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⑥冬

 サモはベトナムに帰った。もう、祖父の話もしなくなった。

 帰国の日、柴田は羽田に行った。日本での収入を手に、サモは笑っていた。家族への土産だと言って、数個の腕時計を見せてくれた。なかに、女性用のものが二つ、一つは母のだろう。柴田は、もう一つを指してサモに「これは?」と聞いた。「彼女ができたら、あげるんだ」と言って笑う。

 柴田は今度のゲームにサモを組み込まない。サモは日本での収入に満足していた。ベトナムの片田舎で、回りには同じ年頃の女性が多い環境にいて、日本でも女性にもてると踏んだようだ。日本ならば、中流家庭に育ったと言えるだろう。柴田は笑って聞いていた。この年頃によくある勘違いだ。帰国間近に、柴田は諭すと、寂しそうにうなずいた。日本で稼いだ金で、既に買った農地で生活できる。父母も帰りを待っていると言う。今は国で嫁を貰うことが一義となっている。祖父から聞いたろうが、ベトナム戦争など知らない世代である。

 柴田は、ベトナム行きを本格化させた。まず柴田とサッコ、そしてミキで一週間の日程でベトナムに行くことにした。


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