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秀吉からのショートメールで人生逆転した俺、身長148cmから1兆円稼いだ話  作者: 暁柊


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神崎レイナ、現る

都内某所。


高層ビルの一室。


複数のモニターに映る株価チャートが、異様な動きをしていた。


「……また、こいつ」


女は、静かに呟いた。


切れ長の目。無駄のない所作。

スーツ姿のその女は、“勝つことが当たり前”の人間だった。


名前は――神崎レイナ。


外資系投資会社のエース。

市場では“女王”と呼ばれている。


「このタイミングで入って、このタイミングで抜ける……ありえない」


偶然ではない。


完全に、“未来を知っている動き”。


「調べて」


背後の部下に命じる。


「このトレーダー、必ず見つけなさい」



一方その頃。


ジュンヤは、コンビニで悩んでいた。


「……高い」


目の前には、180円のコーヒー。


(これ、贅沢すぎませんか……?)


口座には、数十億。


だが。


彼の中の基準は、何も変わっていなかった。


「100円のにしますか……」


そのとき。


「――あなた、ですね」


後ろから声がした。


振り返る。


そこにいたのは――


“場違いなほど整った女”。


「えっと……どちらさまですか?」


神崎レイナは、まっすぐジュンヤを見下ろす。


「あなたが、あの取引をしている人間で間違いないですね」


「……あの取引?」


「とぼけないでください」


一歩、距離を詰める。


「あなた、何者ですか?」


ジュンヤは、少し考えたあと答えた。


「……えっと、無職です」


沈黙。


「ふざけているんですか?」


「いえ、本当に」


神崎の眉がわずかに動く。


この女、今まで“理解できない人間”に出会ったことがない。


だが目の前の男は――


理解の外にいる。


「あなたの取引は異常です」


「そうなんですか?」


「そうなんですか、じゃありません」


ジュンヤは、少し安心したように頷く。


「よかった。怒られることじゃないんですね」


「怒ってます!!」


コンビニの店員がちらりと見る。


神崎は一瞬で冷静さを取り戻した。


「……場所を変えましょう」



数分後。


近くのカフェ。


神崎はストレートに切り込む。


「あなた、インサイダーですか?」


「いんさいだー……?」


「情報を事前に知って取引しているんじゃないんですか」


ジュンヤは少し考える。


(未来を知ってる……みたいな感じだけど)


「似てるかもしれません」


「やはり」


神崎の目が鋭くなる。


「その情報源は?」


「えっと……メールです」


「メール?」


「はい。知らない人から来ます」


神崎は、一瞬だけ言葉を失った。


「……本気で言ってるんですか?」


「はい」


「それを信じて取引してると?」


「今のところ、全部当たってるので」


沈黙。


完全に、常識が通じない。


だが。


だからこそ分かる。


――こいつは、本物だ。


神崎は、深く息を吐いた。


「……いいでしょう」


決めた。


「私と組みなさい」


「組む?」


「あなたのその力。個人で扱えるものじゃない」


当然の提案。


合理的な判断。


だが。


ジュンヤは首をかしげた。


「……一人じゃダメなんですか?」


「ダメです」


「なんでですか?」


神崎は、はっきりと言い切る。


「あなた、確実に破滅します」


ジュンヤは、少しだけ考えて。


そして、こう言った。


「……じゃあ」


神崎が目を細める。


「試してみますか?」


「何を?」


「どっちが正しいか」


静かに、言う。


「次の取引」


空気が変わる。


「僕、一人でやってみます」


神崎の目に、初めて“興奮”が宿る。


「……面白い」


女王は、笑った。


「いいでしょう」


勝負だ。


市場を舞台にした、異常者同士の。


「後悔しないでくださいね」


ジュンヤは、少し困ったように笑う。


「大丈夫です」


そして、ぽつりと。


「なんとかなってるので、今まで」


その一言が。


神崎レイナの“常識”を、完全に壊した。


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