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第49話 バーンウィザード

屋敷ー寝室


あれから俺はリンとアカネと一緒に寝ていた。

気がつくと、俺にアカネが抱きつく様に密着していた。


「アカネ!?」


「ええ・・・。」


「どうしたんだ?」


「なんでも無いわ・・・でもこのままにさせて・・・。」


少し泣いているような・・・・。

俺は静かにアカネの頭を撫でる。

「ごめんな・・。ずっと居られなくて・・・。」


「ほんとよ・・・・。馬鹿っ・・・・。」


リアルチートの天才嫁が弱みを見せながらツンデレ対応してくる・・・。

そんなギャップに俺は心が殺られそうになっていた。


「可愛すぎる・・・。」


その言葉にすぐさまこちらを見てくる。

「えっ・・・なにかいった??」


「いや・・・何も・・・。」


「言って。」


「いや・・・可愛いなーって。」


「もっと言って・・・。」

アカネは顔を埋めると更に強く抱きしめてきた。


「かわいいよ・・。」


「もっと・・・・。」


「かわいい!」


「ありがと・・。」


アカネと唇が触れ合う。

「っ!?お前・・・。」


どうやら、アカネは眠りについたようだ。


「俺も寝るか・・・。!?」


アカネの反対側に柔らかい感触を感じたので振り向く。

「会長だけ、ずるいです・・・。」


「リン!?」


「はい・・・。私にも言ってください。」


「かわいい・・・・。っ・・・!?」


リンと唇が触れ合う。


「不意打ちは卑怯だろ・・・。」


「ふふっ・・・勝負での仕返しです。」


「リン・・・あれは複製体だがな・・・・。」


「その・・私、コウさんを守れるように強くなりますから・・・。その時はご褒美くださいね・・・。」


「何を・・・。」


「もう!鈍感なんですか?」


「あぁ、わかったよ。」


「約束ですからね。」

目の前の少女はそう言うと眠りについた。


・・・

俺は長旅の疲れで泥のように眠っていた。

道中、力不足を感じたが無事ナシェを救えたことそれだけでよかったのだ。


寝室に魔王が入ってくる。

少女は昨日の村娘のような格好ではなく、学生服を着ていた。

しかも、アカネやリンが着ているような学園の制服ではなく、前世にありそうなセーラー服であった。

目の前でそれを披露するかのように振る舞う。


「おはようだな!コウよ!」


「あぁ・・・。」


「もっと突っ込まんか!!」


「はぁ・・・、なんで学生服なんだ?」


「わかってないやつじゃのう。コスプレじゃ。」


「それはわかる。」


「別のところにも突っ込んでほしいところじゃが・・・。」


「やかましい!」


「まぁ良い。よいしょっと・・・。」

俺の目の前で、魔王があぐらをかいて座る。

まぁ・・・・当然中身が見えるのだが・・・。


「おい・・・。」


「何じゃ?」


「パンツ、見えてるぞ・・・。」


「見せてるのじゃが?」


「はぁ・・・。」


「何じゃ?縞々(しましま)パンツは嫌いじゃったか・・・。」


「そこじゃねえよ。」


「まぁよいわ。アカネよ、ワシに用があるのじゃろう・・・ほれ。」


魔王は手を差し出す。


「えぇ。魔王様・・・いえ、バーンウィザード・マオ様」

アカネはタブレットを渡す。


「ほう・・・、知っておるのか・・・。」

「バーンウィザードだと!?」


「どうじゃ驚いたか!」


「あぁ・・・。」



もちろんアカシックレコードの正体を探るために努力していたという話は聞いていたが、前世ではその名は誰もが一度は聞いたことがあるほどであった。


企業の横領や賄賂などを暴き、コンピュータウイルスの対策をすぐに公開するなど正義で動くホワイトハッカーとして有名であった。

バーンウィザードという異名は、時にはサーバールームごと遠隔で破壊することから、そのような名前がついていた。


もちろん彼女であれば複製されたアカシックレコードをサーバーごと破壊することも可能だろう。


「頼みがあるんだが・・・・。」


「何じゃ?ワシと作る気になったか!?」


「そっちじゃねえよ。」


少女はタブレットを操作していた。

「ぬぅ。おぬし此処のセキュリティがまだまだじゃ。仕方ないのう・・・」


魔王は何もない空間から、私物であると思われるシールが大量に貼られたノートPCを取り出す。

「よいっしょっと・・・」


「お前どうやって・・・」


「ぬ。現世と繋いだだけじゃが?」


平然とやばい能力を晒す魔王であった。


「・・・」


「どうした?ワシが欲しくなったか・・・ほれほれー」


魔王はスカートをひらひらさせてこちらを誘惑してくる。


「はぁ・・・」


「なんなら移動もできるのじゃ。」


もはや魔王を倒すという目的を達成する必要がなくなってしまった。

すまん、女神よ。


「まじか・・・。久々に行ってみたいな。」


ニンマリした表情で魔王はこちらを見つめてくる。

「ほう・・・・。」


「あ、やっぱやめとくよ。」


「な、なぜじゃーっ。」


「魔王様、お迎えにあがりました。」


急に背後から声がしたので、振り向くとそこにはアルフレッドがいつの間にか居た。


「うむ、アルフレッドよ。また来る故、楽しみにしておるのじゃぞー。」


魔王は無邪気に手を振りながらアルフレッドと共に消える。

アカシックレコードの件を頼むの忘れてたな。今度でいいか・・・。


キーボードを打つ音のみが部屋に響き渡る中、アカネが呟く。


「そういえば頼みたいことがあるのだけれど・・・」


「どうした??」


「転生特典アイテムを回収してほしいのよ。」


「それならものひろいでできるだろ?」


「そうだけど、それは所有権がないアイテムに関してでしょ?」


「あぁ、そうだな。」


「所有者がいる場合・・・つまり本来の持ち主ではない人から回収してほしいのよ。」


「そういうことか。」


「もちろん、分身体で調査はしているけどね。」


「あぁ、わかったよ。」


「んじゃぁ、来週辺りにここによろしくね。」


「遠くね?」


「そうかしら?」


「魔王あたりにも協力してもらうか。」


今回の件で力不足を感じていた・・・。たった2人の転生者に手も足も出なかったのである。

同様にリン、ロモもそれを感じており今は修行のために魔王城に通っている。

そう考えると転生特典アイテムの回収という名目で遠出するのも悪くないかもしれない。



特に創造のような相手と戦闘になった時、転生特典武器やスキル、魔法に関してほぼ意味を成さなくなるので対策が必要だった。

やはりアカネのような分身体を作って遠隔戦闘が妥当なところだろう。


「そうだ・・・アカネ・・・」


バタン!

その言葉は扉を勢い良く開ける音でかき消された。


「はぁ・・・はぁ・・・コウ君大変なの!!」


「どうした、ナシェ?」


「王国魔法学園対抗大会が開かれるの!」


「なんだそれ・・・。」

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