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ショウキャクロケット事件 その1

今回は個性的な新キャラが登場します。

エセタバコ事件から一週間が経ったが探偵部には依頼が来ていなかった。ここ最近放課後は部室の畳でゴロゴロしている始末だ。

「ふァ~。暇だなァ。」

ヒダがあくびをしながら言った。

「しょうがねえよ。この前の事件は生徒会長にもみ消されたからな。おれ達の知名度はほとんど上がってないのが現実だな。」

「二人ともそんなに暗くならないでっ!ほらあたしの服の…。」

「スーパーボール!」

ヒダとカイジが同時に先読みした。

「残念でした~。今回はポップコーンもスカートの裏につけてま~す☆」

「なんか俺たちの服の基準もマヒしてきてないかァ。」

「確かに。」

「じゃァ、今日は俺が気になるモンを調べる日っつ~ことで焼却炉を調べてみねェか?」

「いきなりだな。そういや、入学式のときに気になるって言ってたな。」

「え~。あたしあーゆーボロいモノ興味ないから今日はパス。」

そう言ってコマチは部室を出て行ってしまった。

「まァ、今日は俺たちの服の基準を直すためにもコマチには消えてもらおう。」

「消えてもらおうって…。」

二人は早速焼却炉がある校庭へ繰り出した。

「冬服暑くなってきたなァ。ボタンをドライアイスにしたら涼しくなるかなァ。」

「ヒダ!コマチがいなくてもマヒしてるぞ!」

そうこう言っているうちに焼却炉の前まで来た。

「お~。昭和三十年代製だぞ。だいぶ古いな。」

「カイジ、おめェこないだは「じじくせ。」とか言ってたくせに惚れ込んでじゃあねェか。」

「いや。鉄のさびれた感じが古い車両(特に国鉄型)を彷彿とさせて見入っちゃったぜ。」

「楽しみ方はちげェが共感できたな。」

二人の間に奇妙な友情が生まれた。

そのころコマチは図書室へ向かっていた。

「やっぱり部活に女子一人はキツイときもあるのよね~。ま、図書室で洋服デザインの本でも読んでゆっくりしよっかな。」

その時、コマチは誰かと肩がぶつかった。

「あら、ごめんなさい。あ、あなた、うちのクラスの土浦つちうらくんよね。」

「ああ。僕が土浦つちうらヒタチである確率は100%だ。そして君が独り言を言っていなければ僕との衝突を回避できた確率は98.7%だ。」

「はあ。」

(この子メンディー!ヒダとは絶対気が合わないわ。確か自己紹介の時も「僕は土浦ヒタチである確率は100%だ。好きな教科は理科と数学である確率は120%なんでよろしく。」とか言ってたっけ)

「じゃあ僕は用事がある確率は100%なんで。」

「はあ。」

ヒタチは自分の特製腕時計の数値を見ながら校庭へ向かった。

「よし、太陽光エネルギー95%。今なら成功する確率は99.9%だ。アレが誰にも見つかってないといいが…。」

そのころ焼却炉前。

「おい、カイジィ。この赤いボタン何だァ?妙に新しくねェか?」

「火が付くんじゃないか?あんま触んない方がいいと思うぜ。」

「いや、気になるッ。」

そう言ってヒダは赤いボタンを押した。すると、

「ゴゴゴゴゴゴゴ」

「何だァ!?この振動は!」

「ゴォーーー」

「火が付くっていうか火を噴いたぞ!」

「ゴォー…。」

焼却炉は空の彼方に飛んで行ってしまった。

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