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苦渋
リンとは、水族館以来全く喋っていなかった。リンが人間の言葉を話すことができているのか、今まで分からずにいた。しかし、先ほどの一言で状況は確認が取れた。小生から話しかけてみた。「久しぶりだね。色々ゴタゴタがあったから心配していたんだ。こうやって話す事が出来て嬉しいよ。」嘘の感情ではないが、地雷を踏まないように言葉を選んでいるのも事実だった。「私は争いごとは好きじゃないの。だからみんなとはとりあえず話さずに静観していた。いつもニコニコしていれば、全てうまくいくと思ってた。だけど詩織は自分の感情を押し殺して、友達の幸せを第一に考えてる。私は何のために詩織のペットになったんだといつも自問していたんだよ。何のために今命を頂いているのか自分の価値とはなんだろうって」小生はただただ傾聴していた。




