転機
「うーん、山田君どうなのかなと」
「何がですか?」
「心配しすぎだなとだって私の刀と似たようなものでしょ?」
「ああ僕も心配性だとは思います。ただこれ父の形見なんですよ」
「そうかそりゃ古いし大事だな。私壊れるなんて心配したことがなくてね。これってものすごく丈夫だよね」
「ニナの技術ですよね?」
「うん向こうから伝わったもので良く分かってない。自分の経験上ね。戦力低下よりさ、これ怪我ほとんどしないでしょ?」
「はい」
「だからね私は頼りきりになるからね。そうかいつか壊れるのかもしれないのか。年長者からのアドバイスと思っていたけど、その剣の方が年上なのか」
『まだ若いのに』
(ゴメン僕の嘘で…)
妄想父母の話がどんどん膨らんでいた。実はこれ他にも話が広がっていて、突っ込まれた時準備していたもので、マスターに聞いたけど、適正者って遺伝が大きいらしい。だから適正者の子供は適正者になりやすい。じゃ世の中適正者だらけになるじゃないか?実際これ壊れるって出鱈目じゃない。1代でってのは無いけど、やがては100、200年で壊れるらしい。それは戦いの中じゃない。寿命の様なものらしい。父が適正者であったか?は今は大事じゃない。ただ場合によってはそういう話も考えておいて損は無いと思っていた。
僕らの頑張りがやっと実ってきた。大雑把に状況がつかめてきた。上位ランカーと下位ランカーが何故争ったか?の原因がつかめた。上位ランカーのやりたかった事は、鉱石宝石の採掘探索の禁止した新しいシステムでのギルドの再編にあった。狙いはすぐに分かる。ランキングの固定化。だがこれに反対した上位ランカーも居るだろ?となる。だからその代表としてマーフィが殺されている。他にも反対した人間が殺されたんだろう。下位ほど反発が大きいので組織が真っ二つになったと言うわけだ。ここで遺伝の話が絡んできて、適正者の貴族化が狙いかと。ただもう下位ランカー組織との争いは終ってるらしい。採掘場が無くダンジョンも無い地域に封じ込めたから。禁止してしまったためもう壊れることもなければ逆に生まれることも無い。土地を固定化されたらどうにもならない鉱石資源の枯渇。
ギルドを破壊したわけじゃない。鉱石宝石を絡めた剣の作成を禁止しただけ。今までのように楽ではないが、いずれはモンスターの討伐は再開されるのだろう。
「ネリー現状はよく理解できた他に追加する事は無い?」
「敢えて言うなら、王国とランカーに軋轢が生まれてるぐらいかな。この辺りは確たる情報じゃ無いけどね」
「しかし変だなそれなら以前からそういう話があってもおかしくない」
「敢えてならで、ランク戦無くなって暇なんじゃない?」
「敢えてだよね。でもあるかもね…」
しかしこのネリーの一言案外出鱈目と言えない。そこまで楽しんでいたランク戦何故なくしてしまったのか?この辺りちょっと彼らのランキング固定化の動機に矛盾は残る。考えてみるといつでもこういう事態は起きるはずだった。それが起きなかったのはランク戦の方がランカーにとって楽しかったからだ。いずれまた情報を得てになる。
状況が分かった僕は動くことにした。将来的にモンスターが枯渇する。退治屋の仕事は減る。ただ僕は自分が首になるとは別に思ってない。ただ違う形で退治屋に関わろうと思った。刀鍛冶の人と話すとやはり事情を知ってるようだ。鉱石は基本ニナからの輸入でまかなってるらしい。刀を創る事まで伝わってるけど、ずっと輸入に頼ってきたため鉱石を採掘探索するシステムが全く出来てない。主人に話して買い取る約束を取り付けた。以前からこの国のダンジョンの噂を探ってきてネリーに実際調査に行ってもらってる。
徐々に退治屋の仕事が減ってきたため暇を貰って僕はダンジョンを攻略する事にした。特に変わり無い良くなれたダンジョンだった。僕は最近はランク戦ばかりだったけどこっちの方が得意分野。鉱石発見後ダンジョンは閉じてしまった。鉱石を売ってお金を得てしばらくは退治屋家業を続けていた。ここからが僕の本番だった。以前からマーフィだけが上手くやってる事が疑問だった。でもランク戦が始まって途中まで調べたことを放置して今に至っていた。マーフィは発見してるのじゃなくて、ダンジョンの法則をあるていどつかんでるじゃないか?と推測していた。ランダムだとしても一定の地域に出やすいのじゃないか?と見ていたんだ。
情報を集め確信したやはりこの地域にダンジョンは再び生まれる。田坂さんにモンスターが減っている原因をニナの事情を交えて話し臨時雇い扱いだった退治屋をやめる事にした。
「田坂さん今までお世話になりました」
「いつでもまた来てくれれば良いから」
「ちょっとしばらく町を離れます。ただいずれ戻ってきます。その時またお会いしましょう」




