ずんどうとりれば娘 草稿
ずんどうとりれば娘
わたしのお家はコックピットふぁ~むって言います。
真っ白な地鶏とか、尾っぽの長いのとか、荒々しいやつとか、鶏冠が威喝いやつとか、喧嘩ぱやい軍鶏とかかってます。
直径1.5m、高さ0.7mの円筒状のリング、通称コックピットで鶏合わせ闘鶏もやってます。
ふぁ~むの隣でじじがやりかけた真っ黒焼き鳥屋さんの中に、わたしのお店ずんどうとりれば娘はあります。
後から父も脱サラして退職金にものを言わせて、お店の隣に唐揚げ屋さんを始めたんですが、それが……ニンニクマシマシデカ唐が大人気でデカ唐を求めて大行列です。
仕込みも手伝わされるはめになってきてます。でも、わたしも負けてはいられません。が、ニンニクマシマシデカ唐、真っ黒焼き鳥定食がひっきりなしに注文を頂きます。
わたしの方にも元気もりもりとりれば定食があるのですが、鶏レバーが1日10食が限界なんです。
幻のメニュー扱いになっております。
わたしはあちこちのお店で修行を積んだ身です。
ぽっと出の父なんかに負けてなるものですか!
鶏ガラのパイタンスープに鶏そぼろとチンゲン菜、今日は名古屋コーチンのゆで煮卵に、胸肉と笹身の2種類の鶏チャーシュー、ストレート細麺、中太縮れ卵麺の2種類から選べるスタイルです。
勿論替え玉もOKです。
手羽先、山賊焼、卵焼き、油淋鶏のセットに鶏カツ丼、地鶏濃厚親子丼、鶏そぼろ丼、真っ黒焼き鶏丼、ぶっかけ卵丼もありますからね。
父は退職金に物を言わせて、更なるお店の増築を計画しています。
おのれ父!
そんなに唐揚げはもうかるのかあ! と、わめいていたら、母が触発されてスイーツ屋さんを始めるらしいのです。
めっちゃメニュー開発でイメージイラストを渡されて、何とかならないかなニコッとかされてます。
母にニコッてされたら、何とかするしかないでしょ!
ライバルがまた増えてしまった。
そうなんです! 誰も手伝ってくれないのです。