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伝心
リンはというと意外に穏やかであった。自分が今後どうなりたいかという目標意識は全くなく、詩織が楽しく生きているのをただ、近くで見届けることが生きがいになっていた。今の詩織の楽しそうな姿をみて、リンは満足していたのだった。そして詩織が小生がもらったのと同じしっかり焼いた鶏肉を持ってきてくれた。そして小さい声でこう呟やいた。「リンちゃん、いつもありがとうね。今日は本当楽しいよ。だって自分の気持ちに素直に生きるって本当大切だと分かったからね。それもリンちゃんの水族館の行動が気づかせてくれたんだよ。リンちゃんは無意識にやってたんだと思うけどね 笑。」それを聞いた途端、リンはポタポタと涙がこぼれ落ちていた。ちゃんと思いが伝わっていたんだと。リンは気づかれないようにあたかも煙が目に入ってつらいような仕草で前足で顔を覆っていた。




