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第44話 絶望

「ゲホッ、ゲホッ。!?」

なんだここは。暗いしやけに埃っぽい。

学園の秘蔵書があった場所よりもひどかった。


「おい!どうなって!!」


ジャラ・・・


異様な金属音に気がついた俺は手元をよく見てみる。


「鎖!?・・・なんで?」


その声に気がついたリンがこちらに向かって来る。

「あっ、気が付きましたかコウさん。」


「これってどういう・・・・」


話を遮って、笑顔でこちらに話しかけてくる・・・何かが・・おかしい。

「大丈夫です。痛くしませんから・・・」


そういうとリンは何処かへ行ってしまった。


内装を見るに石レンガ造りの砦の一室のようだ。

手元にタブレットすらないが、どうやら手持ちは開けるようだった。

最後にナシェを救出に向かったまでは覚えているがそれ以降何があったのか覚えていなかった。


「ともかく抜け出すか・・・」


魔法も使えるようなので砂鉄を操作して鎖を外す。


部屋から出てみると真っ暗だが一定間隔に明かりが置かれている。

辛うじて歩けそうだ。そしてとても静かだった。


「屋敷ではなさそうだし、救出途中なのか?」


しばらくしてリンがこちらに向かってきていた。

「コウさん!?どうやって出て??」


「リン、これってどういう・・・・」


次の瞬間、リンの魔法ビームが飛んできた。

「!?」


脇腹をこすったがよく見ると血が出ている。

がちなやつだ・・・・。


「待てっ!事情を!!」


「待ちません!!部屋に戻って!」


本能的に、これは殺られる・・・と察した俺は逃げることを決意した。

「幻なのか・・・はたまた罠か・・・どのみちやばいな・・・・」


逃げようとした次の瞬間、足元が爆発した。

「ナノエクスプロージョン!?アカネか!?」


足元が吹き飛んだ衝撃で、空中で何回転かした後に地面に叩きつけられた。


「えぇ!待ちなさい!!」


「うっ。」


横になりながらも、遠くに特徴ある姿を捉えた。

チエミのせいで昔に浮気疑惑を掛けられた際も、こんな感じであったが今回はそれ以上にヤバそうだ。


「くっ!?マグネティックドール!」


俺は砂鉄の馬を作り出すと通路の窓から飛び出した。


その様子を見ていたリンは慌てて呼び止めていた。

「あっ!コウさん!!待って!!」

リンがこちらに手をかざした瞬間複数ビームが飛んでくる。


「ちょ、ちょ、ちょ!!!」


俺は砂鉄を操りギリギリのところで防御できた。


「あぶねー」


とりあえず、抜け出すことには成功した。

遠目から見て改めて建物がわかったが砦のようだった。


出発前に出てきた旧魔王の影響でおそらく二人共、幻覚か何かで操られているのかもしれない・・・・。

とりあえずは場所の把握が先決だ。


「遠くに街の明かりが見えるな。行ってみるか。」


焦りで周りを把握しきれていなかったがどうやら雪国のようだった。

寒さで、手首がかじかんで移動すらまともに出来なさそうだったので変装用のローブを取り出し、身につけた。

「これでも、寒いな・・・」


雪国にもかかわらず、市場は賑わっていた。


「場所的に魔王城に近いはず・・。ナシェ・・・」

俺は本来の目的を思い返し唇を噛み締めていた。


考え込み周りがあまり見えていなかったのか歩行者とぶつかる。

ドンッ


「いてっ!」


「いたた」


「すまない。」


「いいよ。僕のほうこそよく見ていなかったから。」


手を差し伸べる。

まだ幼いウサギの獣人・・・さながら雪国仕様といったところか。

よく見るとところどころ薄汚れている。あまり裕福そうではなかった。


「ここら辺に宿はあるか?」


「えーっと、僕の家・・・宿屋だけど」


「まじか、案内してくれるか?」


「うんっ。」


どうやら街の外で、かまくらを作って寝る必要はなさそうだ。


ウサギの獣人は手をつないできた。

「お兄さんの手、温かいね・・・」


「そうか?」


「だってお父さんの手にそっくりだから。」


「かもな・・・・」


微妙に獣人の少年の手が震えていた。

俺はマフラーと手袋をあげることにした。

「ほれ。」


「えっ、くれるの!?」


「あぁ」


「ありがとう!」

満面の笑みでこちらを見つめてくる。


しばらくして、少年が立ち止まる。

「ここが僕の家だよ!」


「ありがとう」

そこはアルドリア王国にある一般的な宿よりもこじんまりとした宿だった。


「ささ、入って」


少年に手を引かれながら俺は宿屋に入った。

中には少年の母親らしき女将がいた。

「あっ、いらっしゃい!」


「ママー、お客さまー連れてきたよ!」


少年の言葉に母親は一瞬ビックリする。

「まぁ!すいません、ご迷惑をおかけして。」


「いえいえ、こちらこそお世話になりました。しばらく泊まりたいのですが・・・」


少年のマフラーと手袋を見た母親は察したようで。

「えぇ。お代は構いませんので。ささ、こちらへ・・・」


「いえ、ちゃんと払いますので。お構いなく。」


そう言うと母親の後をついていく少年が手を引っ張って案内する。

部屋につく。まずまずの綺麗さだ。しばらく泊まれそうだ。

「ありがとう。」


「えへへー。僕も女将になれるかなぁー?」


「あぁ。きっと、立派な女将になれるよ。」


「ご夕食の方はフロントにお越しくださればすぐにお出ししますので・・・」


「ありがとうございます。」


「僕、お兄さん好きー。」


母親は呆れたように。

「こらこら、迷惑をかけるんじゃありません。」



夕食後、俺は談話室にいた。

アカネたちは追ってくる様子はないどうやら巻いたようだ。


「少年。ココらへんにギルドってあるか?」


「ニコでいいよー。街の中心にあるよー。」


改めて少年の名前を知る。

「そうか、ニコっていうのか。ありがとうな、ニコ!」


「うん!お兄ちゃんは何処から来たの?」


俺は事の一部始終を話した。


「えー!?アルドリア王国から来たの!?僕も行ってみたいなー」


「あぁ、アルドリア学園ってところに通ってるから訪ねてみるといい。」


「うん、わかった!」


少年を撫でる。ロモとは違った感触だ。

ロモはモフッだったが、少年はフワッとした肌触りで気持ちがいい。


「ちょっとお兄ちゃん、くすぐったいよー。」


「あぁ、すまん。」


撫でるのをやめると少年が上目遣いでこちらを見つめてくる。

「もっと・・・・・」


「ったくー」


「やったー」


あれからどうやら眠っていたらしく、気がつくと俺は部屋で寝ていた。

やはり雪国と言うべきか朝は寒はずなのだが・・。


朝一番の感想が、モフいだったのはロモ以来と言うべきか・・・・

案の定ニコも俺と一緒に包まって寝ていた。

「ニコー、起きろー」


「あっ、おはようーお兄ちゃん。」

満面の笑みとともに開口一番まったりと話しかけてくる。

フワッを堪能してから朝食へと向かう。

「もー!くすぐったいよお兄ちゃん。」


「ニコが触り心地がいいからなーしゃーない」


「えへへー」


朝食後、俺はニコに案内されてギルドへと向かった

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