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第47話 魔王城へ

吹雪が強まる中、俺達はアカネが用意した馬車の荷台で休息していた。


リンは先の件があったからか、こちらに表情を見せまいとうずくまっていた。

こういうときは触れないでおくのが一番だろう・・・。


「どうだ?アカネ」


深刻そうな顔をしてタブレットを操作するアカネにシステムの現状を問いただす。


「大半は復旧できたのだけれど、二人のアカウントが見つからなかったわ・・・」


「というと?」


「2人が使用していたのはおそらく別のアカシックレコード・・・複製物ということになるわね。」


「ってことは、発動するのは織り込み済みだったってことか・・・・」


「えぇ、タブレット端末で複製された方と通信していたみたい・・・」


SNSアプリのようにタブレット端末からサーバーに通信して、未来の結果を返すというのがシステムの仕組みだった。

破壊と創造が不正に使用していたとすれば、本来サーバーとの通信はできないはずであった。


「そういうことか・・・でもあの時本物のシステムが使用できなかったのはなんでだ?」


「おそらく複製物と干渉し合うから、同時に掌握したってことのようね。」


「やられたな。でもあの時、お前は使えただろ?」


「それはバックアップね。本体が汚染されている以上、今はそっちを使っているわ。処理性能は10分の1ぐらいだけど十分よ。」


「そういうことか。」


「えぇ、ネットワークに詳しい転生者が裏方にいるということね・・・おそらくハッカー」


「そうか・・・。そういえば昔、知己のデータベースをやられたことがあったなぁ・・・」


「私もそのぐらいあるわよ。人間だし。」


今は神となってしまった元嫁も元は人間だった。


アカシックレコードが実質使用不可能になってしまっていることも重要だが、本来の目的を達成することが最優先だ。



現状対抗策は黒竜に対する未来改変と魔力石だけだ。

ナシェを誘拐した相手が魔王である以上、最悪の事態に備えて様々な戦闘準備をしておく必要があるだろう。

一国の転生者にすら歯が立たなかったのだ。



俺はアイテム欄を開く。

ものひろいはこの世界の所有権のないアイテムをランダムに自動回収するスキルだ。

そして今や、取得アイテムの種類は300万を超えており、全てのアイテムを管理するのは不可能に近い。

そう・・・手動で管理するには不可能に近かった。


しかし、データで考えると300万程度であれば何の問題ない。



俺はタブレット端末を取り出す。

「知己、居るか?」


「はい、コウ様」


「アイテムを個数で昇順ソート」


「ソート完了しました。」


アイテムのレアリティが高ければ、高いほど入手確率が低く入手個数は少ないはずなので少ない順でデータを並べ変える。

「ほう。これとかいいな。神器シリーズか・・・」


どうやら神器シリーズは複数種類があるがどれも一つしか無いようだ。


「それにこの盾・・・この構成なら行けるな。」


それから一時間後、俺達は魔王城にたどり着く。

遠目からでもわかる、ファンタジーに出てきそうな正しく居城といった風格だ。


「準備は整ったかしら?」


「あぁ」


「はい・・会長・・」


リンは辛うじて元気を少し取り戻したようだ。


不意の戦闘に備えて、俺たちは馬車から徒歩で移動する。

大きな門の前にたどり着くと門番らしき勇ましい大きな魔族に声を掛けられる。


「お待ちしておりました。コウ様、アカネ様とそのお連れ様。」


俺達3人は驚く。

「!?」


「織り込み済みか・・・」


「はい。我々は敵対するつもりはありません。」


「わかった。」


その大きな魔獣は以外にも冷静な判断で受け答えをして、俺達を門の中に招く。


居城の中に入ると見慣れた獣人が抱きついてくる。


「コウ!心配したにゃ!」


「ロモ!?どうして此処に?」


ロモは近くにいた人物を見る。

そこには屋敷に来た、魔王軍の参謀アルフレッドがいた。

「お待ちしておりました。コウ様」


「どういうことだ??」


「こちらにいささか手違いがあったようでお詫びいたします。」


ロモは頷きながら、アルフレッドの背中を叩き呟く。

「魔王の勘違いでナシェを誘拐したんだにゃ・・・こいつもこいつでアホだからにゃあ・・・」


「この化け猫っ!」


どうやらロモとアルフレッドは仲がいいようだ

「二人は仲いいのか?」


「この化け猫と一緒にしないでください!」


「私もお前と同じにされると困るにゃ」


すると綺麗なドレスを着たナシェが向こうから走ってくる。

「コウくんーー!!!」


「ナシェ!?」

「ナシェさん!?」


ナシェが抱きついてくる。

「怖かったよー!!!」


俺もナシェを強く抱きしめる。

「無事でよかった。本当に・・・・・。」


「うん・・・」


俺は此処までの苦労や戦闘を思い出し、努力が無駄ではなかったことを改めて痛感した。

前世では姉を救うことはできなかったが、この世界では幼馴染を救うことができたのだ。


そう考えると余計に涙が出てきた。

「ごめん・・・俺は・・・」


「うん・・・。」


俺達が落ち着きを取り戻すとアルフレッドは片膝を付き頭を下げる

「コウ様、改めてこの度のご無礼をお許しください」


「許されたことじゃないと思うけどな。」


「であれば!」

アルフレッドは自分の首元にナイフをかざす


「まて・・・死んで許されると思うなよ。命尽きる最後まで詫続けるんだな・・・」


「感慨な心、痛み入ります・・・。」


「あぁ」


その会話の中でリンは常に曇った表情をまといながら呟いていた。

「そんなことで・・・・・。」


「にゃ?リン大丈夫かにゃ?」


「あ・・・。大丈夫です。」


「では、こちらに。魔王様がお待ちです。」


俺達は一際厳かな扉の前に案内される。

アルフレッドが扉を開ける。


豪華な赤い絨毯ときらびやかに装飾された照明で照らされた大広間が目の前に現れる。

最奥にはいかにも魔王が腰掛けていそうな椅子が用意されていた。


「ここが・・・」


俺が見渡していると後から入ってきたであろう小さな少女とぶつかる。


「ご、ごめん!」


「あ。よい、よーい」


無邪気に、少女は手を振りながら走り最奥の大きな椅子に向かって走り出す。

少女は大広間の最奥にある豪華な椅子に飛び乗る様に座った。


「ふー」


「それって魔王の椅子じゃないのか??」


「だよー」


「??」


リンは少女を注意する。

「こんなところで遊んでちゃダメですよ。」


「遊んでないもん!」


ナシェは事情を知っていたようでオロオロしながらしゃべる。

「えーっと・・・リンちゃん・・あの子が魔王・・・・」


一同は驚く。

「えっ!?」

「は?」

「にゃ!?」

「ふふっ」


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