東堂 蓮也
俺は今、刀を腰にぶら下げて剣を持った男と対峙している。ここの名前は裏闘技場『コロシアム』。何をやっているかといえばランキング戦だ。武器の持ち込み可でそれぞれが闘いこの世界で最も強い者を決める闘い。情報は秘匿され、秘密裏に行われる大会。そこに俺、東堂 蓮也はいた。ちなみに俺、高校生。
「武皇帝の二つ名を持つお前さんとやれるなんて光栄だ。」
「そうか、頑張ってくれ。」
二つ名とはランキング戦の上位ランカーに付けられるアダ名のようなものだ。そして俺の二つ名が武皇帝だ。相手はまだ、新人だからない。
「お前のような奴が高ランカーとは、案外余裕かもしれんな。」
「早くかかって来い。」
「余裕だな。いいぜ、お兄さんが教育してやるよ!」
そう言って男が斬りかかって来た。俺は慌てず相手の腕を掴み、相手を床に叩きつけた。それと同時に相手の腹に刀の頭を打ち付け、相手は気絶した。
「「「「わあああああああああああああああああああ!!!!!!」」」」
こうして、今日の裏闘技場の仕事も終えた。
一応命の危険もある競技だからファイトマネーはかなり貰える。今回は相手が雑魚だったので100万くらいしかもらえなかった。この仕事を月一でやっている。
この日は帰ってやることもないため直ぐに寝た。
翌日、俺は登校した。たまに、裏闘技場で怪我して学校に行けないことがあるが基本的には毎日きちんと通っている。
「東堂君、おはよう。」
「おはよう。千羽。」
彼女は千羽 千穂。学校内でも三指に入るほどの人気。ちなみにうちのクラスには2人いる。それはさておき、彼女はなぜか俺が登校すると、さっきまで話していたグループを抜けてまで俺の所まで来る。なせだ?ちなみにただいま嫉妬の視線がとても痛い。
「東堂君宿題やった?」
「宿題なんかあったか?」
「物理の最後の難しい問題。あれを調べてもいいからやって来いって。」
「あれなら授業中に終わったよ。」
実はこう見えて俺、定期テストで学年一位を独走中です。
そういうと、関心したように流石だねと返された。そんな話をしているとある物体が飛んできた。
「蓮也、頼む!物理の問題見せてくれ!」
物体ではなく、人だったようだ。
こいつは加藤 海。先に言っておこう、こいつは友達ではない。何かと聞かれれば知り合い程度だ。こいつが話しかけてくるのは千羽と話すきっかけが欲しいからだ。その証拠に今千羽と話している。ゆえに俺はこいつを友達とは思はない。というか俺をダシにしているあたり嫌いな部類だ。まぁ、俺は千羽に話しかけられる=惚れられている。などと考えていないから悔しいともなんとも思わないが。
「キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴りホームルームが行われた。今日の予定を聞き、一時限目の準備。今日は体育だから女子達は更衣室に行き、男子達はこの場で着替え体育館に向かった。
授業は剣道だった。もちろん手を抜いた。しかし気がつく人もいる。千羽並みに人気のある鈴木 詩織だ。
「本気てやればいいじゃない。」
「なんのことか分からないんだが?」
「誤魔化すんだ?」
「なんのことやら。」
みたいな会話を毎回する。どうやら鈴木は本気の俺と戦っていたいらしい。女子剣道部主将だからか、やけに俺に絡んでくる。何度か剣道部に誘われた事もあるが断った。
そんなこんなで体育の授業が終わり教室に戻り着替えた。
全員が席について二時限目の先生が来るのを待つが来ない。不思議に思い、委員長が席を立ち先生を呼びに行こうとしてこれは起きた。
「なんだこれ!?」
「光ってる!?」
「これもしかしてドッキリ?」
「何のんきな事言ってんだよ!?やばいだろ!?」
俺たちはいきなり現れた不思議な模様によってこの世界から姿を消した。