110/171
ワインレッド
賢治はあのカラスに見覚えがあった。特に花火大会の時に崖から落ちそうになったカイに気づかせてくれた事をずっと覚えていた。きっと優しい子なんだろうなと感心していた。賢治は近くに行って感謝を伝えたいと思い、おばあちゃんに声をかける。「かわいいカラスだね。いつから飼っているんですか?」おばあちゃんは賢治に気づき、少し賢治の方に向かって答えた。「キーちゃんかい。彼女は1年半前かね。この庭で足を怪我しててね。そこから看病してたら家の庭によく来るようになってね。そこからかな。キーちゃんはね濃い赤が大好きで私のカーディガンや帽子を見たらかわらしく鳴いてくれるんだよ。だからこのリストバンドを付けてあげたんだよ。」その話を聞き、小生は感極まった。そして同時にクシャミがでた。




