表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

馬車にて

遅くなりましたすいません

やぁ〜、どうもどうも〜智明でございます。

今日も異世界ランドレアは平和なようで僕を包み込むように吹く風が心地よく、あたりを見渡すと草木が生い茂り大自然の息吹を感じます。

季節は春。今はまだ早い時間帯で太陽のような天体から発せられる日差しは程よいものでぽかぽかとして気持ちがいいです。

まぁ、別に日差しが強かろうがこの世界は魔法あるし、なんてことなかったりするんだけどね。


さてさて、現在ですがカタコトと進む馬車の上でひとりのんびりとくつろいでいます。

え?なんで馬車の中にいないかって?

いやいや、女子が5人もいる狭い空間に男一人という状況は少し居心地が悪いんですよ〜。

あ、ちなみに全員妻です。

どうだ羨ましいだろう〜。

いや、まぁ、尻に敷かれてるんで自由とかあんまないんですけどね、ハハッ。

まぁ、どうしてそんなに奥さんいるのかとかいう経緯も含めて簡単に紹介しようかな?


僕は仰向けで寝ていた姿勢をうつ伏せの状態に変え、馬車の内部を観察するために《覚》というオリジナルスキルを使用して透視することにした。


紹介がてら今何してるか知りたいしね。

あ、ちなみに中に入っての紹介は勘弁してください。

入ったが最後、もみくちゃにされて、ね?大変なんだよ...

まぁ、なかなか天国ですけどね!はい。


てなわけで、ちょ〜と覗き見しますかね。




♢♦︎♢




まず進行方向向かって右の一番奥に座り、ニコニコと笑顔を振りまく愛らしい銀髪の女性がシャルロッテ。

彼女は僕がこの世界に来た当初最初にあった人間で、まぁ、出会いは最悪だったなぁ〜。

もうそろそろ通ることになる深淵の魔境にて、魔物の襲撃に見せかけた暗殺をされそうになってるところを助けたのが最初。

あのときは一年ぶりの人との交流だったのに殺し合いというなかなかハードなものだったなぁ〜。

まぁ、そんな出会いだけどその後彼女の願いを叶えるべく、彼女の姉と兄を助けることになって色々するうちに付き合うことになりました、と言いたいところだけどそんなことはなく、不安になった彼女に夜這いをかけられて責任を取る形になったのです。

まぁ、全員似たようなものな気がするけど.....

全員合意の上だしちゃんと愛してますよぉ〜。


続いてその隣に座っているのが彼女の姉、エリーゼ。

金髪スレンダーな美人さんだ。

彼女との出会いもなかなかなものだったなぁ。

会うきっかけはシャルロッテ...シャルを助けて少し経った時姉を助けて欲しいと頼まれたこと。

当時はもう能力が今とほぼ変わらない状態だから割と簡単に王城には忍び込めたし、蘇生なんて余裕のよっちゃんだったから頼まれてからすぐに助けに行ったんだよね〜。

初め見たときはまぁ驚いたよ。

感想としてはよく生きてんなぁーって思っちゃうぐらいひどい状態だったし。

なんでもそんな状態が何年も続いていたそうだ。

で、助けたまではいいんだけどそこからが大変だったよ。

この頃の王国、マジで最悪な状態だったからね。

このまま置いとくわけにもいかないし、誰を信用していいかもわからないしだったからね。

しかもエリーは結構計算高く、シャルから僕を襲った後の僕の様子を聞いてからは割とすぐに僕のことを....

まぁ、そんなシャルみたいにグラマスな感じじゃないから色気は.....ッ!寒気が!


そんなわけで当時の王国王女2名を娶ることになりました。


で、さらにその隣にいる紫髪の美女がパンドラ。

そう、パンドラの箱で有名なあのパンドラさんですね。

彼女も色々大変だったみたいだ。

僕が彼女を解放するまでは開けてしまった箱に詰まっていた厄災に追われる日々だったそうで、ある人に助けられて結界の中に籠るという方法で暮らしていた。

そのところを助けたのが僕でまぁ、そのまま流されるように、ね?

結構可哀想な人なんですよ。


で、次はそのパンドラの向かいに座っているの黒髪のナイスバディな彼女が魔界の大公爵のアスタルトさん。

なんでも悪魔になる前は女神だったそうだよ。

で、悪魔にされたせいでとても醜くなってしまって誰も寄り付かなかなってしまって一人寂しく暮らしていましたと。

で、僕が配下欲しさに魔界に来て悪魔にかけられた呪いを解いたところで懐かれてまた流されて.....

あれ?僕だいぶクズな気が.....

ま!まぁ!でも、ちゃんと責任とってますし、平等に愛してますし!ごほんッ。


あ、ちなみに今の配下の殆どが悪魔の方々です。

みんなちょぉぉと、欲に忠実だけどもいい人たちですよ?

つい数日前には僕の代わりに式典してれたしね。

そういえば戻ってきてすぐの頃なんか真名を考えてあげたらめちゃくちゃパワーアップしちゃったんだけどもこの世界のパワーバランスは大丈夫なんだろうか?


そんなことは置いておいて最後の一人。

足をぷらぷらさせて楽しそうに会話に入っている白髪赤目のロリっ子が藍。

まぁ、こいつの説明はかなりめんどくさいんだけど、まず、こいつの元となっているのがゼウスに滅ぼされたとされるカオスだったりして、そのかけらがたまたま適応したのが転生してくる前の僕で、で、さらに僕が日本に生まれる前の存在がちょぉぉっと規格外だったのと、転生時にその滅した張本人であるゼウスによって僕が超強化されたことが相まって誕生することになったまぁ、簡単に言うと全ての根源とされるカオスの生まれ変わりで転生前から僕と一緒にいたことから一番の理解者であったりするなかなか素晴らしい存在なのです。わかりずらいな。

とりあえずすごい人ということで。

ちなみになぜカオス→藍になったかというと転生した当初はスキルの一部に擬態してなんかAIみたいなことしてたから名前がないのはわかりずらいなぁと思ってAI→あい→藍....

うん、適当で悪かったと思ってます。

本人は気に入ってるみたいだからいいけどさ。


そんなわけでこれで身内の紹介は終わりかな。

ちなみに結婚式ですが三百年前にこの世界を去ったあと僕が作り出した固有空間にてひっそりと本物のゼウスを交えて行いました。

ちょっと微妙な、気まずそうな顔をしていたのは何故だったのか今でも謎だ。


まぁ、それはともかく.....

彼女をたちがとても笑顔で楽しそうに話しているのがとても気になる。

何故こんなにも上機嫌なのだろうか?

と、言うわけで盗聴することにした。

《覚》めっちゃ便利だな〜。



♢♦︎♢



『そういえば今はどのあたりまで来たのでしょうか?』


『どこだろうね〜。う〜ん、そろそろ半分くらいは来たんじゃないかな〜いつになったら王都に着くかしら〜』


『たまにはこういう風にゆったりと行きたいものよね』


『.....智明、面倒くさがりだからすぐ転移で済ませちゃう』


『た、確かに そ、そうですね。しかも、すごいグーたらさんですもんね』


『『そうね〜』』


『....でもやる気が出したときの表情は結構くる』


『あとあと〜、凄いだらけたふりして私たちのことめちゃくちゃ気にかけてくれてるんだよね〜』


『本当、身内には甘々よね』


『まぁ、本当は身内どころか困ってる人は見過ごせない性分なのでしょうね。その中でも身内は特にといったところでしょうか』


『可愛いところよね〜。しかもこれは自分のためになるからとか言って誤魔化してね〜』


『『ね〜』』


「......。やめて」


この通りである。

やはり普段とあまり変わらない会話だった。

貶されてると思ったらこのように.....

しかもこれ僕がいてもいなくても同じようなこと言ってくるんだ。

なんだったら今聞かれてる前提で話してるまである。

恥ずかしいったらありゃしない。

はぁ〜。


あれ?そういえばなんでこんなことになってるんだっけ?

王都に行くのはなんでだっけ?

てか、本当になんでこんな面倒なルートで向かってんだっけ?


僕は再び仰向けになり、常に僕の周りを張り付いている金属製の球体を突きながら昨日の出来事を思い出すのだった。




♢♦︎♢




その日僕はいつもの通り全員分の朝食を作るためにみんなよりも早く起きて配膳などを行なっていると家にいるみんなが何故か外出準備を整えてニタァとした笑顔でこちらを見ていた。

だが特に何かするわけでもなくいつも通りにたわいもない会話をしながら朝食をとり、ゆっくりと過ごした。




変化があったのは僕がちょうど朝食の後片付けや洗濯等々が終わった後だった。

特にすることもないのでこの世界に戻ってきてから日課となっている朝の散歩でもしようと思い、服を着替えていざ出かけようと自室を出ると目の前に腕を組み、待機しているエリー。

見なかったことにして部屋に篭ろうと扉を閉めようとすると扉に指がかかり、恐ろしいほど強いパワーで再び開けられ、呆気に取られてる間に腕をガシッと掴まれて逃げられなくなってしまった。

まぁ、本気で逃げようと思えば転移でもなんでも使って流れるけどもやらないあたり、僕もなかなか甘いなぁなんて思ったり?

その後もズルズル引き摺られ再びリビングに連れて行かれた。

木の温もりを感じられる設計にした家だけどこれは違うと思う。

階段痛かったなぁ〜。



その後リビングに着くとメンバー全員が旅にでも出るのか?と思うほどの荷物をまとめて待機していた。

全員が『やっとか』みたいな顔をしていんだよね〜、はぁ...


簡単に話を聞いて纏めると

・そろそろどこか行きたい

・どうせならシャルたちの兄に結婚挨拶に行こう

・ゆったりとした馬車の旅で森林浴でもしながら行くのはどうだろう

とのこと。

なんでこれだけのことをあんな長々と語っていたのかわからないと感じるほど話、長かったなぁ〜。

その後は早かったなぁ。

僕を馬車馬の如く働かせて、快適な馬車、ハイテク馬ゴーレム、必要な道具等を短時間で作らされた。

僕こき使わされすぎじゃね?

そのあと僕の自宅は空にあるわけだから『ヌル』に持ってる小さめの屋敷に転移門を繋げて降りてガタゴトと馬車の旅をしている今に至る。

なんとも締まらない始まり方だと我ながら思う。

はぁ、家でのんびりしていたかったなぁ〜。


ダメですか、そうですか....



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ