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剣の召喚

 目が覚めるとそこは鍛冶屋だった。


「目覚めたかい?」


 目の前には女が自分を見下ろしていた。


「始めまして、鍛冶屋のエルザ・マイスターです」


 僕はややこしい状況になってるのが分かった。眠りに付き朝目覚めたそういう状況じゃない。目が覚めたら全く見覚えの無い場所に居た。これってかなりやばい状況なんじゃないか?僕は咄嗟に彼女と距離をとった。


「怖がらないでー、私も何が起きたかさっぱり分からないの」

(参ったなそれはこっちの台詞だよ)


「私も困惑してるけど、まずはあなたを落ち着かせるのが先だね。私はあなたが何故ここに居るのか?がさっぱり分からないだけで今やってる事自体は理解してる。剣の召喚の儀式を行ってて何故かあなたも召喚された。だから私は不測の事態に驚いてるの」


 そういって彼女は召喚された剣を見せた。細かく見ようと柄の部分を握ってみると突然剣が光だし変な模様が現れた。


「適正者!ああ、そういう事か」

(一人納得しないで説明してよー)


「あなた誰?」

(今更だな…)


「竹中研二です」

「変な名前ね」

「いきなり失礼ですね」

「ああゴメンゴメンこの辺りじゃ聞かない感じの名前だったから。大体分かってきた。あなた多分この世界の人じゃないのよ」

「ええーー」

(どういう事だ??)


 ケンジはこの世界の人じゃないと言われた事で、自分が生まれ育った世界の記憶が別世界なんだと分かった。


「いや困ったな聞いてないよーって話だよね。私は最高の剣、理想の剣、そういったものを作る参考になるかな?と伝説の剣の言い伝えにあった召喚儀式をしただけなの。欲しかったのは剣なんだよね。私鍛冶屋なのよ。良い剣を作るためのモデルとして騙されたと思ってやってみるか?って軽い気持で召喚の儀式しただけなのよね。迷惑だったかな?」

「うーんなんとも言えないです。僕どうも記憶が途切れていて確かに日本って別世界に居たのですが、迷惑だとはっきり言える様な暮らしじゃなかったです。ただだからって嬉しいか?と言うとそうでもない。だって唐突だし僕が選んだ事でもないんですよね」

「伝説の剣に適正者か。オマケなんだけどケンジ君も拾い物だな。うちで働いてみる気無い?」

「鍛冶屋さん?」

「そうか何も知らないんだね。うちはね冒険者ギルドって言って剣の腕の立つ使い手向けの様々な仕事も引き受けてる」


 違う職業の店が1つの店になっている。日本に居た時の記憶で多少特殊だなと僕は感じた。


「住んでいた世界の常識として違和感があるのですが、2つの仕事別の2つの店って僕の世界で多かったと思います。もちろん例外はいくらでもあります。でもその場合意味がありました。何か意味があるのですか?」


 僕はこの世界、日本それを意識して意見するのが、取りあえずの今一番言いたい事になってる。他に考えないといけないけど、それがテンポ良く思いつかないのでどうでも良い事を聞いてしまっていた。


「それはこの世界でも似てると思うよ。ケンジ君の言うとおり意味があるんだよ。冒険者として荒事に関わる事が多いんだけど、その時重要になるのは剣士としての力量だからかな。剣を売るのと冒険者の力量を売るのがほぼ同義と言えるからね」

(なるほど)


「でね、ここからが本題。適正者ってその剣の力を誰よりも高く引き出す使い手なの。で、その剣が伝説の剣でしょ?これは拾いものじゃない?と思ったわけなのよ。どう?」

「僕すごい剣の使い手なんですか?」

「可能性は大あり」

「僕全くのど素人ですよ?」

「そっか、ならしばらく置いてあげるから低級モンスターの戦闘で自分の力量を知るのはどう?」

「そうですね。ちなみに不合格だった場合どうなるんですか?」

「はっきり言って私には責任ないと思うんだけど、それでも面倒見なくちゃ駄目かなと思うのよね。駄目でも何か探してあげるか使ってあげるから」

「じゃあやってみます」


 夜遅かったのでその日は、店に止めてもらって次の日低級モンスター討伐に行く事にした。

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