バッティング
ダンジョンにもぐった。おいおいここからが仕事の本番。もうぐったりしていた。僕はなんとか情報量を回収するために必死になっていた。なんでこんな馬鹿な事に手を出したのか?それはすべてマーフィって存在がいるから。儲けてやつがいるなら真似すれば良い。しかも競争相手は少ない。儲かるに決まってる計画だった。マーフィまじ分からないよ。間違いなく僕はマーフィと違う良くないやり方をやってると思う。でももうそれをどうこうしたいと思わない。それよりこんな事やめておけばよかったと後悔ばかりだった。僕は重大なミスを犯したことに気がついた。依頼をこなす中で美味しい部分を見つけたんじゃないか?マーフィが最初からこれをやってると確定していたのか?多分違う。浅はかだった。気持を切り替えと言いつつも早く帰りたい気持ちで一杯だった。
最深部でもっと最悪な気持になった。バッティングだ…。なるほど、ギルマス直結の情報じゃないなら他にも情報が漏れていて当然。誰でも知ってる情報は得をし無い。幸い僕が先に手に入れたから僕の物だ。
「やあ竹中研二君。私はタジク・リーマン。君のすぐ下のランクなんだよ。よって私は君にランク戦を申し込むよ」
「拒否は出来ないんだよね」
「ああそれがルールだからね。うっかり君が死んでしまってもルールだからね。もちろん君が鉱石を私に渡してかつランクを負けを認めてランクを落としてくれればそんな事故はありえないのだけどね」
『ケンジどうする?』
ネリーが話しかけてきた。僕の決意を確認するためだろう。
(僕は強いんだよね?)
『ネルフィムとケンジなら下位のランクに負けるなんて無いと思うよ』
「敗北は認めない、ランク戦受けるよ。でもこれどうやって勝敗が分かるの?」
「私の剣を奪ってギルドに渡せば良い。逆に君の剣を奪って私がギルドに渡せばどちらか一方の負けが成立する。もちろんどちらかが生きていれば剣は返却されるがね。急成長を遂げてるからどんな相手かと思っていたら、そんな事も知らないのか」
タジクは薄ら笑いを浮かべて明らかに僕を馬鹿にしていた。そうだ僕は確かにランク戦をやった事が無い。明らかに初心者である事を舐められている。僕は取りあえず相手の出方を見た。ネリーの助言が無くてもこのランクの相手に僕が負けると自分でも全く思ってなかった。不味いのはありえないと罠の様なはめられ方をする事だ。大体相手の攻撃が分かってきた。間合いを取った風使い。なんてショボイ攻撃だ。突き出した剣から出る小さな風刀を受けても傷一つか無い。僕は思わず表情に出して笑ってしまった。だって、こんな事をしてくる相手がこの程度だなんて…。
面倒になって距離をつめよう思い切りぶつけてやろるとしたその時、シュッと一振り剣を振り下ろしてきた。とっさに僕は剣を盾にしたが僕の両腕にはその風による傷がつき血が滲んだ。僕の表情から笑みが消えると同時にタジクが逆に笑みを浮かべた。
「馬鹿にされた気がするのですが気のせいですかね」
(ネリーどうしよう?防ぎきれない)
『その程度の傷なら大丈夫大丈夫、そうかケンジって今まで楽勝過ぎて傷を受けたことが無いんだね』
(ドラゴンの炎だって防ぐんだよ何故?)
『ずっとあんなのを食らったら不味いけど、あれ多分すごくしょぼいよ。しばらくすればそれが分かるから』
ほんの数秒僕は落ち着くために距離をとって相手を伺っていた。
(あれれ?傷がふさがってる)
『それが新しい効果自動回復かな。あれこけおどし。まるで致命傷の様な攻撃じゃないから一瞬で回復できる。裏を返せば攻撃力の低さは防御力の低さ。ガツンとやってしまえば良いよ』
僕は力の加減と言うものが分からなかった。殺してしまったら後味悪いなと思い始めていた。今まで思わなかったのは相手が多分これ弱すぎるぞって知らなかったから。だって初めて傷を受けたから。おそらくだけど傷をつけるのに特化した精神的な攻撃が目的と出血多量による衰弱が目的かと思われる。今僕も初めてしった新しい効果だけど、ものすごく僕って相性が悪いと思う。それが分かるとなんだこいつやべーな殺してしまうかも?って余裕が生まれてしまった。ただ始めて傷を付けられて頭にきていた。それでも、まあ調整してみるかと、炎と爆裂を使い分けて、炎で攻撃してみた。相手が無傷だった。
「あはは、どれほどの物かと思ったら。運が良くてラッキーダンジョンでも当たりましたか」
(まったく言ってくれるよ。このダンジョン僕が大半倒したからそう見えるだろうけどね)
殺さずにすむかなと?と分かったので思い切り爆裂を最大火力でぶつけてやった。ただ相手の反撃が嫌なのでゼロ距離攻撃はやめておいた。たいした事無いのは分かるけど、自分の血を見るのは嫌なんだ。ゴツンと後ろの壁に当たってうなだれた。防御が効いてるのかな?一応燃えつきる事は無かった。どうやたら死んでは無いようだ。都合よく剣が落ちていたので拾って魔方陣に入った。




