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安堵感
龍之介の心の持ち様も少なからず変化していた。幼なじみで、ある程度気が許せるせいか詩織には気を遣ってない自分がいた事を反省していた。美香に意識がいき過ぎて詩織に関して無頓着だったのではと。今日は同じ轍を踏まないように細心の注意を払っていた。「肉焼けてるよ。詩織がいらないなら俺食べちゃうよ。」「珍しい事もあるんだな。図々しさが龍之介の専売特許だと思ってたわ。」詩織が皮肉イジりをし、すかさず美香が「それな。笑」と相槌を打った。龍之介は、今まで感じた事のない安堵感に浸っていたのだった。




