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ハイキョガール事件 その1

今回は僕が好きな廃墟の話です。僕は1930年代くらいの歴史ある廃墟が好きですが、バブル景気に作り出して途中でバブルがはじけて破綻したって感じの廃墟も調子乗ってた感が虚しくて良いです。

探偵部ができて一ヶ月が経った。土浦ヒタチや弘前ツガルはたまに部室に遊びに来るがこれといった事件は起こらずヒダは退屈し始めていた。運動部ではないので土日に試合などがあるわけでもない。なのでコマチの服の製作を手伝うことが最近の探偵部の仕事になっていた。

「ふァ~あ。学校メンディ~。」

ある日の朝、ヒダはあくびをしながら家から出た。すると家の前にクラス長の松本アズサが立っていた。

「おはよ。」

アズサはぶっきらぼうに言ったが何か言いたげな顔だった。

「おいおい、珍しいなァ。お前が俺を待つなんてよォ。」

「フン。」

アズサと保育園からの付き合いのヒダは彼女の異変を察した。

「…お前、何か隠してるだろ。」

「まあ、無いことはないわよ。」

「チッ。お前やっぱ素直じゃねェなァ。昔から一人で何か背負しょい込みやがって…。」

「そんなこといいから、あんた探偵部でしょ。ちょっと調べてほしいことがあるんだけど。」

「まァ、最近退屈してたからなァ。おもしろい話なら乗るぜ。で、何だ?」

「実は…。」

その日の昼休み、ヒダはカイジとコマチを部室に招集した。

「今日は帰りに近所の廃墟に行こうと思う。」

「どうした、急に。何か目的があるのか?」

「そうよ、今日は帰りにうちに寄って制服№3の電飾の最終チェックをするはずだったじゃない。またヒダの古いもの好きに付き合いたくないわ。」

「いや、今回は俺の私利私欲のためじゃあない。うちのクラス長からの依頼なんだよ。」

それを聞いたカイジとコマチはニヤけた。

「幼馴染の松本さんからの依頼はヒダの私利私欲じゃないのか?」

「カイジ、どういう意味だ?」

「ヒダはアズサちゃんのためなら頑張っちゃうってことよ。」

ヒダは少しムキになって反論した。

「そんなんじゃねェ。ただあいつは昔から自分がリーダーとかクラス長だからっつって何でも一人で背負しょい込むクセがあるからなァ。今回は俺たちの分まで仕事しやがるからあいつがオーバーヒートしちまいそうだったんで手伝ってやるだけだ。」

「言い訳長っ。」

「相変わらず素直じゃないわね、ヒダは。」

「フン。」

そうして三人は汐留中学校の学区のはずれにあるという廃墟に向かった。

「おい、ヒダ。何か足取りが遅いけど道に迷ったんじゃないかい?」

「違ェよ。女の足取りは遅ェっつーことだよ。」

「ちょっと、ヒダっ!今のは聞き捨てならないわね。いくらあたしの制服の装備が5㎏あろうとそこまで言うことないでしょっ!」

「お前ェじゃねェよ。(服5㎏でよくふつうに歩けてんなァ)あっちの子だ。」

ヒダが指差す先には汐留中学校の制服を着た女の子が一人ポツンと歩いている。

「あの子ってうちのクラスの天王寺てんのうじハルカちゃんじゃない。」

「シッ!俺はあいつを尾行してんだ。気づかれるだろ。」

「ちょ、どういうことよ。ストーカーじゃない。」

「いいや。探偵がやる尾行調査ってやつさ。ほら、目的地に着いたぜェ。」

天王寺ハルカはkeep out(立ち入り禁止)の看板を横目に洋館風の廃墟の中に入って行った。

「アズサ、お前ェの読みは当たってたぜェ。」

ちなみにこの廃墟は戦前から残ってるタイプじゃなくバブルの時に調子乗って作って途中で破綻したタイプです。

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