29/61
28 二人
サッコとミキが並んで歩いている。明日は、日本に帰る。ホーチミン市の雑踏は日が暮れ、人が多い。小さな店が並び、観光客であろう、異国人も多く二人も馴染んでいる。呼び込みに誘われ、飲食店の店先のテーブルに座る。
「浅草のようね」
ミキが笑いながら言う。
「帰ったら行ってみよう」
「柴田さんはどうするつもりなのかしら」
「僕には分からない。でも楽しい事になると思う。シバタは、過ちがあれば、直ぐに止める。」
「柴田さんは、何故、今の会社に?」
「聞いた事はないし、聞く気もないよ。多分、シバタもはぐらかすだろうね」




