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プロローグ
「魔力の無いコイツはーー家の面汚しだ
我が家には必要ない」
ある雷の鳴る嵐の夜、人里離れた魔物が出る森の中に黒のフードを被った男と生まれて間もない赤子がいた。
赤子の父親と思われる黒髪の若い男は忌々しげに抱いている赤子を見やり呟いた。
「恨むなら魔力の無い自分を恨むんだな」
男は森の中の一番深いところにある、大きい木の下に赤子を置くと闇に消えた。
それから数年後、初老の男性がまだ幼い子供を連れ大きな木の下に現れた。
「すまない・・・」
初老の男性は子供を抱き締めると、呟き子供を置いて闇に消えた。
「ここは子供を捨てる場所じゃないってーの」
置いて行かれた子供は泣くこともなく闇を見つめていた。
すると、どこからか声が聞こえ子供が振り向くと、そこには長い髪を靡かせた男性が現れた。
「・・・・・」
「俺と一緒に来るか?」
子供は黙ったまま男性を見ると男性は子供に目線を合わせる様にしゃがみ、頭をなでるととニヤリと笑い言った。
子供は男性の目を見て小さく頷いた。
この数年後二人の子供は神と呼ばれるようになった・・・・・・