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寒さ嫌いの氷魔術師  作者: カフェイン
第二章 任務編
22/23

帰還 真相は

「・・・・・・・・・・ん、俺は」


起き上がってあたりを見回してみると、どこか見覚えのある部屋俺は寝ていた。

時計を見てみると今は4時30分を指している。

寝ぼけていた頭もだんだん回復してきて、自分が気を失ってしまったことも思い出した。

任務中だったのに気を緩めてしまうなんて俺もまだまだだな。


「正人、起きたんだ」


部屋の扉から光を先頭に任務の同じ班だったみんなが入ってきた。

全員、身体のところどころに包帯や絆創膏ばんそうこうが見えるが俺ほど酷いけがはしてないみたいだ。


「ようお前ら、怪我は大丈夫か」


みんな大丈夫そうだが一応聞いてみる。

そうしたら俊介が「正人には言われたくないよ」と苦笑しながら返してきた。


「そうだな。それより、ここは?」


とりあえず、いまだに思い出せなかったので聞いてみた。

この部屋は知ってると思うんだがぼんやりとしていて思い出せない。

そんな感じで俺は考えていると。


「ここは学校の保健室だ。あの後浮谷がお前をここまで運んだんだ。」


「浮谷君はもう帰ってしまいましたけどね」


なるほど、それで見たことがあるような気がしたのか。

あの工場からここまではなかなか距離があったよな。

今度、ちゃんと礼を言っておかないと。

よく見れば弥生もいなかった。


「そう言えばあの後どうなったんだ。ていうか、なんで軍の特殊隊がいたんだよ?」


そのことを口にすると、みんな少し表情が硬くなった。

咲なんか怒りで肩が少し震えている。

いつも冷静な咲が怒るような理由があったのか。


「なにかあったんだな。聞かせてくれ、任務は失敗になったのか」


「いや、任務成功ミッションコンプリートということで認められた」


任務は失敗していないのか。

なら何で咲は憤っているんだよ。

ますます意味が分からなくなってきた。


「軍が僕たちのことをうまい具合に利用した、ってとこかな」







正人が倒れ、白井が逃げ去ったあと、特殊隊のメンバーは奥の部屋の機械を調べていた。

数人は、気を失っている正人の応急処置を手伝ってくれている者もいる。

校長の荒木は特殊隊の隊長と思われる人物と話していた。


「校長、どういうことですか。なぜ軍の方々がここにいらっしゃるのですか」


咲はその二人のが話している最中にもかかわらず、校長に話しかけた。


「お前がこのクラスのリーダーか?」


しかし、返事が返ってきたのはもう一人の男の方だった。

戦闘の時に部下に指示を出していた男でもある。


「ああ、私がこのクラスの委員長の護峰院咲だ。」


あっちの男も委員長だが、と正人の方を向きながら付け加えた。

咲はこの男たちのことをあまり信用していなかった。

それは、軍が今更出てくるなら最初からすべて軍がこのことを処理しておけばよかったのではないかと思ったからだ。


「そんなに睨むなって。だがお前の冷静さは気に入ったぜ。名前、覚えといてやるよ」


それだけ言って男は部下を全員引き連れ工場内から去っていった。

軽い物言いに咲たちは少しのあいだ呆然としていた。

なんだか、おかしな人だね、という俊介のつぶやきにみんな一斉に頷いた。


「皆、ご苦労だった。詳しいことは帰ってから話そう。彼以外に怪我人はいるかね?」


校長が聞くと、咲はすぐにあたりを見回して確認を取った。

実際には1班と校長と一緒に入ってきた海斗たち2班しかいないのだが念のためだ。

そして、全員無事であることを伝えると


「うむ、では全員学校に戻るぞ。・・・・・・・・軍の方々、あとは頼みましたぞ」


「了解した。すまねえな、軍上層部うちらのせいで生徒に怪我人出させちまった」


最後の言葉の意味はどういうことかはわからなかったが、咲たちは聞かなかったふりをして学校へと帰る準備をした。





それから30分くらいが経って咲たちは1組の教室にいた。

海斗は正人を担いで保健室に行き、光と俊介はその付き添いで今はいないが、そのほかの1~8班のメンバーは全員教室にいた。

1,2班以外は特殊隊が来ていたのを知ったのは教室に戻ってきてからだったので、今は教室が少し騒がしい。


「ただいま。校長先生まだ?」


「まだ来てない・・・・・・・。たぶん直ぐに来ると思う・・・・・・・。」


正人を運んでいた3人が帰ってきた。

光は校長がまだ来ていないことを確認すると、星姫のところへ行き一緒に喋り始めた。

俊介と浮谷も別のところで話し込んでいた。

表情から察すると、おそらくなぜ特殊隊がいたのかについてだろう。

そうしているうちに校長が教室に入ってきた。


「みんな、自分の席に戻れ」


咲が委員長としてクラス全体に声をかける。

クラスの皆はそそくさと自分の席に戻っていき、やがて全員が自分の席に着席した。


「先に、今回の任務ご苦労だった。さて、今回のことは君たちにすべて話さなくてはなるまい。少しの間聞いてもらおうか」


校長は申し訳なさそうにしながら話し出す。

咲たちは校長が話すのを瞳を閉じて静かに聞いていた。

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