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49/61

49 祀り

 日本の盆の様に、屋台が並んでいた。千田も嫁と一緒に、たこ焼きの代わりに海老の入った海老焼きを作って、呼び込みに忙しい。

 千田の運んだ荷は、寺の地下に運ばれていた。千田は荷の中身は知らない。

 地下には柴田とサッコ、ミキ。師とホー、そして大統領と文化省大臣がいる。

 外には、軍の兵士が住民に気付かれぬよう配置されていた。

 柴田はシートにくるまれた段ボール箱を開けた。黄金色の仏陀像が現れた。師が手を合わす。

「この像は、師に返します。」

 柴田は師を見る。師は頷く。

「直ぐにでも、国宝となるでしょう」

 大統領が言う。

「他の美術、工芸品は国に引き取って頂きたい」

 柴田が重ねて言う。

「分かりました」と、大臣が言う。

「お願いがあります」

 柴田は大統領を見た。

「何でも」

 大統領が応える。

「この像は、ここに安置するべきものですが、これを知る異邦人がいます」

「それは」大統領が聞く。

「戦時、これらを略奪した将校だと思われます。ここに運び込むに際し、ダミーを使いました。その時、私兵が、私達の前に現れました。とりあえず、私達ができるのはここまでです。近くに小屋があります。そこに、監視の兵を常駐して頂きたい。それが誰なのかは調べてみます。大統領におかれましては、アメリカ政府に内密にコンタクトをとっては如何かと思います」

 大統領は思案し、答えた。

「ありがとう。その様にいたしましょう」


 日が暮れ。太鼓の音が響く。盆踊り、その輪には大統領や柴田たちがいた。


 ホテルに戻り、サッコは受話器を取る。相手は、フランスに戻り、若くして将校となったギョーマンである。


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