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最初の練習

「おはようございますエルザさん」

「おはようケンジ。早速だけどスライム倒しに行くね。場所とか分からないでしょ案内するからついてきなさい」

「エルザさん仕事は良いのですか?」

「冒険者としてのテストでもあるからこれも仕事よ」


 僕らはスライムが出現する森に向かった。


「ほらあれ」


 エルザさんが指差した先にもにょもにょうごくゼリー状の生物が居た。なんと言うかとろい動きだ。


「エルザさん、あれ実は近づいたらひゃって驚くような速度でハイジャンプして襲ってくるとかありますか?」

「ナイナイ見たまんまのモンスターだよ。だから低級テスト用って言ってるじゃない。ど素人にそんなテストハードル高いって」


 思い切り舐めてかかって僕は倒しに行った。しかし…。


「エルザさんこれ意外に難しいじゃ無いですか」

「うんこれテストとしては最適なのよね。剣はさ突く、切る、叩く。この3つで大体攻撃になる。その大きな基本の使い方みたいからねスライムって最適なんだよね。これ切れないでしょ?」

「何か切ろうとするとふにょってすっきり切れません」

「その形状だとサーベルに近いからきちんと使えば切れると思う。ただね初心者が切るって難しいのよね」

「じゃどうやって倒すんですか?」

「剣を棒だと思って叩くのよ」


 ウドンの麺を切断するような感じかな?と理解した。切ると言うよりガツンと叩いて断絶する。


「はーはー…」

「遅いね」

「不合格ですか?」

「嫌、最初だからね。今回はね実はテストじゃない。実感してみて本番を迎えてほしいから。叩くじゃなくて切る、突くで倒してほしいのよ。3日上げるから。スライムで練習しておいて、本番はその時ね」

「3日って早く無いですか?」

「適正者なら余裕だと思う。できなきゃ見込みが無い。当分うちに泊まればいいからさ、駄目なら仕事探してあげるから」

(何か滅茶苦茶な理屈だな、適正者だからといわれても特に凄い事無いよ??)


 僕は次の日からスライム訓練になった。まずは叩いて動きを鈍らせてから切るの練習するかと戦ってると


『そうじゃないそうじゃない』

(へ?)

『それじゃ叩くと変わらないでしょ、すっと引くんだよ。包丁使った事あるでしょ?』


 最初は勘違いだと思ったけど、明らかに頭の中で女の子の声が聞こえる。


(誰?)

『私はネルフィム、ネリーで良いよ』

(いやネリーとか愛称いきなり言われても、そうじゃないんだけどな)

『でも誰と言われてちゃんと答えてるじゃない』

(テレパシー?遠くにいて心に語りかけてるとか)

『目の前に居るじゃない』

(どこ?)

『ケンジが手に握ってるでしょ』


 あ、もしかしてこれか?と僕は剣に目をやった。


『よそ見しない。エルザはきっと早く倒せって言いたいのよ。すっと引くようにね分かった?』


 良く分からないけど僕は言われるままにやってみた。


「おお」


 思わず声を上げた。ぷるんと真っ二つにゼリーが割れた。


「ネリー切れたよ」


 僕はつい喜びのあまり声に出していた。


『ね、すぐ終ったでしょ。ちなみに本当なら切れてないと思うよ』

「どういう事?」


 僕はもう独り言みたいにブツブツと剣と話してた。


『別に剣に顔近づけなくて良いから…、ネリーがさ他の剣とは違うからだよ。例えばだよただ早く走るって目的でままちゃりとロードなら後者の方があなたの身体能力とは別に早いでしょ?』

「僕の力じゃなくて剣がすごいから?」

『ケンジの力量が上達したのもあるけど、剣の基本性能の高さが大きい』


 何か違和感あるなと僕は感じていた。


「思うんだけど、ママチャリってこの世界でもあるの?」

『元々私もケンジと一緒に召喚されたんだけどさ』

「ああだからか」

『いや実は違う騙した』

「なんなのさ…」

『ごめんごめんからかってみた。それは私がケンジの頭の中と一部共有してるから日本の事知ってるからだよ。ちょっと話すとね、私はケンジをコーチするためにいるんだよ。その時意思疎通に不便があると困るでしょ?だから一部共有する事で話を円滑にするためなんだよ』

「すごいなこれ誰が作ったの?」

『そういうの無し』

「どういう事?」

『私だってそれは分からないよ。剣の専門家なんでしょエルザに聞いてみて』


 面白いように切れるのでスライムを探しては切るを繰り返していた。

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