第一話 スキル授与式
シン=マーレンは今年で15歳になった。彼の生まれた国ミーシャ帝国は絶対王政によって運営されている国である。この国では15歳になると成人とみなされ、国の教会から特殊スキルが授与される。このスキルによって将来出世できるかが決まる。
「追加この時が来たか 俺の運命が決まる日」
大聖堂の前で町中の15歳が集められている。現時刻国中の各都市部でスキル授与の儀式が行われている。この場もそのたった一つに過ぎないがこれだけの数の子供がいる
「この人数の中で当たりスキルをもらえるのは何人なのかなー」
朝はやる気に満ちていたものの目の前の自分と同じ可能性を持った同い年たちの数を見て朝よりもはるかに希望は薄れていた。
「次コナー=トリガー 貴殿のスキルは「作物強化」効果は作物づくりにおいて普通の者よりも栄養価の高いものが育つ…」
「うわー あいつ人生終わったなー笑」
「しー かわいそうだろーそんなこと言っちゃー笑」
コナーという名の少年は自分の将来を思ってか絶望的な顔で俯いて目に涙を溜めている。
朝には誰もが自分の未来を思って希望に満ちていたがそんな状況は少しずつ落ち着き始めていた。
「次 リュウ=カイレン前へ」
鍛え抜かれた逞しい体からは15歳と思えない風格を感じるややふけた顔の少年が呼ばれた。
「家電のスキルは強兵である」
(「おー」)
あたりがざわめいた。
強兵スキルなら国の兵士として現場実績を積めば上に上がれる可能性が高くなる。この国の軍人は正規の公務員という扱いで待遇がいい。
(いいなー 強兵は俺も欲しかったスキルの一つだ。あとは炎魔法師や宝石鑑定士あたりも給与がいい)
「次 シン=マーレン前へ」
(ついに呼ばれたか 頼むから極端なハズレスキルではありませんように)
「貴殿のスキルは………「城」である………」
(? なにそれ 図鑑でも見たことも聞いたこともないんだが)「司祭 それはどういうスキルなのでしょうか?」
「うむうむ…どうやらスキルレベルに応じた建造物が建てられるようじゃな」
(…これは建築士に近い感じかな まあなんとも微妙な感だ。なんにせよ笑い物になるスキルじゃなかったのはよかったか。)
(これ以上ここにいる意味はないな いいスキルが当たってる奴がいてもムカつくだけだしな スキル試してみよーっと)
家に着くと2人の幼馴染が待っていた。
「よーっすシン スキル何だった」
こいつは親友のユウだ。昔からよく河原で遊んであたり悪ノリ仲間だ。
「さあねー なんだったかなー?」
とぼけてみる。
「なによー たぶらかしてないでさっさと言いなさいよ ちなみに私は料理人だったよー 料理好きだからラッキー!」
こいつはもう1人の幼馴染アンナだ。こいつは学校内でも人気のマドンナ的存在だ。なぜ俺に絡んでくれるのかわからない。
「俺は工作系だったわー まあ親父もそーだったからなんとなく予想してたけどなー」
スキルは遺伝することがよくある。昔からこいつは手先が器用で実家の工房で見習いとしてアシスタントをしている
「俺は建築系だったわー」
「建築系? 意外ー あんたの両親会計員だったからあんたもそっち系だとおもったのにねー」
(そう 俺の親は会計員スキルも計算が普通の人より早くなる程度だったなー)
「じゃあ俺らもういくわー 親にスキルのこと伝えてこないとなー またなシン」
「スキルについて大体わかったらまた三人で発表会しようねー」
「おうー じゃあなー………あれ?アンナどうしたのー?」
「あの………親のスキルじゃなくっても未来は自分で切り開いていけるわよあんたなら!」
(なんだこいつ もしかして俺が両親とスキルなことを気にしてるのかなぁ)
「別に俺勉強は得意だけど別に会計師にも高級官僚も真っ平興味ないけど」
「え?ああ そうなんだ! あんた頭だけはよかったからそっち系のスキル欲しいのかと思ってたよ 頭だけはね!」
(こいつ俺のビジュアルを否定しがちなんだよなー)
シンは気づいていないが彼は学校内でも有名なイケメンなのだった。大勢の女子から好意を寄せられていて、アンナも彼に好意を寄せる乙女のうちの1人なのだった。
「全く こいつらときたら」
(優が何かつぶやいたように感じたが気のせいかな……)
「んじゃあー俺ら帰るわ 明日学校でのスキル自慢大会楽しみだなー」
「ああ まあ俺らは自慢できるか微妙だけどなー…」
翌日に続く
初めて書いてみたのですがよかったらコメントくださいそれによって修正してみます。