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     10

「ミリオンっ彼等ですよ!」


「!」


 なにやら騒いでいる外人達になど目もくれずに美夜の姿を探した観咲は、硬直している弓月と泣く美夜を見つける。


「ど・どうした、美夜!」


 美夜はかたかたと震えながら顔は向けずに指で外人二人を示した。


「きっさまらっ美夜を泣かしたな!」


「うわぁっ待ってくださいぃ! 私達は貴方がたにちょっとお話があるんですっ」


 手をかざした観咲の動きが止まる。


「話だと? 美夜を泣かすような奴の話なんざ、聞きたくないね」


「そんなぁ」


 あくまで腰の低いコルバルト。


「どうする、弓月」


 振り向いて、未だ硬直したままの弓月に青筋を立てて歩み寄る。


 ごす、と容赦なく殴りつけ、


「いつまで硬まっとるっ!」


 と叫んだ。


「……もう緑の怪物はいませんか?」


 か細い声で問われ、観咲はにっこりと笑う


「大丈夫だぞ」


「……シスコン」


 殴られた頬をさすりながら言葉で復讐するが、無視される。


「という訳で」


「なにがです?」


 密かな弓月の言葉をまたもや無視して観咲は言葉を続ける。


「外人に用はない。帰れ帰れ」


 野良犬でも追い払うかのように掌を揺らす「そんな」


「ああ、もう! こうなったら力ずくよ」


 せっかくコルバルトが取り成そうとしたのに、ミリオンが短気をおこして古めの大きいコインを掲げた。

 美夜は慌てて弓月と観咲の背後に隠れる。


hairuハイル! 契約の精霊よ 炎の魔女の命に従い 我に力を与えよ」


 ミリオンの言葉に応えるかのようにコインが輝いた。そしてその中から赤いものが噴き出てくる。

 だがそれは観咲の差し出された掌にからめ捕られた。


「なんだこれは。随分とイキのいい炎だな」


 英語でなにかを叫ぶミリオンを無視して掌の炎を眺める。

 その炎の中には、小さな人影がいくつも見え隠れしている。


「あなたはあなたがたは、一体何者なんですか」


「それはこちらの台詞です。なぜ我々にからむのですか。それになぜ攻撃するのです?」


 得意の眼光で鋭く睨むと、それまでなにやらぶつぶつ言っていたミリオンが顔を上げた


「あら、いい男」

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