表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

始まり

クリミナルアイランド~デザイヤ


日本は自由な国である。だからといってすべての事が許されるわけではない、自由が過ぎれば法律で裁かれたり、警察が動いたりする、そんなのは当たり前だ。

だがそんな当たり前はここにはない警察官はおろか、法律もない。

完全なる無法地帯である。だからここではなにをしても許される。

何をしても捕まる事はない。

だからといって命の保証はない、この島から生き残り脱出出来るかの話である。



1、始まり


私の名前は小清水綾年齢は17歳高校生。数日前に交事故で両親を亡くした。私は親戚や友達がいないので葬式には学校の先生と近所のおばさんしか来なかった。


葬式が終わってすぐに黒いスーツを着た男3人に車に乗せられて市役所に連れて行かれた。

市役所に着くと3人の男に案内され「政府特例孤児保護科」という部屋に入った。


部屋に入るとそこわまるで警察官が犯人に話を聞くための尋問室と同じような作りだった、一人の男と向き合うように机を挟んでイスに座った。男のは何故かひょっとこの仮面を付けていた。きっとなにか理由があるのだと思い聞かない事にした。

(男)

「君は強い子だね。両親が死んだばかりなのに涙1つ流さないなんて。」

男は不思議そうに聞いてきた。

(綾)

「いえそんな事ないです、というよりあまりにも突然すぎて。」

(男)

「そうか、そうか、君ならきっと大丈夫だろう。」

(綾)

「はい、」

(男)

「さて本題に入ろう君には身内がいない事が調べでわかっているので我々が身柄を確保する事になった。わかったかな。」

(綾)

「はぁ、」

私にはどこかの施設に送られるのだろうと思っていた。

(男)

「明日までに大丈夫な物や衣類鞄1つにまとめてここに昼の12時頃に来てくれ。」

(綾)

「わかりました。」

ずいぶん急な話だと思ったが、この人たちに迷惑を掛けてはいけないと思い今はとりあえず従う事にした。その私は家に帰りすぐに荷作りを初めた。


鞄には、家族写真、衣類や下着、スマホの充電器、小説などを、入れた。

(綾)

「これくらいかなー。」

私はもう疲れたのでそのまま布団に入り眠りに落ちた。


「ピピピッピピピッ」

「ピピピッピピピッ」

眠い目を擦りながら目覚まし時計に手を伸ばした。

「カチ」

(綾)

「、、ふぁぁー、眠い、」

「ガチャ」

不意に部屋の扉が開いて母が入ってきた。

(母)

「あらお早うもう起きてたのね、早く着替えなさい。朝ご飯は出来てるから。」

(綾)

「お早う、、でもまだ眠いよーおやすみ。」

「バサッ」

(母)

「は・や・く・起きなさーい!」

(綾)

「うぅぅー、はーい、、」

私は重い身体を起こし着替えを始めた。

(綾)

「今日は家族で遊園地に行くんだっけ?週末だから混んでそー。」

着替えが終わりリビングに下りていった。

(父)

「おう、起きたかお早う朝ご飯出来てるぞ。」

父はイスに座りながら右手に新聞、左手にマグカップといつものスタイルだった。

(綾)

「お早う、、ふぁぁ、」

(父)

「なんだ綾そんなにおもいっきり眠そうな顔は。」

(綾)

「なんか寝付けが悪くて、、ふぁぁ、、。」

私はイスに座りテーブルに目を向けた、テーブルには、トーストに目玉焼き、サラダに牛乳、母が栄養バランスを気にして作っているだけあってとても彩りがよかった。

(綾)

「いただきます。」

トーストにかじりついた。「サクッ」っといういい音がリビングに鳴り響いた。

(父)

「綾はいつもおいしそうな音出してトースト食べるなー」

(綾)

「そう?普通に食べてるだけだけど。」

目玉焼きとサラダを交互に食べ、牛乳を一気飲みした。

(綾)

「ご馳走さま。」

(父)

「お、食べ終わったか、30分後位には出発するからなー。」

(綾)

「はーい、」

私は髪の毛を整えるために洗面所に向かった。

洗面所には先に母がいた。(母)

「あら綾、朝ご飯はたべたみたいね。おいしかった?お母さんは髪終わったから使っていいわよ。」

(綾)

「ありがとう。朝ご飯おいしかったよ。」

(母)

「ならよかったわ!」

そのまま母は洗面所から出ていった。

髪に寝癖直しのスプレーを頭に掛けてドライヤーでとかした。

(綾)

「よし出来た。」

リビングに行くと父と母が待っていた。

(父)

「準備出来たみたいだな、よし行こうか。」

(綾)

「はーい」

家族みんなで玄関をでた。車に乗り込んだ

(父)

「なんか忘れてないか?」

(母)

「無いでしょー?」

二人は二列目の席を見て、(父、母)

「あ、」

車の外では綾が茹で蛸のように顔を真っ赤にして車のドアの前にたっていた。

(綾)

「ひっどーい、なんで私がのってないのに出発しようとしてるのよー!」

父はドアを開けた。

(父)

「ごめんごめん」

(母)

「ごめんねー」

私は車に乗り込んだ走り出してしばらくしても私はムスッとした顔で外の景色を眺めていた。

(父)

「そんなに怒るなってー」

(綾)

「別に怒ってないしー」

(母)

「怒ってるじないのー」

(綾)

「ふんっ」

こうなってしまっては手のつけようがない、自然と治まるまで待つしかない。

国道の十字路の先頭で信号待ちをしていた時に父が口を開いた。

(父)

「綾知ってるか?」

(綾)

「何が」

私はまだ少し不機嫌だった、母は父の話に耳を傾けていた。

(父)

「実はな今日父さんと母さんが始めて出会った日なんだ。父さんはその時はセールスマンやってたんだよ、真夏日の中重い荷物を持ちながらいくつもの家を回り続けていたんだ。そんな時に父さん熱中症で倒れちまってな。そんときに通りすがった母さんが助けて救急車を呼んでくれたんだよ。」

(母)

「懐かしいわねー私もビックリしたのよいきなり倒れるんだもの。それにあんな真夏日に水分も取らずに歩いていたら熱中症にだってなるわよー、でもそんな仕事熱心な所に惹かれたのよねー♪」

(綾)

「そんな事があったんだー。」

(父)

「話の続きはまだあって父さんが入院中母さんは毎日お見舞いに来てくれてたんだ、来てもらって色々と話すうちに母さんの事が好きになっていったんだよ。それで退院する日に母さんにプロポーズしたんだよ。」 (母)

「お父さんには驚かされてばかりだったわー。」

(綾)

「それで結婚する事になったんだね。」

そこで信号は青に変わり車は走り出した、だがすぐに赤信号に変わり車は止まった。

(父)

「父さんは母さんの笑っている顔が好きでいつも話を盛り上げて笑っている顔を見ていたなー。」

(母)

「たしかにいつも愉快な話を聞かされてたわねー。」二人は顔を合わせながら笑いあっていた。だが綾の視界に入っ来たのは目の前から突っ込んでくるトラックだった、しかし父と母は気付いていなかった。信号はまだ赤だった、私はパニックになり口を開けなかった。車の中には笑い声が響いていた。私はどうにかしないとと思い力を振り絞り口を開いた。

(綾)

「お父さんお母さん前!」

だがその時には遅かった、車はもう目の前まで迫っていた。綾の声で車の中は一瞬にして悲鳴に変わった。私はしゃがみ込んで頭を手で覆った。

「ドカン」


その瞬間目が覚めた。

11時過ぎだった。

(綾)

「嫌な夢、、」

私は布団からだるい身体を起こし風呂に向かった。

(綾)

「今日どこの施設に連れて行かれるんだろう。」

湯船に浸かりながらそんな事を考えていた。

風呂を出て自分の部屋に戻った。

時間は11時半頃だった。(綾)

「そろそろ出よっと。」

私は荷物が入った鞄を肩から下げて玄関に行き靴を履いた。玄関を出て家の鍵を閉めた。

(綾)

「行ってきます。」

扉にそう言って市役所に向かって足を動かし初めた。11時50分頃には市役所に着いた。

市役所に入ると昨日会ったスーツ男の3人組が出迎えてくれた。昨日と同じく「政府特例孤児保護科」の部屋に案内された。

部屋に入ると、昨日と同じ人がイス座っていた。

(綾)

「こんなちは」

(男)

「やあ、時間どうりだね。どうだい心の整理は着いたかい?。」

(綾)

「まだちゃんとではありませんがなんとか、」

(男)

「そうか。突然だか君にはこれを渡そう。」

そういうと男は手のひらサイズの黒い箱を渡された。(綾)

「これはなんですか?」

(男)

「今教える事は出来ない。だが必ず使う時が来るだろうそれまでこれは大事に持っていなさい。だがけして必要な時意外開けてはいけない、他人にも見せてはいけない。わかったかな?」 (綾)

「はぁ、なんかよくわかりませんが必要な時意外開けるなって事ですか?」

(男)

「他人にも見せてはいけないよ。」

(綾)

「わかりました。」

私は男から箱を受け取った。箱の重さはそこまで重くなく不思議な重さだった。その箱を鞄にしまった。

(男)

「では行こうか。」

(綾)

「はい。」

スーツの3人組は部屋の扉を開けた。

男は席を立ち出口に向かった私も男に続き部屋を出た。市役所を出て車に乗り込み直ぐに走り出した。

車中は助席には男運転席にはスーツの男、二列目にはスーツの男に挟まれる感じで私が真ん中に座っている。

(男)

「もしまた会えたらその時は君の話を聞かせてくれ、頑張ってくれよ。」

(綾)

「え、あ、はい?」

突然の話に焦って答えてしまった。

(綾)

「あの色々とありがとうございました。」

(男)

「頑張ってくれよ、そして必ず帰ってきてくれよ。」 (綾)

「あのさっきからなにを言ってるんでしょうか?」

この人は私の事を知ってるかのように親しげに話してくる事を不思議に感じていた。

(男)

「ごめん、ごめん、私情を挟み過ぎたね。気にしなくていいよ。」

(綾)

「?」

(男)

「おい、やれ」

(スーツ男)

「はっ!」

と同時に私はそのスーツの男に取り抑えられ、私は抵抗する事も出来ず、バチバチっという音と共に意識は薄れていった。

(スーツの男)

「知り合いなんですか?」

(男)

「ああ、あの子は私の友人の子なんだよ。あの子が小さい頃によくうちの息子とよく遊んでいてね。とても元気で活発な子だった。今じゃみる影もないが。」

(スーツの男)

「そうだったんですか。」

(男)

「あの子最後まで笑わなかったな、きっと笑顔を取り戻して帰ってくる事を願うよ。」

その後車の中に話声はなくそのまま走り続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ