ショウキャクロケット事件 その3
王將モリオです。
実はこの探偵部シリーズ以外に別の鉄道旅シリーズの「レールウェイボーイズ」も書き始めたのでよかったらそちらも見ていただけるとありがたいです。
ではショウキャクロケット事件完結編をどうぞ。
「ちょっと待ってください。」
その時、校舎から誰か走ってきた。
「その子たちは悪くないです。ちょっと運が悪かっただけです。」
「生徒会長ッ!」
ヒダは感激した。
「あァ、生徒会長様ァ。こないだは別れちまえなんて言って申し訳ごぜェません。どうかこの場をお助けくだせェ。」
(ヒダ媚び過ぎだろ。)
とカイジは思ったが自分たちが助かりそうなのでホッとした。
「何でもしますからァ。」
「本当に何でもするの?」
「はい。もちろんでごぜェます。」
「だが断る。」
「何ィ!」
「冗談よ。冗談。」
「会長~!びっくりさせないで下さいよォ。」
「ごめんごめん。一回やってみたかったのよ。「だが断る。」。」
「オイオイオイ!君たち、その茶番はなんだ!つまんない確率100%だぞ。」
「オイオイオイィ~!生徒会長様に向かって「君たち」はないだろ!」
「オイオイオイ!元はと言えば君が「サンダーバード」を発射させたのが…。」
「オイオイオイィ~!「サンダーバード」っつ~ロケットなのかよ。……ダサいねェ~。」
「オイオイオイ!ダサいとはなんだ~~~!」
「二人ともオイオイうるさいわよ。校長先生。どうすればいいでしょうか?」
「そうだな。じゃあ木曽川君たちの探偵部が次の発射まで彼のアシスタントになるっていうのはどうだろうか?」
「まァ、それならいいですけど。」
「フン、しょうがない確率は100%だな。」
こうして一週間後のロケット打ち上げまでにロケットの修理と準備をすることが探偵部の最優先事項になった。コマチは何も知らなかったので最初は怒ったがヒタチが
「装飾の部分は君に100%任せる。」
と言ったため喜んで参加した。
そして一週間が経った。
「よし、ヒタチ。ついに完成したな。」
「ああ。君たちが手伝ってくれたおかげの確率は100%だ。」
二人は仲良くなっていた。ロケットも前よりロケットらしくなっており焼却炉から改造したとは思えない出来になっていた。
「装飾もあたし好みになったし。」
装飾は完全にコマチワールドになっていたがヒタチの言った重量を守ったのでちゃんと飛ぶはずだ。
「よし、今度こそ宇宙へ100%行くんだ。」
「おゥ。」
「ゴゴゴゴゴゴゴ」
ジェットエンジンから火を噴き空へ飛んで行く。
「ぱんぱんぱん」
「あ~。あたしが付けたとうもろこしがポップコーンになっちゃってる。」
ロケットは白いポップコーンをまき散らしながら空へ消えて行った。
「あ~。行っちまったな。」
「あァ。宇宙でも元気でやれよ。…ところでヒタチ。このロケットって何のためのロケットなんだ?」
「え!?君たち何も知らずにロケットを作ったのか?」
「あァ。」
「このロケットはこの汐留市を調べるために作ったんだ。」
「へ?どういうこった?」
「この町には不思議な力があるようなんだ。それを調べるためにこのロケットを打ったのさ。衛星になって宇宙から観察できるようにね。」
「それは…とても…気になる!だがちょっとスケールが大きすぎて俺向きじゃあねェや。俺らは汐留中学探偵部。今は中学校の中だけで我慢しよう。」
「そうか。じゃあ次はもっと身近なことを依頼する確率は100%だ。」
「じゃあ、いつでも待ってるぜェ!」
ヒダは不敵な笑みで言った。




