表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

真面目仮面歴史シリーズ

最初の将軍と最後の将軍との出会い《鎌倉だけは執権です》

時は、1333年…。


鎌倉はまさに火に包まれようとしていた。


「ついに鎌倉にまで敵が攻め寄せたか…。

源頼朝公以来、約140年余りにわたり続いてきた、鎌倉幕府も灰塵(はいじん)に帰するか…。」


1192【いい国】造ろう、鎌倉幕府、その一番最後の語呂合わせが、

1333【一味散々】鎌倉幕府滅亡という、これは歴史の教訓、このようにして滅びていった歴代の大帝国は数知れず。


歴史上の大帝国のみならず、学校なら廃校、会社なら倒産、廃業、といった具合に。


時代を代表する某アイドルグループなども、また然りか。これに当てはまるか。


その様子を目の当たりにし、今まさに自害しようとしていたのは、鎌倉幕府第14代執権、北条高時。


こんな鎌倉末期という時代に生まれついたばかりに、執権としての力量を発揮できないまま、

足利尊氏や新田義貞、楠木正成らの軍勢に攻められ、打ち続く敗戦、そして鎌倉もついに陥落の時を迎えようとしていた。


介錯(かいしゃく)を、頼む。」


側にいた兵士に介錯(かいしゃく)を依頼した高時。


そして、高時は腹を切り、自害して果てた。


まもなく、家来の兵たちや、城内にいた者たちも次々と後を追って自害する。


まもなく、鎌倉幕府は火に包まれる。


こうして、源頼朝以来続いた鎌倉幕府はついに滅亡する。




「ここは、どこだ…?

ここは死の国か…。」


高時は見たことのない場所をさまよっていた。


見たところ、やはりここは死の国なのか、頭の中によぎる。


高時はあてもなくさまよう。歩いても、歩いても、どこまでもえんえんと同じような場所が続くだけ。


そこに、人影が見えた。


「誰じゃ!?拙者は鎌倉幕府14代執権、北条高時なるぞ!」


どこかで見たことあるような、無いような…。


「我は、源頼朝なり。」


「頼朝公じゃと!?そなたはまこと、頼朝公なのか!?」


「さよう、頼朝じゃ。」


人影は頼朝と名乗り、高時のもとへと歩み寄る。


「おおおおお…!その神々しいお姿は、間違いなく、源頼朝公!」


これが、鎌倉幕府の開祖、源頼朝と、14代執権の北条高時との、この世では実現不可能な両者の出会いの時だった。


「申し訳ございません!

頼朝公が平家を滅ぼした後に築き上げた鎌倉幕府を、

この高時の代にて、みすみす滅ぼしてしまうなどとは、

全てはこの高時の力量不足によるもの…。」


これに対して頼朝は、


「いやいや、そなたはこれまで、よくやってくれた。

最初のうちは本当に、いい国をつくろうと考えていたのじゃ。

それがな、いつの間にやら北条得宗家(ほうじょうとくそうけ)の独断専行になってしまった。

そして、打ち続く権力争いと殺し合い。

5代執権の時頼(ときより)以降、まともに長生きしたのは7代執権の政村(まさむら)だけ。

あとは軒並み、30代から40代という薄命で命を落としている。

こうした歴代の執権たちの寿命の短さが、ひいては幕府そのものの寿命を縮めてしまったともいえる。」


頼朝の話をえんえんと聞いていた高時だったが、高時は頼朝とこのような形で出会えたということに感激していた。


「頼朝公に、このような形で出会えるとは。

今度は、平家との戦いに打ち勝った時のことや、鎌倉幕府成立の頃の話などを、聞きたいものですな。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ