04 危険地帯
ー数分後の危険地帯内部ー
俺はメモリーを探すため探索していた。危険地帯と言っているが特に異常は無いようだった。おそらく政府が何かを調べるために嘘を言ったのだろう。だが嘘を言い調べるとなると、恐らく奴らはメモリーを見つけているのかもしれない。そう予測し、俺は探索を続けようとした時だった。
「誰か!助けてくれ!!化け物だ!!」
突然大声がし、俺はその声に向かい走った。
声の付近に来るとそこには大量の死体があった。いったい何があったのだろう、俺がここに来るまでたった数分だ。こんなに大量殺害ができるやつが俺以外にいるのだろうか。そう思い、周囲の探索を始めようとすると...
「あ!ここにいたのね!」
聞きなれた声が聞こえ見てみると、なんとあの女記者いるではないか。俺が呆気にとられていると彼女はつづけた
「やっぱりね。あなたのおかげで危険地帯に入ることができたのよ!一緒にここの謎を...え...これって...」
やっとこの大量の死体に気付いたようだ。できれば俺が犯人と勘違いしないことを祈るばかりだが...とにかく死体の状況を調べ始めようとしたが問題があった。俺が進化型寄生生物であることは誰一人知る者がいない、そして死体を詳しく知るためにはそれが必要だがこの女記者がいると見られてしまう可能性もある。どうするか迷っていると彼女が言った。
「ごめんなさい。私こういうのは無理なの...すこし離れておくわ...」
そう言うと彼女はその場を離れた。彼女が十分に離れたのを確認し、俺は手袋を外し寄生体を出し、死体の状態を詳しく見た。ざっと見ただけでもかなりの酷さだった。ちぎったであろう手足がそこら中に散らばり、銃撃の痕跡もたくさんあった。調査して以下のことが分かった。
1・死体の正体は政府公認の調査部隊であること
2・装備は標準的な装備のみでありこの区域がさほど危険ではないこと
3・死因は様々だが、主に切り裂き行為が目立つことからこれがメインだろう
4・この犯人は俺と同じ、つまり寄生生物の可能性が非常にある
俺以外に寄生生物がいるとは信じたくもないが、あのタブレットの人物と組織のことを考えればありそうだ。しかしそんなことを考えてるとまた悲鳴が聞こえた。
「ぎゃーー!!」
今度は知ってる声だった。あの女記者の悲鳴だ。俺は急いでその場に向かった。そして俺は見てしまったのだ。その化け物(寄生生物)を。
「なんなのこいつ!こんなの見たことないわ!」
化け物は今にも彼女を襲いそうだったので俺はすぐに助けに行った。やむ得ないがやるしかない、ただし寄生体の力は無しで戦うしかない。俺は銃とナイフを構え戦闘態勢に入った。すると化け物は俺を見るとなぜか混乱しているようで、そして喋った。
「マスター...?やつら、殺した、モノ、安全、その女、危険、殺す」
そしてなぜか俺を無視し、彼女を目標に攻撃を始めた。化け物は両手を刃物に変換させ、彼女を切り裂こうとしたが、俺は先回りし、化け物の腕を切断したが、やはり俺と同類だ。再生するに決まっている。腕が再生すると俺を見ていった。
「邪魔者検知、排除せよ」
ようやく俺も排除目標になったらしく俺を追いかけた。俺は化け物に追いかけられながらなんとか倒せないかを考えていた。すると目の前にガソリンの保管所があった。俺はひらめいた。俺の弱点だ。寄生生物は異常な高温もしくは極寒には耐えづらい性質だ。つまり、ガソリンまみれになりそれに火が付けば再生能力がきえ最終的には燃え尽きてしまうのだ。俺自身も危険だがやるしかなかった。俺はガソリン保管所の中に化け物を誘い出し、攻撃をよけつつ周囲のガソリン缶を壊し、奴に浴びせた。そして隙を見つけて出口に向かいながら近くの柱を切り崩し、奴をがれきの下敷きにした。俺が近寄って火を点けようとすると
「マスター、ごめん、モノ、守れなかった」
そういい、涙らしきものを垂らした。俺は特に構わず火を点け離れた。すぐに大きな爆発が起き、巨大な炎が発生した。恐らく化け物は死んだであろう。俺は一安心し、彼女のもとへ戻った。
さっきの場所に戻ると彼女は座り込んでいた。俺が戻ったのに気づくと、
「良かった!無事でよかったわ!化け物はどうなったの?もしよかったら詳しく!」
さっきまでの恐怖感はどこに行ったのかと思うほど張り切っていた。俺の様子を見て彼女は察したようで
「とりあえずは化け物はいなくなったのよね…?それじゃ、調査再開ね!あ、そうだ、私のこと紹介してなかったわね。私はエミっていうの、ヒューメインの記者兼探偵よ!」
嫌な予感がした。まさかついてくるんじゃないだろうな?そんな予感がよぎった。なんとか断って追い返したいが、この状況では厳しいと思った俺は、ここのメモリーを回収するまでにしておこうと考え、了承の意味で首を縦に振った。彼女は大喜びし、
「決まりね!よろしくね!えーと...」
俺の名前を知らない彼女になんて言うべきか悩んだが、名前を言っても特に支障はないだろうと踏んだ俺はメモに名前を書いた
「名前、Knightmare」
彼女はまたよろこび
「Knightmareね。よろしくね!」
ー数時間後、危険地帯内部ー
俺たちはしばらく探索をしていた。あの化け物が一体何を守ろうとしていたのか、そしてあの単語の意味はなんなのか、そう考えながら歩くととある場所に来た。何かの施設の入口らしきところだが、見たところボロボロでそこら中にカビやコケがあったが、何かでこの入口をこじ開けた痕跡と何かを引きずった痕跡があったことを見るとあの死体の人物たちがこじ開けた結果、あの化け物が出たとみていいだろう。この現場を見たエミは嬉しそうに
「これこそ真相解明ってやつよ!これはいい記事になるわ!」
記者兼探偵のやつはこうも狂っているのだろうか?そう思いながらも俺たちはその施設に入るのだった…
恐ろしいほどにてが止まらない。怖すぎるでしょ。