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神の申し子  作者: 天地人
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ギルド

目を開けると、今度は豪華に装飾されている部屋にいた。そこに、ローブを羽織っている人がたくさんいる。そしてその人たちは互いに手を取り合い喜び合っている。ファムは、俺の近くにいる。俺は普通に見えているのだが、誰も反応しないことから恐らくみんなは見えていないのだろう。

そして、我らがクラス委員長の国塚が、質問した。


「あの、すいません。少しよろしいですか?」


国塚がそう訪ねると、ローブの人の1人が出てきた。


「すまない。舞い上がってしまった。私はこの王宮に勤めているロリーナという。よろしく頼む。」

「僕は勇者のナオトです。よろしく。」


なぜかステータスにファミリーネームがないからナオトと名乗ったのだろう。それはいいのだが、正直、自分で勇者っていうのはちょっと引くな。


(レンヤさん、彼、少しウキウキしてませんか?)

(やっぱりそう思うか?)

(はい。何だか勇者になれたことに誇りを持ってる感じです。)


実際は誇りを持っているんじゃなくて勇者になれたことに舞い上がっているだけに思えたが、確証がないので笑ってごまかしておいた。


「すまないが、ついて来てくれ。王に会って貰いたい。」


そう言われ俺たちは移動し始めた。そして俺は自分が勇者ではない事をうち明ける覚悟をした。




「そなたらが勇者か。うむ、あまり強そうではないな。」

「お父様、勇者に対してそれは失礼ですよ。すいません。父が失礼を。私はヒューマの王女ミリーナ エルサインです。」

「我はガルン エルサインだ。」


俺たちは位置的に近い奴らから順に自己紹介をした。俺は最後だった。


「俺はレンヤだ。勇者として呼ばれたが、俺は勇者にはなれなかったようだ。」


そういうと、ミリーナとガルン、他のクラスメート達が驚いたようにこちらを見た。


「何を言っているんだい?」

「じゃあ鑑定してみろ。」


誰も信じてなさそうだったのでそう言って俺を鑑定させた。俺が勇者じゃないと分かり、馬鹿にする者、心配する者、関心がない者など、様々な人がいる。王がゴミを見るように俺を見てきたことより、恐らく鑑定のスキルを持っているのだろう。あいつの目から白い靄も見えるしな。

この反応を見て、俺はこの王のために何かをすることは無いだろう、と考えた。


「王様に聞きたい。俺はどうすればいい?」

「そうだな、ジョブも大したことがなく、ステータスは高いがスキルは平凡。正直、ここから出て行って欲しい。」


王は俺の望む回答をしてくれた。ありがたい限りだがそれに異議を唱えようと、国塚が意見しようとしている。せっかくいい感じになりそうなのに覆されたらたまらない、と国塚が意見する前に王に言った。


「わかりました。ですが、武器とお金は少し恵んでください。」

「そのぐらいいいだろう。金は10000ゴールド、武器は兵士用の物だ。それでもいいかね?」


(ファム、10000ゴールドって多い?)

(1ゴールド1円だと思ってください。)


なるほどね。10000ゴールドじゃあギリギリ1日暮らせる程度か。まぁいいか。仕事探すかね。


「わかりました。」

「うむ、こやつに金と武器を。」

「待ってください!」


王がそばにいるメイドに命令したら、国塚が待ったをかけた。面倒くさいやつだ。


「彼も我々の仲間です。そんな彼を1人にさせられません。」


王に任せてもいいがここは俺が言った方がいいだろうと思い俺が返答した。


「おいおい国塚、戦えない俺に戦えって言うのか?」

「え?いや、そうじゃないんだ。ただ同じクラスの仲間として残って欲しいんだ。」

「なぁ、国塚。お前が勇者になって浮かれてるのはわかるが俺は自分の意思で出て行くんだ。だから止めるな。お前は役立たずな俺じゃなくて一緒に戦う仲間を見てやれ。」


そこまで言うと、国塚は何も言わなくなった。

メイドに金と武器を貰い、城を出た。千羽と鈴木が心配そうに俺を見てきたのは意外だった。加藤の奴は最高の笑顔だった。





外に出て最初にしたのはファムの実体化だ。俺は何もしてないけどね。出てきたファムと軽くキスをして今後の事を話し合った。

その結果、冒険者ギルドに登録することになった。


ギルド内に入ると、昼なのに酔っ払ったおっさんが沢山いた。というのも、ギルドの受付と酒場が繋がっているからだ。俺とファムは酔っ払い達に絡まれないように受付に行った。


「ようこそ、冒険者ギルドへ。本日はどのような御用でしょうか?」

「登録したいんだが。」

「お2人ともでしょうか?」

「はい。」

「わかりました。こちらの紙に必要事項を書き込んでください。」


名前とジョブを書くスペースがあった。俺は偽っているステータスを書いて提出した。ファムも調度書き終わったようだ。


「はい、受理しました。こちらがお2人のギルドカードになります。ギルドの説明はしますか?」


お願いすると説明を始めた。

ギルドカードは魔力を通すことによってランクと名前が分かるようになっている。さらにギルド職員にはそのカードの所持者が倒したモンスターが確認できるようになっている。

冒険者にはランクがあり、F〜S、特級、戦略級、幻想級、神級と魔物と同じ評価基準である。ランクを上げるには依頼をクリアしていけば勝手に上がるらしい。依頼は自分のランクの2つ上までなら受けられ、ランクの高い依頼を受ければその分早くランクが上がる。ただし、失敗した際には罰金としてギルドにお金を収めなければならない。使い魔やテイムした魔物はギルドで手続きしなければならない。

冒険者同士の争いごとはギルドは一切関わらない。


「わかりました。」


そう言って、ファムと掲示板に向かった。


「どの依頼を受けますか?」

「とりあえずDランクにしよう。何かオススメは?」

「ゴブリン狩りなどいかがですか?」

「じゃあそれにしようか。ゴブリンを5体討伐か。10体倒したら2回依頼クリアになるよね。」

「連続可能と書いてあるので大丈夫かと。」

「それじゃあそれにしようか。」


そう言って受付に行こうとしたら酔っ払ったおっさんトリオが絡んできた。


「おいおい、こんなヒョロい野朗がゴブリン討伐だってよ。ハハハハハ!子供は帰って寝てな!隣の女はこっちに来い。俺好みだ。可愛がってやるよ。次の日から俺のことしか考えられなくしてやる。ハハハハハ!」


酔っ払いは3人一緒になって笑い始めた。最初は笑ってごまかそうと思ったが、ファムにこいつはなんと言った?

次の瞬間、俺は男を壁に押し付けた。壁が凹んだが気にしない。


「ファムをどうするって?死にたいのかお前?」


俺がそういうと男はあおざめて、失禁した。汚い野郎だ。こいつにファムが言いよったと考えるだけで殺意が沸く。


「ふざけんなよ。雑魚の分際で!」

「調子に乗るな!」


そう言って仲間2人が一緒に突撃してくる。俺は慌てることなく、的確に顎を砕き、肋を折って無力化した。そして、今この場にいる全員に言った。


「ファムに手を出したら次はこんなもんじゃ済まさない。」


そう言って、俺は受付に依頼を持って行った。ファムは自分のために俺が怒ったのが嬉しかったのか、頬を赤く染め、腕をからめてきた。可愛かったが、こんな所でキスをするのは恥ずかしかったので頭を撫でてやった。

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