すでに作家様の気分だぜ!
いよいよ「本編」を執筆しましょう。
繰り返しになりますが、前回にて構想として1.~4.の手順の解説を行いました。
1. ブックマークバーに構想ボタンを用意する
2. 各構想アイデアと、それに合うサブフォルダを作成し、登録する
3. 構想をどんどん書いて、どんどん登録する
4. 構想のブックマークを整理する
では、続きの5.から開始します。
5. ブックマークバーに本編ボタンを用意する
構想ボタンと同様に、バーに小説ボタンと本編ボタンを用意します。これでバーに「構想ボタン」「本編ボタン」の2つのボタンが並びました。
6. どんどん本編用ストーリィを書き、登録をする
この段階まで来ると、「構想」をそれなりに練っているので、物書き初心者でなければ数話ぐらいは楽勝で書けるでしょう。書けたら「本編ボタン」内に登録します。
ええーっ、そんな簡単には書けない、と、お嘆きの貴兄へ。
ちょっとホシナローの解説からは脱線しますが、そんなときは「シナリーノ」を書くのはいかがでしょうか?
「シナリーノ」という言葉は、「シナリオ」という外来語にイタリア語の縮小辞の感じを合わせた私オリジナルの造語で、プロットと小説の中間の状態を指します。これは、私がフリーのゲームシナリオライターであったときのとある経験を、いまネーミングしてみた言葉です。
ゲーム開発では、シナリオの完成を待たずにCGや音楽やパブを発注しなければいけない状況があります。そんなときシナリオライターは(特に後からヘルプに入ったフリーの人間は)、発注に必要な決め台詞やシーンだけが明確で、それ以外の筋書きはプロットのままのシナリオを大急ぎで書かなければいけません。これが今回私の名付けた「シナリーノ」であり、完成された細かいパーツが、プロットの流れと、まだら状に混じりあうストーリィのことです。
※ご注意 「プロットと小説の中間の状態」であっても、いわゆる「ラフ」とは違います。「ラフ」はテキスト全体が均一の完成度(未完成度)であり、小豆の餡子に例えるなら「こしあん」です。「シナリーノ」は「つぶあん」です。
では、シナリーノで例題の1シーンを試しに書いてみましょう。
港の倉庫で何者かに襲われた主人公が、傷ついたヒロインを連れて「ログアウト」する場面です。ホントは作者である私だけ判ればいいんですけど、判りやすくするために、▲の段落がプロット、〇の段落が完成している小説の部分だと思ってください。
▲ 落ちてくるガレキ やっとリキャストタイム 微笑むアオバ呟く
〇 「君は、私が守る、そう誓ったんだ……」
▲ ログアウト叫ぶ 白い空間 ログ流れる
〇 とにかく、まずはアオバの千切れた右手の事象をデリートする! あれっ、これだと右手ごと消してしまうかも……じゃあログも書き足しだ。『16時02分51秒 僕は彼女の両手をつかんだ』と入力。うわっ、彼女のマフラーが燃えてる!
だめだ、もうアウトポートを指定する時間がない! ええい、デフォルトで決定!
▲ 自宅のベッドにアウト アオバ気を取り直し 赤面で主人公突き飛ばす
これなら確かにすぐ書ける。そう思うでしょ?
アイデアがあるのに、プロットがあるのに、小説が書けない。その理由は、いきなり完成された小説を書こうとしているからです。小説の書き方なんて自由です。過程としてなら、明確なビジョンがある台詞やシーンだけ先に書いて、それをプロットに混ぜた段階があってもいいはずです。何より早く書けるしね!
この例題では、プロット「オープニング」を丸々コピペして冒頭のアイデア3話を書いたとします。一話ぶんとして足りないと思ったとか、シナリーノの状態であったなら、進捗の数字も追加しておきましょう。
タイトルが思い浮かばなかったら、第一話とか適当につけておきましょう。
※ご注意 もちろん、未完成な部分があるのに発表するのはどうかと思いますよ。流行マンガ家が下書きで発表するのをマネるならともかく!
本編の各ドキュメントを行ったり来たりして書き直しするタイプ(私だ)のかたは、ホシナロー全体を導入しなくてもこの6.だけで執筆がものすごく捗りますよ!
7. 小説のタイトルを決め、そのタイトルでバーにボタンを用意する
小説の現時点での確定タイトルを考え、そのタイトルでボタンを用意します。
今回の例題としては、その確定タイトルを【僕は戦わない~デスVRゲームから這い上がった僕はなぜか現実でも使える究極の逃げスキル「ログアウト」で逃げまくる~】とします。タイトルが長すぎるので、名前は「僕は戦わない」としてボタンを用意します。タイトルの残りはとりあえずメモしておきますか。
こうして、バーに「僕は戦わない」「構想ボタン」「本編ボタン」の3つのボタンが並びました。
8. すべてのボタンとサブフォルダを統合する
ノリで書くだけ書いてとりあえず満足したなら、「ふう……」とでも呟いて、「構想」を積極的に活かすため、構想ボタンと本編ボタンを「(小説タイトル)」ボタン内にドラッグします。
その結果、架空の現在として、ブックマークバーにある「僕は戦わない」ボタンの中身は、以下の通りです。
「僕は戦わない」
「本編ボタン」
第1話 - Googleドキュメント
第2話 - Googleドキュメント
第3話50 - Googleドキュメント
「構想ボタン」
「テーマ」
決め台詞100 - Googleドキュメント
ヒロイン怒る10 - Googleドキュメント
ヒロイン攻め台詞10 - Googleドキュメント
「キャラ」
主人公30 - Googleドキュメント
スキル活躍80 - Googleドキュメント
城川蒼羽120 - Googleドキュメント
ライバル10 - Googleドキュメント
「ワールド」
現実(学校)10 - Googleドキュメント
VR世界10 - Googleドキュメント
「プロット」
オープニング10 - Googleドキュメント
ゲーム暴走10 - Googleドキュメント
スキルゲット10 - Googleドキュメント
現実への帰還10 - Googleドキュメント
スキル活躍80 - Googleドキュメント
リベンジ10 - Googleドキュメント
ヒロイン無双10 - Googleドキュメント
ラブラブ予感10 - Googleドキュメント
ふたりピンチ10 - Googleドキュメント
ヒロイン怒る10 - Googleドキュメント
仲直り10 - Googleドキュメント
6. そして次のステージへ……
バーの各ボタンを左クリックして現れるメニューから、マウスポインタを移動し、フォルダ階層を自動展開して見てください。
ひと目で。超スピードで。シームレスで。
すべての書きかけ小説と構想とその進捗が俯瞰できるではありませんか! ブラウザしか使ってないのに!
改善するべきアイデアまで1クリック、メニューの中のドラッグ移動だけで整理も自由自在です!
しかも、サブフォルダを右クリックして出るポップ画面から、サブフォルダごとにブックマークをすべて同時に開くと、さらに効率アップです!
※お勧め いま開いているものの他に、新たなブックマークだけ開きたい場合は、メニューからタブ表示欄の空白へドラッグします。このテク、便利です。
実は私、会社の昼休みに、大型マルチディスプレイでこれをやってみました。文筆活動をカミングアウト済みの私は、会社のPCで昼休みになろるのを黙認していただいているンです。
家のPCからコピーしたデータでホシナローの原型を構築し、左のディスプレイに本編(仮名)ボタン、右のディスプレイに構想ボタンの中身を表示。それぞれのサブフォルダを開いて、それぞれのページの左上のタブを掴んでドラッグ、文字通り資料の束を広げるがごとく、デスクトップいっぱいに少しズラして並べてやると……
おおーっ!
なんかホンモノの流行作家になったみたい! 実にいい気分です。
これだけで、最愛の奥様におねだりして大型マルチディスプレイを導入したくなっちゃう!(ダメよ!by奥様)
※ご注意 作家気分に浸る遊びは、まともな大人なら笑ったとしても非難しない、正々堂々たる趣味です。思う存分ニヤけましょう。そして、仕事ならともかく、このいい気分だけで本編も書かず満足してしまうのも個人の権利です。
後は、個人の執筆スタイルに合わせて、構想を参照及び練り直ししつつ、本編ストーリィを書き続け、フリー投稿サイトへの公開や、コンテスト応募等を目指してください。
ホシナローの基本的な使い方は以上です。簡単で効率アップの効果絶大でしょ?
私見ですが、長編小説が行き詰まってしまうのは、構想の練り方が足りない場合がほとんどだと思っています。現在進行形でお悩みの作家の皆様、ぜひホシナローを導入してはいかがですか?
次回は第二章の補足として、ホシナローをさらに便利に使うアイデアを紹介します。
みんなのための小説執筆ツール。
ホシナローは日本最強級(自画自賛)小説執筆ツールです。
ご愛読、ありがとうございます。
拙作はご指摘に応じて改善する用意があります。