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平凡な日常にさようなら  作者: 我展
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~悪魔と天使の代理戦争~

周囲には土煙が立ち込めている。

ここはかつての東京、つい先ほどまでは天界で、今しがた魔界となった場所である。


目の前には、腹に穴の開いた女性の死体が転がっている。

自分の行いを背負いきれず、瓦礫に埋もれ立ち尽くす。

誰にとっても初めての領土戦争。天使勢力が敗北し、悪魔陣営が勢力圏を拡大した。


当然、人の死は覚悟していた。頭の中では、理屈では、覚悟はできていた。...と思っていた。

仲良くなったばかりの仲間を失い、立ちはだかった相手の体をその手で貫き、勝利を収めた。

体中は血に染まっている。


先ほどまで他人の体に刺さっていた右手ゆっくりと握ると、指の間から血や肉片が苦しそうな様子で押し出されてきた。

そのまま無心で手をグーパーさせていると段々と血が乾き、気持ち悪く指に絡む脂だけが取り残された。

手の平の中で気持ち悪さが増すにつれ、反対に心は落ち着きをとりもどした。


「これからもこれが続くんだな...」


誰に向けるわけでもなくぽつりと零したその言葉に、頭上からの返答があった。


「そうだよ。君たちは私たちの喧嘩に巻き込まれ、これからもその命を賭して戦うんだ」


優しい声で語り掛ける声の主は背後に降り立ったようだ。


「理不尽だと思うだろう。こっちも悪いとはおもってるよ。でもそんなもんさ。」

「君は教えてくれただろう、人生は理不尽だって。」


その言葉とともに、後ろから優しく抱きかかえられた。


「そうだね、大して、変わらない。」


小さな声でつぶやくとともに、自分の気持ちに整理がついた。

この気持ちは悲惨な現実に対する諦めだろうか、それとも自分の行為を受け止め、その責任を負っていこうという決意なのだろうか。


別に、どちらでもない。

僕は元々諦めていたし、奪ってきた何人もの命もそこまで重くのしかかることはなかったのだ。

ただ、疲れた。それだけだ。


はあ~、こんなことが起こるなんて今でも信じられない。これって夢だったりするんだろうか。

などと現実逃避に浸るのだった。

スプラッターにするつもりはありませんが

時には残虐、時にはサイコ、時にはホラー、かと思いきやハートフルコメディー?


そんな感じでゆるーく続けていければと思います。

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