししないように目配らせをした。
「そうだが?」
「ワシはガラードという。ここ、王都にあるカインド戦闘学園の学園長をしている。実は折り入って頼みがあるのじゃ。」
「頼みだと?」
「実は学園主催の闘技大会に出て欲しいのじゃ。」
「闘技大会?なんだそれ?」
「簡単に言うならば、魔法使い系統、武術系統、精霊術師系統、テイマー系統に分かれて行われるトーナメント戦ですね。ルールとしては殺さないことと、20歳以下ということだけです。」
「なるほどな。で、なんで俺に出て欲しいんだ?」
ガラードは俺に言うか一瞬迷ったようだがすぐに真剣にこちらを見ていってきた。
なんと、学園に勇者が入学して来て、俺は勇者だそ、と他の生徒に迷惑をかけまくっているらしい。まぁ、簡単に言えば今回の大会で同い年の人に負ければ少しは大人しくなるだろうとギルドに来てギルマスに相談したら俺を推薦されたらしい。ちなみにこの人がギルドの最高ランク保持者らしい。
「俺としては出ても構わない。」
「本当か!」
「ただし、条件がある。」
出てもいいと言って喜んだガラードは条件があると言うと、少し不安そうにした。
「依頼には報酬がいる。俺はギルドに所属しているんだ。当然だろ?」
「・・・何がいいんじゃ?」
「逆に何を俺に払える?俺はあんたの器を知りたい。」
俺がそう言うと、ガラードは目を見開き、ファムとヨウコはこちらに微笑んでいる。
俺はこいつに子供相手にどこまで出来るか聞いたのだ。子供だとバカにして軽く済ませるのか、それとも対等な関係を望むのか。
「ワシの器を知りたいか。面白いなレンヤくん。では、10000000ゴールドにどんな状態異常でも治せる万能薬を10瓶でどうじゃ?」
俺は驚いた。俺の想像を上回っているのだ。俺はついつい嬉しくなってしまった。
「奮発したなあんた、いや、ガラード。契約成立だ。いつからその大会は始まるんだ?」
「あまり時間が無くて悪いが一週間後だ。」
「分かった。俺を参加登録しておいてくれ。」
「ありがとう。どれに参加するのじゃ?」
俺は、いや、俺たちはニヤリと笑って言った。
「レンヤさん、なら全部で優勝しますよ。」
「ご主人様、なら全てにおいて一番ですよ。」
「何に出る?全部だよ。全てにおいて優勝してやる。ガラードは俺の期待以上の器だった。なら、今度は俺が答えよう。」
ガラードは絶句して俺らがいなくなるまで全く動かなかった。
俺たちは、一週間、とにかくスキルレベルとレベルを上げるように訓練した。