03 人間中心の地区・ヒューメイン
どうやら最初の場所は人間中心の地区、ヒューメイン、らしい。だが困ったことに俺の記憶はここまでだ。いったいどうしたものか、まともに観光なんぞしたことない場所で一体何をすればいいのだ。そう困ってると、
「すみません!取材よろしいですか!?」
後ろから声が聞こえ振り向くと、眼鏡をかけ、取材用のメモとペンを持ち、歩き回るにはちょうど良い服装の女性がいた。俺の経験上、年齢はおおよそ20近くだろう。まあ、経験も何もこの世界の平均年齢は20~30と言われている。老人がいるだけで珍しいほうなのだ。そして彼女はつづけた。
「最近起きた共同港における違法取引と残虐事件についてお聞きしたいんですがよろしいですか?」
俺はすぐに分かった。あの襲撃について調べてるとは驚いた。あの事件は警察がギャングの交渉決裂でおきた惨劇という形で済まされたはずなのに...そう考えてると。
「あのー...もしかして喋ることができなかったりしますか?それじゃあこれに書いてください。」
彼女はそういうとメモとペンを渡した。俺もちょうど聞きたいことがあったのでちょうどいい。聞くとしよう。俺は文章を書くことはできないが、単語ならなんとかと思い、俺はメモとペンをとり書こうとすると彼女は喜んだようで、
「では始めますね!あの事件をどうお考えで?」
俺は感情が無いに等しいが故、特に考えることはなかった。
「別に、なにも」
彼女は疑問に感じたようで、
「えーと...なにもとは...?事件をご存じないってことですか?」
事件は俺が起こしたのだから知ってはいる、だが特に感情など持つことはなかった。
「知っている、なにも感じない。」
彼女は少々困った顔をして言った。
「これじゃあ取材になりませんよ!ただでさえみんな喋らないのに...」
彼女は困っているようだが俺には関係ない。俺は彼女に聞くこと(書くのが正しいのか?)にした。
「ここの都市、怪しいもの、ないか?」
彼女は怪しみながら答えた。
「怪しいものですか?もしかして危ない方ですか...?」
俺はつづけて書いた。
「探し物、重要、話せない」
彼女は興味を持ったような顔で
「そうだ!もしかして、政府が言っていたあの危険地帯かもしれないですね。」
俺は気になってしまいメモに書いた
「危険地帯?」
彼女はつづけた
「数か月前に政府が地図でいうここに危険地帯を発見したらしいんです。私も何度か取材したかったのですが拒否されて、もしかしてそこでは...?」
俺は即座にそこに向かおうとしたが、腕を彼女につかまれた。
「ちょっと待ってください!そこに行くなら私も連れて行ってくれますよね!?」
俺は無視し、その場を足早に立ち去った。
ー数時間後の危険地帯周辺ー
やはり外周は警察と政府関係者が取り囲んでいた。だがこの手は楽勝だ。全員消してしまえばいいのだから。そう考え武器を構えた瞬間だった。
「おい!またお前か!」
見つかったのかと思ったがそうではなかった。あの女記者が見つかったのだ。
「何度言ったらわかるんだ、エミ。ここは危険なんだぞ?下手したらそのかわいい顔が消えるぞ!」
「だって、教えてくれないなら自分で探すしかないでしょ!」
「あ、こら!待ちなさいっての!」
「なんでよ!ケチ!」
「ケチじゃないでしょ?ケチじゃあ。」
呆れながら見ていると巡回の警備員がこちらに来てしまっていた。ここで見つかれば警戒されることは間違いないだろう。俺はやむ得ず強行突破することにした。タイミングをみて俺は走った。
「おい!待て!」
「そこの男!今すぐ止まれ!」
巡回の警備員が銃を構え、警告をしても俺は止まることなく走り、危険地帯に入ることに成功した。
「おいおい!侵入者だ!急いで連絡を!」
「ちくしょう!政府の役人に怒られるぞ!危険地帯内の調査隊にも連絡するぞ!」
「隙あり!」
「おい!エミ!待つんだ!」
「危険地帯の真相は私が解明するわ!」
後ろが騒がしかったような気もしたが気にすることなく、俺は追手が追跡不可能であろう位置まで走り続けるのであった...。
小説かいてるといろんなこと想像できますけど、地名と人物名考えるの一番きついですよね。