表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんか転生した  作者: 名もなき人
第一章  なんか転生した
4/27

第三話  なんか魔法を覚えた

5歳から5年間、俺はアデーレおばさんの厳しい修行を終えた。


あーめっちゃ修行したわー。……え? いくらなんでもはしょりすぎだろって?


んじゃあ、少しだけ何をやったか説明。



まず俺はアデーレおばさんに魔法の原理について説明してもらった。


世界には大きく分けて5種類の魔法が存在する。五大魔法属性というらしいが、それは火・水・土・風そして聖だ。昔は闇というものが存在したらしいが、今は大陸中で禁止魔法となっているため使うことは許されていない。

あとは水の派生の雷や回復魔法、補助魔法なども存在する。雷は雲の中の水蒸気の摩擦によって起こるから、それで水の派生なのだろう。


そして使える属性の魔法は生まれた時から決まってる。ただし補助魔法や回復魔法は、属性とはまた別で、こちらも覚えられるか才能による。そしてその種類はさらに細かく分類される。


それを聞いた瞬間俺は焦った。なぜなら俺に補助魔法の才能がないかもしれないからだ。

しかし、アデーレばあさん曰く、俺には補助魔法の適性があるようなのでほっとした。(普通適性はわからないらしいが……アデーレばあさんって意外と大物?)


そして魔法を使うには魔力と呪文の詠唱が必要となる。


魔力とは、大気中にある『ダスト』と呼ばれる自然魔力を無意識に体へ取り込み、それが体内で自分専用の魔力と変換されたものだ。


しかし大気中にある『ダスト』ってのを使えばいくらでも魔法が使える、というわけではない。

ダストの体内への取り込みは無意識中に行われる。なので意図的にたくさん取り込めるというわけではない。それに経験によってダストをためておける量も変わる。

たとえて言うならばRPGロールプレイングゲームMPマジックポイントのようなものだと思ってもらってもいい。


そして呪文だが、呪文はその魔法を放つときに術の構成を手助けする役割がある。熟練した魔法使いは、無詠唱で魔法を発動することもできる。


あと魔法は下位、中位、上位に分かれていて、下位の呪文は第一詠唱だけで発動するが、中位は第二詠唱、上位は第三詠唱まで唱える必要がある。それぞれ呪文が増えるたびに強くなっていく。

もちろん熟練した魔法使いは第三詠唱まで省略が可能だ。だがその第三詠唱を省略できる魔法使いは、両手の指で数えるほどしか存在しておらず、全員が二つ名持ちだそうだ。


二つ名か……。なんか中二っぽいから欲しくないなと思う俺は、やはり主人公体質ではないのだろう。

この世界では二つ名は非常に名誉ある称号で、国王か王族、もしくは最上級の位につく貴族からしかもらえないらしい。まあ、俺には関係のない話だ。


てな感じで、簡単に魔法の説明するとこんな感じだ。


実際最初この話を聞いた俺はちんぷんかんぷんだった。

するとアデーレばあさんはホッホッホと笑い、「まあ実際に見たほうが早かろう」と言って俺を森の奥へ連れ出した。


文明の香りが全くしない獣道を進んでいると、やがて数体の魔物が現れた。

俺はこの時初めて魔物というものを見たのだが、本当にふぁんたずぃ~な世界に転生したんだなと改めて思った。


だって熊に羽が生えてるんだよ? 昆虫の羽っぽいのが生えてるんだよ?

魔物の名前は『フライアルクトス』。熊の数倍の腕力と鋭い爪で敵を切り裂き、逃げまどうものを背中に生えた羽で追いつめるという、レベルでいうと中級の中位に値する魔物らしい。


おいおい、初の戦闘でこれはないだろアデーレばあさん……。

と思っていると「見ておれ」と言ってアデーレばあさんは羽熊(フライアルクトス)に向かって対峙した。


いくらなんでもアデーレばあさん一人であの数を相手にするのは無理だろうと思っていたのだが……。


―――ギュゥィィイーーーン

アデーレばあさんが口を開いたと思うと、いきなりレーザービームを放った。

く、口からビーム……だと? そのビームに当たった羽熊たちは、灰すら残らず消滅した。



魔物が消し飛んだ森の中で、ひと時の静寂が訪れる。


「さあ、やってごらん」


「できるかあぁぁ!!」


アデーレばあさんついに人間やめたのか、と思った瞬間であった。



そのあとで聞いたことだが、あれは実際は杖などの媒介を利用して発射する火の派生魔法らしいのだが、俺の驚く顔が見たいがために口から出したらしい。しかも中級魔法。


中級魔法なのに無詠唱で、しかも口から出すってどんだけだよ! ってか補助魔法と全然関係ねーだろ!など突っ込みたいところは多々あったが、それはアデーレばあさんはチートで変人だということで何とか自分を納得させた。


その後、アデーレばあさんから『ダスト』の感覚やら詠唱の仕方やらを習い、3年が経つころには予定の4分の3の魔法を習得することができた。

修行は戦闘をしているばあさんに補助魔法をかけること、自分の肉体に強化魔法をかけて戦うことなど、攻撃的要素がないため、ずいぶんと特殊なものとなった。


ただ、3年でこれだけの魔法を習得できることはかなり異例だったらしく、アデーレばあさんに「……将来が楽しみじゃわい」といわれ、ゾッとした。

アデーレばあさんに褒められるなんて……、俺は頑張って人間のままでいよう! と心に誓った。


さらに2年がたち、現在俺は小屋周辺に生息する魔物であればソロで狩れるようになっていた。もちろん予定の補助魔法はすべて習得したし、余裕があったのでいくつかの便利な魔法まで覚えた。


それにただ魔法を覚えただけではなく、ダストを体内に取り込める量を増やすために基礎体力作りも並行して行ったため、自分の実力にも自信がついてきた。


しかしなぜだか体は華奢のままで、筋肉は付いているのだが引き締まりすぎてよくわからないし、顔も弱弱しい女の子のような容姿であった。(やはり両親似らしい)

別にワイルドなマッチョになりたかったわけではないのだが、これではなめられてしまうのではと心配になってきた今日この頃。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ