闘技大会 2日目2
「ヨウコ、午後からはお前の出番だ。よろしく頼むぞ?まぁ、負けないとは思うが。」
俺たちは昼飯を食いに来ていた。
「まさかてください、ご主人様。必ずやこのヨウコ、ご主人様のお役に立ってみせます。」
「わたしも何かしたいです。」
「ファムはステータス上人間だから、選手としてしか参加できないからな、今回は我慢してくれ。」
「はい・・・。」
ファムが落ち込んでしまった。どうしよう。
「そうだ!ファム、今回のことが上手く行ったら二人きりでご飯でも食べに行こうか。」
「レンヤさん、ありがとうございます。」
「ムゥ〜、我もいきたいです。」
「ヨウコ、あなたはレンヤさんと出場するでしょう?」
「これとそれは別です。」
この後も不毛な言い争いが続いたがそれはまた、別の話。
「えー、これより午後のテイマーの部を開催します。司会は引き続き我々『大地の源』が担当します。では、早速一回戦。カイ選手vsノア選手だ!」
ほー、あいつが出るのか。
「勇者である、カイ選手が従えているのはBランクの魔物、ワイバーンだ!対して、ノア選手の従えるのはCランクの魔物クイーンバタフライだ。」
ほー、ワイバーンか、雑魚だな。俺も戦ってみたがすぐ倒せたしな。クイーンバタフライもパッとしないし。これも優勝かね?
「おーっと決着!勝者、カイ!」
「「「「ワァァァァァァァ!!!!」」」」
進行が進んでいき、遂に俺の番になった。
「続きましてはこの部で優勝すれば完全制覇!一部で覇王やら、絶対強者なんかと呼ばれているらしいですよ。使い魔は・・・なんでしょうね?ショウ、あれって魔物なんですか?」
「・・・・・・おいおい、まじかよ。」
「ど、どうしたんですか?」
『大地の源』はそれなりの実力を持ったパーティーだ。そこのメンバーがおそらく鑑定をしてビビっているのだ。観客は思わず息を呑んだ。いや、観客だけじゃない。控え室で見ている選手でさえも、息を呑んだ。
「・・・レンヤ選手の従魔は、九尾です。」
九尾は最強の一角を担う魔物と言ってもいいほど強力な魔物だ。それを聞いて驚いているのは仕方がないことかもしれない。
「え、えーと、相手選手は、「ちょ、ちょっと待ってくれ!棄権する。」って、え!?き、棄権です。勝者、レンヤ選手!」
その後、一人を除いて全員が棄権した。ビビりすぎだろ。
「えー、みんな棄権してしまったため決勝戦、カイ選手vsレンヤ選手です!」
「久しぶりだな、レンヤ。」
「・・・」
「無視かよ。」
もちろんだ、俺、お前のこと嫌いだし。正直、話したくない。
「お前の1日目の戦いを見た感じ、王城で見たステータスは偽物だろ?お前はステータス偽造のスキルを持っている。」
「・・・」
「沈黙は肯定だぜ。それをその女に使って九尾に見せかけてるんじゃないのか?」
「・・・はぁー。司会の人、合図、まだ?」
「あ、はい、では、始め!」
「いけワイバーン!」
「ヨウコ。」
ワイバーンが突っ込んでくるがヨウコの相手になるはずもない。電気を纏った尻尾でカウンターをして、チェックメイト。
「勝者、レンヤ選手!」
「「「「ワァァァァァァァ!!!」」」」
俺は舞台から降りた。