05 謎の施設
ー謎の施設の内部ー
俺たちは施設に入ると驚きのものを見つけた。あのマーク、そう、ケルベロスのマークだ。俺はすぐに分かった。ここはケルベロスの施設なのだ。政府が嘘を言ってまでも区域を封鎖し、調べようとする理由になるわけだ。俺はここにメモリーがあると確信し、探そうとするとエミが言った。
「これはもしかして、カルト教団の施設なの?だとしたらかなり深い闇ね。興味深いわ!」
興奮を抑えきれていないエミに俺はやれやれと思いながらも施設を探索した。床や壁、備品の風化具合からかなり放置されていたことが予測でき、所々には何かの実験の痕跡や途中廃棄された痕跡もあった。しかしなぜだろうか、俺はこの場所に来たことがある気がしたのだ。そしてまた頭に何かが写った。俺(?)が個人オフィスと思われる部屋に入り、デスクを丁寧にずらし、床下の金庫らしきところにUSBらしきものを入れている様子が見えた。メモリーと思われるものの場所が分かった俺はすぐにその部屋へと急行した。突然急ぎで移動した俺にエミは驚いて言った
「ちょっと?どうしたのよ急に!待ってよ!」
彼女のことを気にせずに俺はその部屋へと向かった。エミは急ぎ足で俺を追いかけていた。
部屋に着くと俺はあの記憶に従いデスクをずらすと小さな金庫があった。しかし問題があった。暗証番号だ。金庫があるなら暗証番号があって当然だ。しかたなく寄生生物の力でこじ開けようと思いグローブを外そうとすると、
「ちょっと待って!金庫をこじ開けるつもり?」
エミに質問された俺はうなずき、彼女に見られないようにどこかへ行ってもらおうした時だった。
「金庫をこじ開けるなんて危険よ!あの化け物とかが出るなんてごめんだし、暗証番号を探しましょう!」
彼女の言うことに一理あった。いくら風化したといえ、あの化け物の存在があったことを考えればここにも何か罠などがあってもおかしくない。ましてやこじ開ければ余計なことも発生する可能性もあるのだ。俺は同意し、暗証番号のヒントになるものを探した。
数分後、エミが何かを見つけたようで俺に駆け寄ってきた。
「ねえ、これってあの金庫の暗証番号のヒントにならないかしら?」
彼女はそう言うと俺にメモらしきものを見せた。そこにはこう書かれていた。
【死後の世界は無視することが鍵である】
俺にはさっぱりだった。戦術を考える能力はあってもなぞなぞをするような能力はまったくないのだ。困惑しているとエミが何か閃いたような様子で言った。
「語呂合わせよ!」
ゴロアワセ?聞いたこともない言葉に俺は首をかしげた。エミは得意げな様子でつづけた。
「つまりね。死後=45、無視=64ってことよ。さっそく試してみましょう!」
俺は全く理解できないまま言われた番号を入れると、なんと金庫が開いたのだ。俺は驚き、エミはすごく喜んでいた。まさか本当に番号が当たるのかと思いつつも金庫の中身を見てみると、そこには記憶にあったUSBらしきものと、保管ケースと、Aと書かれた赤い液体が入った試験管があった。恐らくこのUSBがメモリーなのだろうが、この試験管はいったい何なのかわからなかった。エミもわからなかったようで、
「もしかしてこれがあなたが言っていたもの?」
そう聞かれ、俺はUSBをもってうなずいた。納得と疑問が重なったエミはまた聞いた。
「試験管はいったい何なの?ここで使うわけでもなさそうだけど…」
俺もそう思ったが、とりあえずこのメモリーを確認するため俺はリュックからタブレットを出し、挿し口にUSBを入れた。
「そのタブレット見たことないわ!後で詳しく見せてほしいわ!」
エミにタブレットのことを伝えてなかったから興奮しても仕方ないのかもしれない。そう思っているとタブレットが反応した。
「メモリーAを認識、データを移行します...移行率20%...60%...100%...データ移行完了。新規ビデオを検出。再生します。」
そしてビデオが流れた。エミは興味がある様子だ。ビデオにはあのハズマットスーツの男がいた。
「最初のメモリーを回収したな。素晴らしい。政府のクズどもに見つかっていないことを願うが...とにかく、そのUSBは廃棄してかまわない。データはタブレットに移行されている、そのUSBは用済みだ。今後も同じようにたのむ。それと保管ケースとあの試験管だが慎重に扱ってほしい。ケースに入れておけば安全だがそれでもだ。それは計画実行に欠かせない。この調子でほかのメモリーも回収をしてくれ。くれぐれも政府に感づかれないように頼む、奴らはこの存在をあらゆる手で消そうとするからな。Bは魔族の地区、ブラド、にあるはずだ。それでは幸運を...」
ビデオが終わるとエミが質問攻めしてきた。
「今のはいったい何!?あの男は何者なの!?あなたの目的も何!?面白そうだからぜひ!!」
俺は面倒だと思っていると声が聞こえた。
「ここに侵入痕跡があるぞ!侵入者を見つけ次第生け捕りにするんだ!」
「現地記者が侵入したという情報もある。慎重に探せ。」
「了解。探索を開始します。」
政府の関係者だ。ようやくここまで来ていたようだ。今見つかればまずいことは間違いない。何とかして逃げ出さないといけない。そう思い準備していると
「お願い!私も連れて行って!この真相を闇に葬るわけにはいかないわ!」
エミはかなり焦った様子で俺に言ってきた。仕方なく俺は彼女と一緒に危険地帯を脱出することにした。エミも身構え、移動することにした。
ー数時間後、危険地帯外ー
予想以上に人員がおり、監視の目をくくり向けるのに苦労したが、どうにか危険地帯を脱出することに成功した。とりあえず安心した俺はすぐにあのビデオの指示通りにブラドに向かう準備をした。その様子を見たエミが近寄って言ってきた
「もう行くの?もし良かったら私もついて行ってもいいかしら?ここまで来たら探偵として最後まで解明したいの!そして記者としてこれを報道するのよ!」
おいおい冗談だろ。俺はここで別れるつもりだったんだぞ。そう思い悩んでいたが、こうも考えた。
緊急時の人員としては役に立つのか?と、今まで孤独で行動したい俺が考えたこともなかったがことだったが、なぜか考えたのだ。もしかすると進化したのかもしれない。俺の進化に役立つと確信した俺は、エミに同意の手招きをした。エミは大興奮し、
「じゃあ!改めてよろしくねKnightmare!」
そう言いと俺についてきた。そうして俺たちは次の場所、ブラドへ向かうのだった…
投稿遅れたのは施設内の想像が全然できてなかったからです。マジですいません…