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問題定義
リンからの反応はなかった。もしかしたらもう人間の言葉を喋れなくなっているのではとも想像していた。賢治も立派な役割を終え、その場から立ち去ろうとしていた。小生も同じようにリンの前から立ち去ろうと思った瞬間、リンから声が聞こえた。「私はどうしたらいいの?」振り絞って出した言葉はかなりか弱かった。続けて「私だって役に立ちたい。詩織に幸せになってもらいたい。でもそれが、私達のみんなが幸せになれるってこととは、一緒にならないでしょ。正解が分からないのよ。だからお願い、私に正解を教えて。」小生が今まさにその問題定義を自らに問いかけていた最中に同じことをリンからも投げかけられている。小生はかなり動揺していた。




