ばりぼり 草稿
ばりぼり
山水たらたら タライの水にひたひたして
まんがり くねくね とりたて胡瓜
キンキンに冷して ばりぼりやってやるぜ
酒の肴に 魚でも釣っくるか!
と、出かけてる間に……
通りすがりの河童さんが
おやおやおや のどがカラカラ癒すのに
丁度良いところに 山水ちょろちょろ
キンキン冷え冷えた まんがり胡瓜
ぷんぷか ぷんぷか ぷかぷんぷ
喉がなるなる 喉がなる
これはこれは ありありありあり ありがたや!
ちょちょいと摘まんで ぽりっと ひとがじり
ぽりっと ぽりっと ふたかじり
ばりぼり ばりぼり とまらない
おっ! と
また通りすがりの 河童さんたちが 喉ならす
山水ひたひたきんき まんがり胡瓜
手が手が 手が手が 伸びてく伸びてく
ぽりっと ぼりっと
ばりぼり ばりぼり とまらない
河童さん 河童さん ばりぼり ばりぼり
ばりぼり ばりぼり キンキンまんがり胡瓜
たいらげて ご機嫌 陽気にさってゆきました
魚魚 釣りて 戻ってきたら
無残に食い散らかされた 哀れなまんがり胡瓜
その末路に ばりぼり出来ずに 立ちすくむ
ぎぎぎぎ ぎぎぎぎ 歯を食い縛りて
バリボリできずに 立ちすくむ……