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スライム

「ネリー飽きたよー」

『じゃあさエルザは突くも見たいと言ってたでしょ?突くもやろう』


 ネリーの助言に僕もなるほどエルザさんそんな事言ってたなと思い出して突くをやってみた。


「ネリー上手く行かないよー」

『スライムってさ突く練習には合ってないよね…』

「自分で言っておいてー」

『あのさケンジ適当すぎるんだよ。もうちょっと意識して当てるように狙えばネリーなら大丈夫だよ』

「自画自賛…」

『ああもうグダグダ言ってないでさっさとやる』


 まあ、確かに適当だった。だって突き始めてなんだから良く分からないもんな。ネリーに言われたように狙いを定めて突き刺したらゼリーの中にぐぞって綺麗に剣がすっこんでスライムを倒した。


「いえーい」

『悪いけど、これも普通のアリガチな剣なら多分一撃必殺にはなってないと思うよ』

「それさ何が違うのかな?」

『違うのは分かるんだけど。ただ違うだけで具体的には分からないんだよね。たださこれ忘れないで欲しいんだよ。ケンジはネリーと一緒じゃなきゃボンクラ剣士だからね』

「でも上手くなってるよ?」

『1.0より1.1の方が大きいでしょ。ケンジの成長ってこれぐらい。それに対してネリーとケンジの二人のもたらす結果はカケル10ぐらいだと思えば良いよ。ケンジ一人なら0.1しか成長しなくても私達二人なら1成長する結果を出せる』

「実際スライムを倒す事と比較するとさっぱり分からないけど、なんとなく僕の力だけだとショーモナイのは分かった…」


 突くの練習をして僕らは帰った。


「エルザさんテスト明日で良いですよ。多分スライム退治ならもう剣を使いこなせていると思います」

「じゃ早速明日ね」


 うーん僕は違和感もあった。3日と言ったのはエルザさんなのに当たり前の様にテスト短縮を受け入れてくれた。もうちょっと練習したほうが良かったか?もっと何かアドバイスがあると思ってた。突然の変更にこうも当たり前の様に対応されるとプレッシャーがかかる。


 次の日僕らはスライムの生息地に向かった。

「じゃ始めるね」


 僕は試してみたいことがあったのでやってみた。ついてすぐに切ってしまうコンビネーションをやりたかった。3日後のテストを1日にしたのだから大きく変わったのをアピールしたかった。ついて切る。さらっと出来てしまった。それより、何か昨日よりまた凄くなってないか?


「驚いたな。本当にケンジ君剣なんて扱った事無いの?」

「無いですよ。ただスライム簡単すぎやしませんか?」

「なるほどね、ならスライム退治の依頼受けてもらおうかな」

「任せてください」


 マジでこれでお金もらえるの?この世界ちょろいぞ。僕はなんとなく日本で仕事していた記憶がある。おそらく今の年齢(エルザさんによると15歳前後)と同一じゃない。いくら間の記憶が無いと言っても大人だった自分の記憶があるなら若返ってると分かる。大人の視点からちょっとこの仕事良く分からないと思っていた。


 僕はギルドの依頼を受けてスライム討伐に向かった。ただスライム討伐が何故依頼としてあるのか?の一端は分かった。スライムは野生に生息する分には避けていれば特に危険は無い。問題は農作物などを食う害獣として扱われてる。今回それを討伐に行く事になった。


「ネリー害獣だとは分かったけどさ、こんなの農家の人でも倒せない?家庭に普通にアル刃物でもこれ倒せると思うんだよね」

『私も特にモンスターについて詳しいわけじゃないからね分からないよ。私は剣術を教えられるけどモンスター個別の倒し方はその場で見てアドバイスする事ぐらいしか出来ない。あくまで基本的な剣術指南しか出来ない』


 いやー、スライム馬鹿にしてた…。最初は楽勝だったんだ。あいつら良く分からないけどうようよと寄ってくる。もし最初の頃の叩くレベルで時間をかけていたら何かしらの怪我をした可能性が高い。スライム一匹は間違いなく全然大したことが無いモンスターだと思う。しかし集団になるとこれは素人ではちょっと危険のある生物だと思う。


「マスター、一言ぐらいあっても良かったんじゃないですか…。僕剣を使ってまだ数日ですよ。スライムの集団やばいじゃないですか」

「まあ結果オーライ。びっくりしたでしょ。スライムはさどうやって連携取ってるか?さっぱり謎だけど何か近くにいるとうようよ寄ってくるのよね。ああなったら大変なんだよね。でもさケンジ君舐めたでしょ?」

「え何故分かるんですか?」

「行く前と行った後で全然態度違うから。舐めてるのは分かってたけど驚かせようと敢えて言わなかった。最初に選んだ森はあんまりスライム居ないのよね。特に害も無いからああいう場所は探せばアルのよ。でも万が一集まって敵になったら意外とこれが危険なモンスターなんだよね。でもねそれでもケンジ君なら楽勝だと思ってた」

「何故?」

「それが適正者なんだよね。普通の汎用剣ではまず無いけど稀にあるのよね、全く性能の変わらない剣でも適正者なら何割かいろいろアップするんだよ。しかもそれ特別な剣だからね」

「これ何が凄いんですか?」

「いや実は私も分からない…。伝説とあるけど、実際どう凄いか?誰も知らないのよ。すごいのは分かる。でも良くある汎用剣の適正者が使うものとそんなに変わらない」


 無事に依頼をこなせたけど、何かすごいのは分かる。でもこの剣伝説の剣ってほどか?とは思うんだけど…。

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