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寒さ嫌いの氷魔術師  作者: カフェイン
第二章 任務編
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任務終了 暗闇の街で

この任務の依頼者は軍なのだ

軍は任務地の廃工場におそらく敵がいるということはわかっておったんじゃ。

魔力が確認されたというのはこのクラスに話したじゃろう。

勘違いしないでほしい。もちろん私はこの任務を断った。

しかし、この学校はたくさんのことやものを軍に支援してもらっている。

それに付け込まれて任務を受けるしかなかったのじゃ。情けない話であるがの。

一応、軍の人間をそちらに向かわす。何事もないように‘生徒たちを視察’ときましょうということで特殊隊が来たんじゃ。



ここまでの話を聞いて咲だけは軍の大体の目的が見えてきた。

ここ、紅魔法学校は日本の首都、東京に建てられている。

東京には国の中心となる機関がいくつもあり、郊外には全国にある軍支部のトップである東京軍基地が建立している。

この二つの組織は近隣にあるということもあり、古くから密接なつながりを持っていた。

そのため卒業すれば大学に進学する者が多いが、魔力が高かったり、戦闘能力が高い生徒はそのまま軍に引き抜かれた生徒も今まで多数存在した。

それに、特殊隊の男の覚えといてやるという言葉。

そうか・・・・




---この任務はそれの候補を探すことが目的だということか---



特殊隊の隊長が言った覚えといてやるという言葉の意味がようやく分かった、いや、分かってしまった咲は大きな怒りが湧き上がってきた。

そんなことのためにこのクラスの仲間は危険にさらされることになったのか。

今回は相手のグループが白井以外はそこまで強くなく生徒たちだけで対処できたからよかったものの、もしかしたら正人以上の怪我人が出てもおかしくなかったのである。


「私も皆にけがはさせんとか大層なことを言っておきながら、その言葉を守れなかった。本当にすまない」










「・・・・・・とまあこんな感じ。だから校長先生も出てきたんだろうね。」


「きっと、私たち生徒のことを本当に大事にしてくれているんですよ」


情けない自分のせいで危険な任務を受けてしまい、自分一人だけ学校に残ることが許せなかったと校長が言ってたということを後に正人は咲に聞いた。

それにしても正人には一つ気になることが残っている。



(なんで、あの白井という男は俺のことを知っていたんだ)



あいつは自分の体質じゃくてんを知っていた。

それに、あいつの魔法はいつもより嫌な感じがしていた。

何か関係があるのだろうか。



しかし、どれだけ考えてもわからなかったので正人は考えることを止めた。







「そろそろ家に帰るとするか・・・・」


俊介の話を聞いた後、5人で話し込んでしまい時間は午後6時となっていた。

正人の身体は完全とはいかないが回復しており、動けるようにはなっている。

まだ少し痛む体を持ち上げ、正人はベッドから降りた。


「無理しない方がいいよ。もう少し寝てた方がいいんじゃない」


「そんなこと言われても、ここに泊まるわけにもいかないだろ」


光に無理するなと言われるが、正人は帰る準備をしながら大丈夫だと答える。

自分の荷物はみんなが持って来ていてくれたらしく、ベッドのそばに置いてあった。

靴もおいてくれてあり、何時でも帰れるようにしていてくれたらしい。

ほんと、みんなには感謝だ。

しかし、光や星姫はまだ心配そうな顔でこちらを見てくる。


「大丈夫だって、体の痛みはほとんど抜けてるし」


そう言って一回軽くジャンプしてみせる。

このくらいの動きなら体に負担はかからなかった。

二人もそれを見て納得し、しだいに笑顔になっていった。

やっぱり二人はこうでなくちゃな。















『よう、どうだった。データは集まったか?』


『すいませんボス。6人しか集まりませんでしたよ。でも他にいいものを見つけました』


『ほう、なんだ教えてみろ』


『水氷の、いや、氷の呪いをもった男が見つかりましたよ』


電話越しでボスと呼ばれる男が驚いていることがはっきりとわかった。

受話器から、「そうか・・・」「しかし・・・・」などの声が漏れてくる。


『・・・・そうか。それで、本題の方はどうだ?』


『ボスの言うとおりですね。回数増やせればだんだん成功に近づいていくと思いますよ』


『わかった。次の潜入場所を手配しておく』


『次はもっと強いグループにしてくださいよ。あいつら弱すぎでしたから』


『ふっ、そうだな。善処しておく』


『頼みましたよ。じゃあ、また掛け直します』





そう言って男、白井は電話を切った。

ここはとあるビルの裏通り。

白井は自分の胴に手を当てながら狭い夜空を見上げた。


「呪いがついた状態でこの威力とはね・・・・・」


実は正人の攻撃はしっかり白井に当たっていた。

黒い衝撃波を当てて攻撃をそらしたのだが、完全にはそらしきれなかったらしい。

少し鋏を振るった腕が今でもしびれている。


「因果応報とはよく言ったものだよ、これだけ時がたってもまとわりついてくる」


悲しげに呟いた言葉は夜空に吸い取られていった。

そして白井は溜息を吐き、大通りの人混みに紛れ姿を消した。

やっと任務編が終わりました。

次回からは学校での生活などをかけたらいいなと思います。

これからもよろしくお願いします。

感想もいただけたら嬉しいです。

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