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出会い
幾日が過ぎ、小生の運命の出会いが訪れる。それは、夏目家との出会い。夏目家の長男、賢治との初めての遭遇であった。彼は小学校6年生でお笑いが大好きだった。学校でもその明るい性格で、人気者であったが異性と2人きりで話すのが苦手で、大事な時に一番使わない方がいいオヤジギャグを選択してしまう。素直になれないシャイボーイであった。夏目家は山奥にあるブリーダーの飼育ハウスに訪れている。賢治は、大きな人懐っこい犬が大好きでゴールデンレトリバーが特に大好きだった。小生を見た瞬間、賢治は虜になっていた。両親にこの犬を絶対飼いたいとまだ可愛らしい6年生の無邪気な表情で懇願する。両親はもっと色々見てからでよかったのだが、賢治の愛くるしい眼差しに完敗だった。ブリーダーから譲り受けたのち、名前の話になった時、小生と賢治にテレパシーのようなものが、お互いの身体に伝わる。軽い電撃のようなビリビリとした感触があったのを覚えている。