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秀吉からのショートメールで人生逆転した俺、身長148cmから1兆円稼いだ話  作者: 暁柊


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9/13

距離感バグったお二人、オフィスで盛大に誤解される


朝。


トレーディングルーム。


「……あの二人、距離近くない?」


誰かが、呟いた。


視線の先。


神崎レイナと、ジュンヤ。


確かに近い。


というか。


「そこ、もうパーソナルスペースないだろ……」



「神崎さん、これどっちがいいですか?」


ジュンヤが画面を見せる。


距離、15センチ。


「……もう少し離れてください」


「え?見えます?」


「見えます!」


(近い近い近い……!)


だが。


ジュンヤは気づかない。


むしろ。


「じゃあこれで」


さらに寄る。


「ちょっ……!」


肩が、触れる。


神崎の思考が止まる。


(ダメだこの人……無意識で距離詰めてくる……!)



そのとき。


「すみません、その資料――」


後ろから声。


ジュンヤが振り向こうとして。


足を引っかけた。


「うわっ」


バランスを崩す。


そして。


――ストン。


神崎の膝の上に座る形になった。


完全に事故。


完全に偶然。


だが。


周囲の時間が止まった。



「……え?」


ジュンヤ、状況を理解していない。


「すみません、体勢くずしちゃって――」


「違います!!」


神崎、即否定。


顔が真っ赤。


「今のは不可抗力です!!」


誰も責めていないのに弁解する。


「いやでも今完全に……」


「違います!!」


二回目。



ジュンヤは、まだ座っていた。


「……あ、すみません」


やっと立とうとして。


バランスを崩す。


もう一回座る。


「なんで!?」


神崎、半パニック。


周囲、完全に確信。


(あ、これ付き合ってるやつだ)



「ちょっといいですか」


上司が呼ぶ。


ジュンヤを。


「はい」


普通に立つ。


何事もなかったかのように。


去っていく。


残された神崎。


と、社員たち。



「……」


「……」


「……神崎さん」


同僚が口を開く。


「違います」


先制。


「何も言ってませんけど」


「違います」


三回目。



「でもさっき完全に――」


「違います」


「座って――」


「違います」


「顔近くて――」


「違います!!」


机に手をつく。


「全部事故です!!」


沈黙。


そして。


「……いいなぁ」


誰かが呟いた。


「よくないです!!」



一方その頃。


廊下。


「さっき大丈夫だったか?」


上司が聞く。


「はい」


ジュンヤは普通に答える。


「ちょっと座っちゃいましたけど」


「ちょっとじゃなかったぞ」


「え?」


本気で分かっていない。



午後。


さらに悪化する。



「神崎さん、これ見てください」


また距離が近い。


「……はい」


もう諦め気味。


そのとき。


ジュンヤが、無意識に言う。


「なんかいい匂いしますね」


「……っ!?」


フリーズ。


完全停止。


「え、何かつけてます?」


純粋な質問。


だが。


破壊力が高すぎる。


「……し、知りません」


「そうですか」


納得するな。



周囲。


(終わったな)


(完全に終わった)


(あれはもうダメなやつだ)



そして極めつけ。



終業間際。


「今日もお疲れ様です」


ジュンヤが言う。


神崎に。


少しだけ、優しく。


「……お疲れ様です」


神崎、視線を逸らす。


心臓がうるさい。


そのとき。


ジュンヤが、ふと。


「こんど、どっか行きます?」


自然に言った。


「……っ!?」


神崎、固まる。


周囲。


全員、聞いている。


「……はい」


小さく答える。



その瞬間。


職場に静かな衝撃が走った。



(確定だ)


(付き合ってる)


(公式だ)



翌日。


社内チャット。


「例の二人、付き合ってる説」


トレンド入り。



そしてその夜。


ジュンヤのスマホが鳴る。


――ピロン。


『おぬし、やりおるな』


「え?」


『職場であそこまでやるとは思わなんだ』


「何の話ですか」


『無自覚ほど罪深いものはないのう』


「えぇ……」


全く理解していない。



一方。


神崎は。


ベッドで顔を覆っていた。


「……無理」


完全に限界。


「距離感おかしい……」


でも。


思い出す。


膝の上。


近かった距離。


声。


「……好きすぎるでしょ」


小さく呟く。


もう、逃げられなかった。


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