ダンジョン再び
余計な事を言わないようにさっさと出て行った。なんとなく鉱石集めは秘密にしたかった。この国での生活手段がこれしかなかったので当面は独占したかった。
ダンジョンの攻略は容易で、僕はその次を見据えていた。退治屋から離れて時間が取れるようになったのでこの辺りを根城に生まれた壇上をすぐ攻略するのを繰り返してたんまり鉱石ととってニナに近い街に戻った。もう鍛冶屋の主人(梶祐二)とはかなり話してて慣れた関係になっていた。
「梶さん、どうこれ?」
たんまり取ってきた鉱石を見せた。
「太郎こりゃちょっと使いきれんよ」
「うんそれは分かってるんだよ。サウスランドはこの町だけで刀を作ってるの?」
「もちろん他にもある」
「梶さんのツテでそういう人にこれさばいてきてくれない?僕じゃまるでそのあたり分からないから」
「出来ない事は無いが、この良さが分かってる鍛冶屋が少ないからな」
「でもさ今まで広がらなかったのは鉱石が少なかったからでしょ?良さが分かってる人がまたツテを使って広がっていけば国中に広まらないかな?」
「可能だと思うが」
「ほいじゃ僕また取ってくるから頼んだよ」
僕はしばらくしてまたどっぷりと鉱石を運んできた。
「あのな、まだ裁ききれないぞ」
「梶さん値崩れ起しても良いから投売りでも良いからさばいてよ。僕はそんなにお金要らないから。この鉱石の価値を知ってもらうための宣伝って名の先行投資だよ。実際使ってみないと絶対分からないからね」
しばらくして、分かってる鍛冶屋から広がっていきじわじわと浸透してすべて裁ききれた。やがて僕は梶さんに渡すペースを落としていった。元の値段には遠かったけど投売りの様な状態は止まった。実際僕は大量にストックしてて梶さんには小出しにしていた。他の事に使う時間が欲しかった。後は鍛冶屋ネットワークの確立。自分ひとりで動く事に限界を感じていたから。鍛冶屋ネットワークを作りたかったのは他にもある。普通の剣と変わらない、または劣る不良品がたまに出来るらしい。これを待っていた。梶さんに頼んで、これをネットワークを通じてそれなりの値段で僕のお金で買い取ってもらった。
「こんなもの普通の刀より高く買い取ってどうしようって言うんだい?」
「梶さんには話しておくよ。稀にね効果が無い刀が生まれるんだよ。そりゃ不良品じゃない。適正者の事は梶さん分かるかい?」
「いや詳しくは分からない」
「退治屋の田坂さんに刀を売ったのは梶さんだよね?」
「ああそうだあれは俺の作った最初のあの刀だ」
(なるほどだからこの国にはほとんど需要が無いし情報も無いのか)
「一度見せてもらうと良いよ。あの刀には特殊なマークがついてる。梶さんが作ったならそんなもの入れた覚えないと思うから。どうやって作ってるか?は逆に梶さんが詳しいと思うけどニナではああいう刀のマークがつく使い手を適正者と言うんだよ。分かりやすく言うと刀との相性。相手を選べば選ぶほどその刀は相性の良い相手が使った場合優れた剣である場合が多い。そういう刀は決まって適正者以外が使うと鉱石による効果が無いんだ」
マスターによる受け売りをそのまま話してた。
「でね、それを探さなくても売り込むアテがあるんだよ。ニナに売りに行こうと思ってる」
「お前さんじゃないかニナは禁止されたと話したのは」
「ニナのルールは2つに分かれてる。その片方に売りに行く。まさかこの国にこんな規模の刀製造があると思わないだろう。僕が無理矢理広げたからね。後はね、そのもう一つのニナとサウスランドの国境ってモンスターがうようよした魔境だからあんな所越えて刀を運ぶ商人が居ると思わないからね」
「太郎は大丈夫なのか?」
「これでも一応田坂さんに次ぐ退治屋のNO2だからね。任せておいてよ。なんとかルートを確立するから。後さ今回はニナとのルートを作るのが目的だからこんな強引な方法を取ったけど、この国でも適正者を探しても良いと思うよ。今した話他の人にも話してサウスランドの適正者に上手く使えない刀回るようにしてあげてよ」
ニナに向けた準備が始まった。一人で運ぶのは大変だけどこれは僕以外に出来ない。




